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こんにゃくゼリー

独特の食感でお馴染み、こんにゃくゼリー。
名前の通り、こんにゃくを使ったゼリーです。

ですが、実はこんにゃくだけで出来ている訳ではありません。
作り方もこんにゃく単体とは違う、似て非なるものなんです。

こんにゃくゼリーは精製されたこんにゃく粉と、カラギーナンという多糖類が使われています。
カラギーナンは海草から取れる多糖類で、食品の増粘剤として使用されます。
こんにゃくもグルコマンナンという多糖類が主成分です。

グルコマンナンとカラギーナンを熱湯に混ぜて溶かし、冷やすとゲル化します。
水素結合によって二つの多糖類が橋架けされ、ネットワークを形成するんです。

実際はこんなに単純ではないですが、シンプルにすると図のようになります。
こんにゃくと違い、凝固剤を使わずにゲル化させているのが特徴的ですね。
溶かして冷やすだけなので簡単に思えますが、綺麗に混合して溶かすのは容易ではないです。
カラギーナンは水に溶かそうとすると直ぐにカタマリになり、更に蒟蒻粉は強い粘性を示すため、コツと根気が必要です。

こんにゃくゼリーがこんにゃくと違う点はまだ有ります。
こんにゃくゼリーは熱湯に溶けるんです。
水素結合で分子鎖が橋架けされているため、熱によって水素結合は解けてしまいます。

実際に試してみましょう。
ゼリーを入れたカップに90℃の熱湯を入れてかきまぜると・・・

数分で溶けてしまいました。

・・・・・・勿体無いなぁ。

そして、製品のパッケージには「硬くなるので凍らせないで下さい」と注意書きがあります。
凍らせてみると、確かに硬くなります(真似しないで下さい)。

こんにゃくは冷凍するとグルコマンナンが凝集します。
こんにゃくゼリーにも同じことが起こって硬くなるのでしょう。

こんにゃくゼリーと言えば、蒟蒻畑のマンナンライフさんですね。
蒟蒻最大の産地、群馬県の企業です。
こんにゃくの主成分、グルコマンナンから社名を考えたのでしょうね。

発売当初の弾力に富んだ蒟蒻ゼリーが一番好きでした。
一時期はゼラチンのゼリーのように柔らかくなり残念でしたが、今は少し弾力を取り戻しています。
最近は砕きやすいクラッシュタイプという製品もあり、あまり噛まずに食べられるようになっています。
夏に冷やして食べる蒟蒻ゼリーは美味しいですね。

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