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一級建築士試験の学科試験勉強方法①

こんばんは、源です。令和3年度の一級建築士試験試験日程が発表されました。学科試験はオリンピック日程なので例年よりも2週間早い7月11日(日)が試験日です。製図試験は例年通りなので、学科合格後の製図試験勉強期間は2週間長くなるため、学科からの受験者にとっては良いことだと思います。

しかし、まずは学科試験突破が必要です。4月1日からはインターネットによる試験申込が開始されます。今年はインターネットのみとなっているので注意が必要です。早めに準備を開始しましょう。

学科試験の勉強を始める方に向けて、私が受験した時に考えていたことをお伝えします。ご自身の勉強方針を決める一例として参考にしてみてください。

一級建築士の学科試験勉強法についてはインターネット、書籍、上司や先輩からの伝言など様々な方法が語られています。あまりに色々なことが語られているので、何をすればいいのかが分からなくなってしまいますよね。

合格までに合計800時間以上必要だ!4月から試験勉強を開始して合格した!などなどです。しかし、その条件はあくまでその人の事であって、自分にあてはまるとは限りません。また、勉強の中身でも条件は全く変わってきますので、このような話を鵜呑みにしていてはいけません。

結局、学科試験の勉強方法で最も大事なことは、いち早く自分に合った勉強方法を見つけることです。この理由は以下のとおりです。

・人にはそれぞれに合った勉強方法があり、それは千差万別である
・自分に合う方法が効率的であり、無駄な勉強時間が少なくなる
与えられたものをこなすだけでは力はつかない
・社会人には時間が限られているので、最短距離を進むべきである

まず、一番始めにやるべきことは全体スケジュールを作ることです。全体スケジュールを作る前には、いろいろな勉強方法を試してみて、自分に合った方法を見つけておきます。なお、過去の受験勉強などで勉強方法がすでに定まっている方は、すぐにスケジュールを作り始めればいいです。

この全体スケジュールを作らずに勉強を始める方は多いと思われます。しかし、なぜ必要なのかを説明しておきます。どこかにドライブする時のことを参考に、その理由を考えてみます。

・目的地へのルートがわからずに向かっても、迷子になってしまう
・ルートがわかっていれば自分の現在位置が良くわかる
・目的地への到着予定時刻から逆算して、現在のスピードを調節できる

あとは、このスケジュールを実行する中で、自分の位置を確認しながら随時、修正しながら進めばいいと思います。的確な立ち位置を確認するため、資格学校が開催する模擬試験を受験することが有効です。模擬試験の結果を参考に、勉強方法の修正を加えていけば完璧なスケジュールとなり、合格に近づくことができます。独学で進める場合には有効な手段となります。

では、私がやっていた勉強方法について書きます。私は学校に通うことなく、独学で勉強していました。基本的にしていたことは過去問を解くことをしており、二つの資格学校から出版されている過去問題集を入手しました。

なぜ二種類購入したかというと、解答の解説がしっくりこない問題が頻繁にあり、もう一方の本を読むと納得することができました。どちらの本でも納得できないことはなかったので、理解しにくかった問題は別の解説を読むようにしていました。

やはり、納得したものの方が記憶に残りやすくなります。

問題集は7年分の問題集を合計6回くらい回しました。結果、ギリギリで合格したので、安心して試験に挑むためには、もう少し回繰を重ねる必要があると感じました。

各周回にやった勉強内容です。

[1周目]
 深く考えずに数をこなします。解説を読みながら知らないことについては周辺知識も深堀りしていきます。最も時間がかかり、わからないことばかりなので苦しいですが、まずは乗り越えましょう。
[2周目]
7年分をこなしたことで、頻出問題については何度も出会うこととなります。見たことある問題も増えてくるので、少しずつ知識が積みあがってくる実感もあると思います。1周目に比べ、7年分こなすための勉強時間は短くなります。
[3周目]
中間地点での効果測定をします。正答率がどれほどあるかによって勉強方法を修正します。過去問を通しで解く場合、正答率が9割超えることを目標とし、本番で90点以上超えを目指します。
[4周目]
4周目に入ると問題をこなすスピードは劇的に速くなります。ここでは、間違えた問題だけをこなすことで知識の弱点をなくしていきます。間違えた問題だけに付箋をつけておき、正解したら外していくことをします。
[5周目]
最終的に間違えた問題をなくす作業をします。間違えた問題だけをこなし、5周目が終了した時点で問題集に付箋が残っていないことを目指します。
[6周目]
総仕上げとして、再度、全問題を通して解きます。本番をより意識するため、試験元のホームページから問題文をダウンロードして解きます。過去8年分の学科試験問題は入手可能です。本番に近い環境で時間を計りながら解きます。少なくとも、その年度の合格点数を超えるまでは繰り返します。

まずは、試験の全体像をつかむために一年分の問題をざっと見ます。始めはわからないことばかりなので、解説を読みながら知識を蓄えていきます。各選択肢の解説も読んでいき、周辺知識が足りない場合には別途、参考書を利用して知識を補充します。

また、勉強を進める中での注意点としては、どうしても理解できなかったり、覚えられない問題が存在する場合、その問題に固執しないことです。125問中の90問以上を正解すればよい試験なので、一年分のうち5問程度は捨てることはできます。時間ばかりかかってしまう問題に関しては、割り切って切り捨てる潔さも必要となります。

独学で学習していた私は、過去7年分の試験問題を完璧に理解し、それに関する周辺知識は選択肢も含め覚えました。各資格学校が7年分の過去問題集を出版しているということは、少なくとも、7年分の問題をこなせば合格する可能性がある問題量であるはずです。

しかし、7年分をこなしたから合格できるのではなく、7年分を完璧に自分のものとして吸収することができた時のみ、かろうじて合格ラインを越えることができるのだと思います。実際、完璧な合格を目指す資格学校の指導では、10年分以上の過去問題をこなしています。

結論を言いますと、独学で学科試験突破を確実に目指すためには、数年前の過去問題集を手に入れて10年分以上の問題をこなすべきです。

次に、私が試験勉強で役に立ったと思う本を紹介します。「世界で一番やさしい建築基準法」です。この本は写真、図が豊富で非常にわかりやすくなっています。難しく感じる条文もイラストを介して読むことで理解しやすくなります。法規の勉強を始める前に、まず、この本をざっと読むことをオススメします。

あとは、辞書のようにして個々の条文で理解しにくいところがでてきたら読み直すことで知識が充実するようになります。

問題集の持ち運び方で工夫していたことも紹介します。分厚い問題集を持ち運ぶには重すぎたので、すべてのページをばらしてファイリングするようにしていました。B6版の26穴リングファイルを使って年度ごとに分けて持ち運び、どこでも勉強できるようにしました。パンチは26穴用を使いました。


以上、私が学科試験勉強で工夫したことをお伝えしました。どこか参考になるところがあれば試してみてください。まだ間に合います。

なお、一級建築士試験は学科を合格した後に製図試験があります。製図試験は学科合格後の短い期間で多くの知識を吸収するだけではなく、作図作業、記述問題をこなさなくてはなりません。学科試験とは違った大変さがありますので、学科試験で燃え尽きないようにペース配分も気を付けましょう。


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