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マンゲキ芸人座談会〜ロングコートダディ×滝音〜Vol.3

vol.1、vol.2は、バレンタインデー話を繰り広げてくれたロングコートダディと滝音の座談会。
今回は、賞レースについて。自分たちの思いをワイワイと。

兎:もうキャリア的に出る権利のある賞レース、少なくなってきてるからなぁ。

さすけ:あたしらもそうです。

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兎:参加できるのは『キング・オブ・コント』と『NHK上方漫才コンテスト』、『M-1グランプリ』……。去年が良かったんで、『キング・オブ・コント』も決勝に行かせてもらったし……だから今年は、去年をどう超えていくかが目標。

さすけ:ロングコートダディさん、もっと早くにいろんな賞レースでは準決勝、決勝って言われてたから。

兎:まぁでも、去年、落とされる理由あったしなぁ。自分らでわかるくらい。

秋定:今年はだいぶ、熱いんじゃないですか?

兎:まだ熱い感じはしてない。別にネタはこれでいこうとかってのもできてないし。

堂前:色々と準備はしとこうかと思ってるけど、まだちょっと入れ込まないようにしてる。

さすけ:そうなんですか! てっきりもうすでに照準は定めてるって思ってました。

兎:(堂前を見ながら)まだだね。

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—昔の賞レースは、裏ではみんなピリピリと緊張感が凄かったようですが、今はどんな感じなんですか?

兎:今はそこまでピリピリしてるってのはないとは思いますね。

秋定:僕らだけかもしれないですけど、『キング・オブ・コント』の準決勝の時に、うちらとロングコートダディさん、ビスケットブラザーズ、ニッポンの社長、マイスイートメモリーズさんの大阪勢5組くらいいたんですけど、マイスイートメモリーズさんはずっとネタをくってはったんで近くにいてはらなくて、残った4組でずっと喋ってはしゃいでましたね。で、「あ、そろそろ出番やから行ってくるわ~」みたいな感じで(笑)。

兎:あの日は楽しすぎたなぁ。

秋定:東京の芸人さんからしたら「あいつらなんだよ」ってなるくらいリラックスしてやってましたね。それこそみんな壁に向かって練習してたのに、ゲラゲラ笑って過ごしてましたもんね。

兎:控え室の畳に寝っ転がりながらね。

秋定:でもそのおかげか結構自然体でネタができて……。とにかく東京の空気を楽しんでました。それと『キング・オブ・コント』と『M-1グランプリ』のタイミングでロングコートダディさんとはめっちゃ喋るようになりましたし。それは大きな収穫かなぁ。こうやって座談会できてますしね。

堂前:『キング・オブ・コント』はちょっと気持ち的に余裕があったなぁ。もちろん真剣に臨んではいるんやけど。

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兎:『キング・オブ・コント』がそういう大会なのかも知れないね。やっぱ漫才師にとって『M-1グランプリ』の優勝は喉から手が出るほど欲しいからどうしても勝ちたい。だってそれで人生も変わるし、だからこそ負けたら死ぬほど悔しいけど、『キング・オブ・コント』はちょっと違って、もちろん同じくらい優勝したいですけど、現時点でめちゃめちゃ人生変わるかと言えばそこまでな印象はあるかもしれない。

さすけ:昔の『M-1グランプリ』の準決勝から決勝へいく、あの発表のシーンなんてピリピリしまくってましたけど、それ今はあまりないですもんね。もちろんピリピリしてる人もいますけど。
もちろん賞レースに臨むことは大事ですけど、まずは自分らは面白いことしたい。賞を取るためにネタを作ってるのではないですから。

兎:死に物狂いで取りに行ってるものじゃないからね。

秋定:控え室でも勝ちたいんじゃなくて、いいネタを作りたいって話してましたよね。ネタをもっとよくしたいって話。名前を知られる方法や売れる道が、昔みたいに『M-1グランプリ』や『キング・オブ・コント』だけじゃなくなってきましたもんね。例えばYoutubeもあるし。後輩でもYoutubeに力を入れて、それで跳ねてる子たちもいるから。

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兎:賞金に対しても僕らあまり執着してないというか。そら優勝して賞金貰えるのは嬉しいに越したことないけど。

秋定:あ、決してネガティブではないですよ。賞レースは大事です。それで優勝して肩書きが付くと付かないとでは全然違いますからね。

兎:確かにそれはそうだよ。

秋定:そういや、スピードワゴンの小沢さんが言うてはったんですけど、『キング・オブ・コント』の照明は明るいと。なんか、劇場ではあんなに照明は明るいことないって。明るいからちょっとポップに見えてると言うか、テレビ的に見えちゃうと言うか、もうちょっと暗くしてもいいんじゃないかと。なんかちょっとした差なのかもしれないですけど。

さすけ:客席をちょっと暗くするとかね。

秋定:あれできっと華があるように見えてるんでしょうけど、それをちょっと暗くすることによってネタの世界に入っていきやすいんじゃないかなと思うんです。

兎:なるほどね。

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さすけ:各賞レースを放送しているテレビ局によってそれぞれの個性というかクセもありますからね。

秋定:ところで賞レースの目標ってあります?

堂前:『キング・オブ・コント』は取れるんやったら取りたいなぁ。

さすけ:結果として取りたいと言う感じですか。『キング・オブ・コント』に合わせるというのではなく?

堂前:う~ん。そこはまだわからんけど。でも優勝を勝ち取ったら、以後コントで好きなことができるやろうし。

サスケ:なるほどなぁ。

兎:『キング・オブ・コント』、優勝を勝ち取りたいというよりは、俺は自分にあんまり自信がなくて、演技も上手くないし……勝ち取った時にちょっと自分の中で一個認めてあげれるんじゃないかなと。だから取りたい。と言うより取れる実力が欲しい。ちょっとわかりにくい表現だけど(笑)。

秋定:いや、それ、めっちゃわかりますよ!

兎:本当?

秋定:う、まぁ……。

兎:なんだそれ! (笑)。

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(Vol.4に続く)

■ロングコートダディ プロフィール
堂前透(左)と(右)のコンビ。NSC31期。2009年結成。
2020年 キングオブコント決勝進出
■滝音 プロフィール
さすけ(左)と秋定遼太郎(右)のコンビ。NSC33期。
2020年 ABC「第41回ABCお笑いグランプリ」決勝進出
2020年 キングオブコント決勝進出

ロングコートダディINFO

滝音INFO

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取材・構成/仲谷暢之
撮影/月刊芸人編集部

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