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産業構造の変化について想うこと

とうとうというか、いよいよコロナも5類になり、本格的なアフターコロナが始まりました。この3年間長かったですが、このnoteを書き始めたのも思い起こせばコロナで多くの人が困っているからその情報を出していこうというのがきっかけだったのを思い出します。
月曜日からは、街中の店舗もコロナ以前に戻すところが多く、入り口に設置していたアルコール消毒スプレーや、アクリル板などを撤去しているところを多く見かけました。よくいくカフェでも大机を一人一人区切るパーティっションに慣れていたので、逆に両隣、向かい合わせで仕切りがない状態に最初は戸惑いも感じたりしていました。

さて、この数年間はコロナによりいろんなことが特別扱いされてきましたが、この特別扱いもほぼ終了するということになります。(その流れはこの一年で徐々に進んではいましたが・・・)一番インパクトがあるところでは雇用調整助成金のコロナ特別処置が3月末で終了したことです。この雇用調整助成金は経営者の方にとってはとても助かった面があったかと思いますが、一方で社会変化の面では①労働移転が進まなかった、②国の財源を多く消費した、という二つの影響がありました。コロナを経て今後も残る産業と低迷していく産業が出てくるのは仕方なく、本来であればこのような社会的インパクトは、労働移転を図ることで産業構造の転換を果たす役割があるのも事実です。実際に海外ではもともと労働の流動性が高かったために、コロナで一時的に多くの失業を生んだ一方で今後必要とする分野に対しての雇用を産み産業構造の転換を果たす効果もあったと言われています。

マクロ経済というちょっと難しい話をすると、A国で得意な産業とB国で得意な産業が異なることでそれぞれ得意な産業をその国で担ってもらうという考え方があります。ここでいう、得意な産業はその時の世界経済の中で求められているものである必要があります。でないと、世界から取り残されてしまうからです。なので、時代とともに必要とされる産業へ国の主力産業を移していく必要が簡単に言えばあるのですが、今回の雇用調整助成金は乱暴な言い方をすれば、コロナ以前の産業構造を守る機能を果たしてしまいました。そのために、コロナが明けた今、本来だったら可能だった産業構造の移転が進まず、日本の産業がコロナ以前ままとなってしまっている可能性があるということですね。もちろん、コロナが落ち着いたことで、コロナ以前も盛んだった産業がまた戻り始めてもいます。ただ、長期的にみたときに、これがこのまま続くかはわからないということです。

コロナの中で、中小企業に対して一時は進んだリモートワークを含むIT導入の流れも、コロナが落ち着くにつれて、やはり「リアルがいいよね」と元通りに戻り始めている話も聞きます。お話を聞くとリモートワークでは効率が悪かったという声もあるのですが、本当にそうなのか?使い方の工夫でリモートワークを続けていくこともできたのではないかって思う面もあります。一方で世界の流れはコロナ以前よりもさらにIT活用も進んでいます。日本の場合はどうしても、これまで通りのところに戻そうとする力が強すぎる気がします。

最近の話題で言えば、ChatGPTに始まるAIがこの半年で大きな話題になっています。日本語版の精度はまだそこまで高くないので今はまだ遊び半分で使われているきらいがありますが、海外では英語版の精度がかなり高くこの動きに対してかなり驚異に感じている人々も多いそうです。今まではIT化で消えないと言われていた頭を使う仕事もこの登場でちょっと怪しくなってきました。これも一つの産業構造の変化のきっかけではありますね。

すぐに美味しそうな話に飛びつくのではなく、ちょっと未来の世界の姿を考えて、行動する力が今後は必要になると思います。現状では未来を当てることまではAIには不可能なので・・・・

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