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他劇団公演観劇記「神奈川県民ミュージカルプレゼンツAlice♠︎不思議の国のアリスより♠︎@湘南台市民シアター

前書き

私事いろいろあり、少し時間が経ってしまいましたが、神奈川県民ミュージカルプレゼンツAlice♠︎不思議の国アリスより♠︎を観てきました。
神奈川県民ミュージカル(以下、県民)は、私(折笠)も事務局の方のピンチヒッターの依頼により出演したことがあり、踊りや歌で苦労しながらも、50名もの老若男女での稽古や公演は、とても印象に残っています。

正直言って、私はミュージカルは苦手でした。
だって、日常歌ったり踊って会話をするようなことってありませんよね。とても嘘くさいし、出演している人たち(登場人物)も妙に明るく、まるでアップルストアのスタッフのような感じがします(アップルストアの皆さん、その明るさは大切です!)。
しかし、自分がそこに関わって気がつきました。単なる食わず嫌いだったと。
自分がやっているミュージカルではない芝居はどうかというと、あまり変わらないですよね。現実にはあまりない世界が描かれているじゃないか。決してミュージカルだけの話じゃない。
それに、ミュージカルに取り組む人が明るいのは、その世界自体が前向きで明るく、その世界を表現することに没頭していて、その喜怒哀楽を心の底から目一杯楽しんでいる。また、歌ったり、踊ったり、台詞の応酬により感情をぶつけたり、美しい照明、煌びやかや衣装、迫力のある音響など、芝居の要素が全部詰め込まれているじゃないかと。
私が県民に参加したことで、このように意識が変わりました。

劇団ねこのバロンの第2回公演と第3回公演では、歌や踊りをシーンの一部に取り入れています。これも実は県民の影響を受けています。ミュージカルのようにはいきませんけどね。
前書きが長くなりましたが、当時共演した人たちも多数出演しており、その方から今年はいい出来栄えだよと聞いていたので、楽しみに出かけました。

公演概要

・題目:神奈川県民ミュージカルプレゼンツAlice♠︎不思議の国のアリスより♠︎
・作・演出:立花里美(劇団四季出演)
・作・演出:立花里美
・音楽監督:七海智子(藤原歌劇団)
・舞台監督:吉岡扶敏(劇団民藝)
・振付:柳沼美咲(ダンサー・ダンススタジオM主催)
・日時:2024年8月25日(日)13:00/16:30
・会場:藤沢市湘南台市民シアター

フライヤー

感想

元々は「不思議の国のアリス」ですからそうなんでしょうけど、とにかく夢いっぱいの世界でした。世の中暗いことが多い中、夢が溢れる世界が繰り広げられていて、明るい気分になることができました。これは嬉しいことですね。

子どもたちがたくさん出演している中に、親やじいじばあばの世代の男女の役者さんが混ざっているのですが、その方たちがうまく全体を引き締めている感じがしました。その多くの方は当時共演した人たちだったのですが、そういう意味もあって、観ながら心の中で応援していました。これも嬉しいことです。元気がもらえます。

劇中にたくさんの歌やダンスが出てくるのですが、目一杯練習しているんだなという感じが伝わってきました。自信に溢れていました。私が参加しているとき、歌やダンスでは演出やダンス振付の方から、笑顔が足りない!という指導を何回も受けました。歌ったり、ダンスをするのに目一杯だったり、様々な理由で笑顔が消えることが多いのですが、今回は皆さん笑顔が溢れていました。出演者のご両親、祖父母、友人、知人がたくさん観にきてくれているときに、笑顔が溢れている出演者を観ることができるのは、自信がみなぎっている証拠ですから、これもまた嬉しいことですね。

一方で、明るい世界ばかりをずっと観ていると、ちょっと飽きが来ることもあります。やはり変化が欲しくなります。ハートの女王のように悪役も出てくるのですが、決して根っからの悪役ではないことはお約束ですからも、これも明るい世界のひとつです。
私が個人的に面白かったのは、行方がわからなくなっていたアリスの姉のクレアがフードを被り、暗い照明の中をスポットを浴びながら、舞台下手(しもて。舞台に向かって左側)の花道のようなところから客席前を通って、様子を窺うように上手(かみて)に抜けていく短いシーンがあるのですが、ここがとても印象的でした。行方がわからないのに何故いるの?とか、この先に一体何が起きるんだろうという不気味な予感が感じられました。このようなシーンがあると、本当に嬉しいです。

このように素晴らしいことが多くあったのですが、マイクがちょっと残念でした。湘南台市民シアターは天井が高く、音響効果がよくないことで有名ですので、マイクを使うのは仕方ないのかなと思いつつ、マイクを通した声はやはりちょっと不自然だったかなと思いました。

出演者の皆さん、スタッフの皆さん、楽しい時間をありがとうございました。

※この観劇記は、観劇した私(折笠)の個人的な感想です。芝居に関する感想は十人十色ですので、そうじゃないという方もいると思いますが、ご容赦ください。

役者の皆さんと(共演した方たちと)

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