
季節と経営
暑さ、寒さも彼岸までと言いますが、本当にその通りで今週に入り一気に天候が入れ替わってきた気がしています。ようやくエアコンなしでも過ごせる季節になりました。
日本はそもそも太陰暦の国だったので歳時記などの言葉は今の月の考え方とはちょっとちがうので、昔の人の季節感を今の暦に合わせるとおかしくなるのは面白いと思います。
例えば十五夜というと、そろそろ今の時期で中秋の名月をさします。これは旧暦だと8月15日にあたるので、今の暦で考えるとまだまだ夏真っ只中というイメージですね。しかし、実際には今年は9月25日があたるそうです。
季節感というのは時代とともに変わるもので、特にこのところの異常気象でだいぶ狂わされていると思います。日本には5つの季節があるとも言われています。
これ、春夏秋冬+梅雨で5つというそうです。しかし、梅雨が最近は無くなったと言われています。梅雨入りしてもものすごく晴れる日があったり、雨もしとしとと降るのが梅雨の定番ですが、熱帯雨林のスコールのような雨が降ることも多かったように感じます。これが、一時的な異常気象のせいなのか、恒久的な温暖化なのかはわかりませんが、異常気象という言葉も毎年聞くようになっているので、私たちが気づかない何かが動いているようにも感じますね。
さて、経営の観点で言うと気象は経営の幅広い範囲で使われています。例えば、レジャー関連では天候に集客が大きく左右されます。そこと連携している飲食業なども同様ですね。診断士試験の統計の問題ではお弁当屋がどのくらい商品を生産したら良いかの例で出されたりもします。
意外なところではチョコレートも日本では季節に左右される商品だったりします。夏場になると消費量が落ち込み冬場には増えるからです。と言っても、チョコレートは年間売り上げの大半が2月にくるそうです。そう、バレンタインデーがあるからです。
このバレンタインデーは日本独自のもので、昭和30年代ごろに関西を中心とした洋菓子業の方々が集まってチョコレートを売り込むためにイベントかしたものだそうです。それが今ではすっかり定着して今に至るので、もしこれがなかったらチョコレートの消費量ももう少し平準化していたのかも知れません。もっとも、今はバレンタイン需要も会社等での配布も下火になりだいぶ苦戦していると聞きます。ちなみに、海外では年間通してそこまで消費量が変わらないと言う話も聞きました。海外と日本の事情の差にバレンタインデー中心の状況を変えるヒントが隠れているのかも知れません。
季節の流れで変えていくものはアパレル業でしょうか。アパレル業では春夏(SS)と秋冬(FW)で商品が大きく入れ替わります。なる夏は薄手になってくるので単価は低く、秋冬は生地も豊富に使うので商品単価が高くなる傾向あります。実は、この業界は、天候の影響を受けて少しずつ様相が変わってきています。以前は秋冬で稼ぐことを考えていましたが、温暖化のせいで秋冬物の販売量が低下しているのです。また、販売できるシーズンもちょっとずつ短くなっているとか。そうすると春夏物の方へ比重を置かないといけなくなるので、経営的な工夫が求められてきます。
自然気象の影響は、一企業がコントロールできることではないので、状況が変化した時にどう対応していくかを常に考えている必要がありますね。BCP(事業継続計画)の場合は、災害が起きた場合の対応については取り扱っていきますが、このように徐々に状況が変化していることに対しては取り扱っていません。(目的が異なるためあたりまでですが・・・)
このようなちょっとした変化を経営者は感じ取り、経営に活かしていく感覚を持つことが大切ですね。