春に汲む。

このあいだ、
「金沢さんは、フリーよりも会社でやっていきそうですよね」
と言われた。

もちろん、日々きゅうくつな思いをすることはたくさん、
超たくさんあるけれど、
言われてみると、「組織のなかにいる自分」がけっこう好きかもしれない。
気付いたら、いまの会社も6年目になり、
今年も、新卒の人たちがぼく達に仲間入りした。

この数年間、ぼくは2人の新人の直属の上長を務めた。
ほぼ毎日行動を共にして、
ひとり目は1年半のあいだ一緒に仕事をし、
ふたり目は今年、2年目に突入した。

新人と毎日一緒に仕事をする醍醐味、というか、
いちばん嬉しい瞬間は、
とても月並みだけど、成長した姿を見せてくれたときだ。

今日、ぼくのふたり目の部下が、
(部下という言葉は偉そうであまり好きではないけど、
ここではわかりやすくするために仕方なく)
「先輩プロデューサー」として、
入社したての新卒の人たちの前で、
プロデューサーの仕事について30分も話をした。

先週、ひとり目の部下が、
大きな就活イベントに登壇して、
400人規模のホールで就活生に向けて会社紹介をしたらしい。
(見に行きたかった、、)

それぞれふたりに
「どんな話するの?ダメ出ししたりしないから、教えてよー」
って、ちょっとふざけながら聞いてみた。
そうしたら、ふたりとも、準備している資料を見せてくれた。

その資料はとてもわかりやすくて、
ぼくなりに伝えたかった仕事の心得というか、
大事にしてほしいスタンスみたいなものを、
ちゃんと汲んでくれているように見えた。
「継いでくれているな」と、これまた月並みだけど、
そんなことを思って、とても嬉しかった。

おわったあと、「どうだった?」って聞いてみたら
「めっちゃ緊張しましたよー」と笑っていた。
でもそれは、ちょっと堂々していて、自信のある笑いだった。
きっと、堂々と話せたんだろうな、と思う。

だって、ふたりとも、
睡眠時間を削ったり
いろんな人にキツいことを言われたり
しんどい思いをしながら乗り越えてきたことを、
そのまま話したのだ。
その足跡は自信を持っていいものだし、
堂々としてほしいなと思っている。

そして、そんな堂々とする部下の姿をみて、
ぼく自身も襟を正されるのだ。
ちゃんと足取りに確信を持って動けているか。
周りの人から「汲む」気力はあるか。

仲間から汲む気力がなくなったら、
それはもう、組織にはいなくていいのかもしれない。
でもぼくは、汲みたいし、継ぎたいし、
汲んでほしいし、継いでほしいと思っている。

今日みたいに、部下とぼくで及ぼし合っている実感があると、
またまた月並みだけど、会社って悪くないな、
なんて気にもなったりする。
まあ結局、人のあいだにいるのが好きなんだろうな。


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東京都中央区在住、30歳の男です。 2013年〜2019年 広告制作プロデューサー。 2019年3月〜 WEB編集者。
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