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他劇団公演観劇記 MAロッキーズ第12回公演「家族の行事」@内幸町ホール

前書き

MAロッキーズは、明治座アカデミー(MA)の第6期生(ロッキーズ)の有志が自主公演を行なっている団体です。アカデミーの卒業後、コロナ禍を除き公演を重ね、今回で12回を誇っています。年齢的にはシニア層がほとんどですが、毎回他の劇団等からの客演も得て年齢層のバランスを保っています。シニアが多いことの特徴として、毎回2チーム制にして、誰かが病気や怪我で降板する事態になっても、他チームから代役を出せる体制を組んでいることです。すばらしいリスク管理ですね。ねこのバロンでは、人数がいなくてできません。
演出、舞台監督、照明、音響等のスタッフは外部に依頼し、メンバーは小道具、制作、役者に専念しています。
会場は中規模程度の場所を選定しています。メンバーには人脈が多い方もいるので、いつも多くの方が観に来られます。
私(折笠)とMAロッキーズは、客演出演1回の他に、公演写真(正確にはゲネ写真)撮影が今回含めて4回目という繋がりです。

公演概要

・題目:家族の行事
・原作:ジル・グレー&A.Cトーマス
・翻訳:一花 徹
・脚色:一花 徹&きさく座
・演出:永井 寛孝
・公演日時:7月18日(木)15/19時、19日(金)15/19時、20日(土)12/16時
・会場:内幸町ホール
・あらすじ:フライヤーを参照してください。

家族の行事フライヤー

感想

年老いた父親善夫の身の回りの世話をしながら、一緒に暮らす長女のまり子。
まり子は、善夫の誕生日パーティーの招待状を弟や妹に毎年送るが、何かと言い訳をして誰も来ない。みんな忙しいんだなあと理解するふりをしながら寂しそうな善夫。そんな善男の姿を見てまり子は80歳傘寿の誕生日パーティーに善夫が急死したと嘘の連絡を送る。さすがにみんな慌ててやってくる。そこから始まるドタバタや絆を描く家族劇で、ハラハラ感とほっこりする感じを味わいました。

原作が海外で、海外でもこのようなことがあるのだと意外な感じがしました。
海外の人たちは、親の誕生日パーティーには最優先でやってくる人たちばかりなんだという勝手な思い込みをしていました。いけませんね。
どの国でも父親というのは寂しい存在なんですかね。

今回、「家族組」と「行事組」という2チームがあり、その両方を観ました。
演出は同じ方ですが、キャストが全員違うので、チームごとの個性があるため、かなり違う雰囲気でした。
かなり大雑把に言うと、静の家族組、動の行事組という感じかと思いました。
それは、一部のキャストが積極的に動いていたか、比較的動きが少なかったかの違いが目立っていたからかもしれません。そのどちらが良い悪いという問題ではないことは言うまでもありません。もし、時間とチケット代が許されるのであれば、両方のチームを観ることはこれも観劇の楽しみのひとつだなと感じます。

観たのが初日で、緊張もあったのかもしれませんが、言葉のキャッチボールというか、心のキャッチボールがうまく噛み合っていないように見えました。
一つ一つの台詞回しは素晴らしいのですが、それが会話としてつながっていない印象です。
また、予想もしないような展開になっても、そのリアクションが見えない。
これらは勝手な想像ですが、稽古不足、あるいは稽古段階で訪れることが多い、慣れの影響ではないかなと思いました。稽古回数はそれなりに重ねたのかもしれませんが、中身を深めていくところまで至らなかったように見えました。これからだよというときに、本番になってしまったのかもしれません。

とまあ、とても失礼なことを書きましたが、各役柄についてキャストの皆さんが、各々の味を出していて、両チームで同じ役なのに同じではないというのはロッキーズの良さだと思います。恐らく、それは演出に言われたものではなく、年齢を重ねていろんな人生経験をして培われたものが滲み出ているのだと思います。ちょっとした表情、仕草、台詞の言い回しにキャスト本人の人柄を感じることができました。
そこがシニア(私もですが)の方の舞台の良さじゃないかなと思います。
ロッキーズの方々の真剣な舞台作りを感じることができました。

公演終了後、ロビーでキャストの方がお客様と挨拶を交わします。コロナ禍では中止することも多かったでしたが、最近はどこの劇団も復活しています。
公演終わってロビーに出ると、キャストの方の周りにたくさんの方が集まり、一緒に記念写真を撮影していたり、挨拶を交わしています。
このお客様たちはこの後に、食事したり、飲んだりしながら感想を述べ合うのかもしれません。そのような場を作り、お互いの無事を確認したり、元気をもらうことにも役にたつんだよな、特にシニアは・・・。

公演写真(ゲネプロ写真)

家族組
ラストシーンの善夫(家族組)
家族組キャスト
行事組
ラストシーンの善夫(行事組)
行事組キャスト

あとがき

ここで述べたのは、あくまでも私(折笠)が感じた個人的な感想です。芝居を観て抱く感想は各自バラバラです。
従いまして、いやそうじゃないとかのツッコミは無しでお願いします。
MAロッキーズの皆さん、お疲れ様でした。また、写真撮影の機会を与えていただきありがとうございました。

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