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構造化のススメ~トレーニングの7原則を5分で覚える~

パラバドミントン選手の正垣です。
2回目の投稿になります。

某大学バドミントン部にて

普段の私は大学や高校のバドミントン部の練習に参加させてもらっているのですが、先日のとある大学の練習でこんなシーンがありました。

監督「はい、トレーニングの7原則、言える人!」
学生A「オーバーロード…ざ、ぜ、漸進世、継続性、、あと何やった?」
学生B「意識性…え~、、」
監督「あと3つ!」
学生達「…あかん、覚えられへん」

某大学バドミントン部の風景

パラ選手を本業とする私にとって、トレーニングの7原則は基礎中の基礎…かと思いきや、なんと2022年3月13日まで知りませんでした汗
選手歴は長いので感覚で理解はしているし、一応は理学修士の端くれなので、そういう話が存在することは容易に想像はできるのですが、大学などの然るべき機関で体育学やスポーツ科学をしっかり学んだことはなく、また独学で本を読んだことはあるものの体系的な学習という観点では(以下、言い訳タイム)…

正垣「こういうのちゃんと聞いたことはないから知らなかったです…」
監督「まあテキストによってまとめ方が違うから一概には言えないけどね」

監督さんのフォロー

などと監督さんに大人の対応をして頂きながらも、この機会にちゃんと理解せねばということで、早速勉強…。

そして、ちょっとしたコツを使って、5分程度でこの7原則を覚え、すぐには忘れない状態まで理解できました。今回はそのコツについて書いてみたいと思います。

トレーニングの7原則

結論から言えば、トレーニングの7原則とは以下の通りです。

1.過負荷(オーバーロード)の原則
筋肉は、ある程度強い負荷(過負荷)を受けることで、その負荷に適応しようとして強く大きくなる
2.漸進性の原則
筋肉は負荷に慣れてしまう傾向があり、与える負荷は段階的に上げる必要がある
3.継続性の原則
トレーニングの効果を得るためには、ある程度の期間トレーニングを続ける必要がある
4.特異性の原則
トレーニングの効果は筋肉に与える刺激によって異なるので、筋肥大や筋力増強などの目的にあったトレーニングの条件を設定しなければならない
5.全面性の原則
全身の筋肉・筋力をバランスよくトレーニングするべきだ
6.個別性の原則
トレーニングの効果を上げるためには、個人にあったトレーニング方法を設定する必要がある
7.意識性の原則 
鍛えている部位を意識すると、効果的に鍛えられる

KouJou Blogさんより

知識としては初めてでも、ある程度のスポーツ経験がある方にとってはどれも納得感がある内容ではないでしょうか。
これを改めて覚えようという試みは、少し勉強のための勉強になってしまう気もするのですが、学生たちがこの7原則を1つずつ覚えようと苦労していたので、少しだけ手を差し伸べたいと思います。

構造理解のススメ

7つの原則を覚えるために、解説文を上から順番に追いかけるやり方は非常に効率が悪く、記憶の定着も難しくなります。私は単純記憶のキャパシティがニワトリ程度のため、3歩も歩けば忘れてしまうかもしれません。

こういう場合、「何かと関連付ける」や「規則性を見つける」という方法もありますが、今回勧めたいのは、「7原則の全体的な構造を把握する」こと。というわけで早速やってみましょう。

まずは最初の3つに注目します。

1.過負荷(オーバーロード)の原則
筋肉は、ある程度強い負荷(過負荷)を受けることで、その負荷に適応しようとして強く大きくなる
2.漸進性の原則
筋肉は負荷に慣れてしまう傾向があり、与える負荷は段階的に上げる必要がある
3.継続性の原則
トレーニングの効果を得るためには、ある程度の期間トレーニングを続ける必要がある

KouJou Blogさんより

いきなり3つかい!と思われるかもしれませんが、この3原則は、「筋肉は負荷をかければ強くなり、その負荷は段階的に上げながら、トレーニングを継続しましょう」という誰もが知っていることを言っているに過ぎません。

これを頭の中でイメージすると、以下のような図になります。

正垣の脳内イメージ その1


続いて、4つ目と5つ目の原則に注目します。

4.特異性の原則
トレーニングの効果は筋肉に与える刺激によって異なるので、筋肥大や筋力増強などの目的にあったトレーニングの条件を設定しなければならない
5.全面性の原則
全身の筋肉・筋力をバランスよくトレーニングするべきだ

KouJou Blogさんより

ちょっとここが難所で、出典元によって解説が微妙に異なるのですが、「トレーニングは高めたい機能や部位に応じてやり方が違うよ」という話と、「全体的な機能や部位に対してバランスよくトレーニングしましょう」という話になります。

つまり、この2原則は対の関係になっており、どちらにも1.過負荷(オーバーロード)の原則、2.漸進性の原則、3.継続性の原則が当てはまります。

これを先ほどのイメージに加えるとこんな感じでしょうか。

正垣の脳内イメージ その2


続いて注目するのはこちら。
個別性の原則をあえて飛ばして、意識性の原則を考えます。

7.意識性の原則 
鍛えている部位を意識すると、効果的に鍛えられる

トレーニングに限らず、何をするにしても意識面は大切になりますし、これはもうすべてを包み込むイメージを持つと理解しやすいのではないでしょうか。

正垣の脳内イメージ その3


そして最後に登場するのは…

6.個別性の原則
トレーニングの効果を上げるためには、個人にあったトレーニング方法を設定する必要がある

この個別性の原則は、今まで紹介した1~5と7の6原則の概念を、それぞれの個人に当てはめようという考え方です。
確かにこれも言われればその通りの原則ですが、今まで私の頭の中でイメージしてきた図の中では、少し概念が異なり相容れません。

というわけで、こうしちゃいましょう。

正垣の脳内イメージ 完成系

うわ、なんかちょっと気持ち悪くなったような気もしますが、当初の上から順番に7つを覚えるやり方に比べると、理解が深まったのではないでしょうか。

新しい情報を理解するコツ

私達が物事を理解したり記憶しようとする際、当然ながら脳を使うことになります。
しかし、人間の脳は計算機のように単純な大容量記憶ができるわけではありません。

そこで、このように構造化してイメージを作り、単純な丸暗記とは異なるアプローチで脳へ情報をインプットさせると、記憶は格段に定着しやすくなります。

ただし、単純な丸暗記を一切放棄して、構造のみでインプットしようとしても実はなかなか難しいのでご注意を。

まずは単純な丸暗記にチャレンジして、情報が複雑になったら構造化を行う。このプロセスを繰り返して情報を自分のものにしていく。

これが新しい物事を理解するコツではないかと思います。

というわけで、新しい知識を覚えようと奮闘する学生たちを想像しながら、こんなことを書いてみました。

~注意点~

厳密な専門分野の方からすると、私が理解したトレーニングの7原則についての構造は必ずしも正しくないかもしれません。
この記事はあくまでも新しい情報に出会った際に、それを構造化して理解することに着目しています。

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