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ビジネスマナー。

<韓国>
韓国ドラマで握手の場面を見ると、右手で相手の右手を握り、左手を自分の右手首の上にそっと添えるスタイルが多いのに気付く。
以前よりあの所作は見ていて感じがよくキレイだなぁと思っていたので、取引先の韓国の人が来た時にはそのスタイルで握手をしようと考えていた。
ある時、韓国の名だたる研究所から数時間の会議のために研究者が数名来社した。
どうやら韓国でも研究者は割とフリースタイルのようで、こちらにすればそれは家の服では?西海岸スタイル?と思えるほど彼らは外国の取引先の会社に来る洋服とは到底思えないカジュアルな服装をしていた。
ビシっと体に合うスーツを着ているのはドラマの中だけらしい。
その場に女性は研究者と私の二人だけだった。
先方は片言の日本語で「はじめまして」と言い、
こちらも片言の韓国語で「チョウムペッキスムニダ」と微笑みつつあの韓国スタイルで握手したら、その研究者は少しびっくりして一気に印象がよくなったのがわかった。
握手しかしてないのだけど、respectが一瞬伝わった感じというか、お互いの印象がいいものになっているとわかるあのバイブな感じ。
こうして国の違う人が通じ合っていくのだなぁとなんとなく思ったのを未だに覚えている。
結論:握手で心は通じる。

<アイルランド>
相手に信用してもらうには目をしっかり見なさいとよく言われる。
一時期、何度か来社していたエンジニアの男性と初めて会った時のことだ。
ある業者に監査に行くので待ち合わせの駅に向かうと、エンジニアとおぼしき白人男性が一人で立っていた。
声をかけて、挨拶をしながらその彼の顔を真正面から見ると、まるでゴキブリの触覚かと思えるほど長い鼻毛が静かに1本飛び出ていた。
もはやハロー以外の言葉が見つからない。
それでも、「今、私は仕事中~」と意識的に強い意志を持って視線を彼の鼻から外すと、次に彼の耳が目に入ってくる。
何と耳からは鉄のフライパン専用のようなタワシのような渦巻いている毛が耳の穴を塞いでいた。
ちゃんと聞こえてる?と気になり、不必要に大きな声で話しかけてしまう。後ろから話しかけるしかない、そう思った。
とはいえ、そこはこちらもプロだ。出来るだけ彼の鼻と耳は見ないようにして仕事をこなした。
お昼になり、彼のリクエストで「すき焼き」を食べに行った。
4人だったから横に座れば顔を見ることはなかったのに、いつものごとく女性は私一人なので、何となく彼の向かいに座るよう言われた。
彼の顔を相当じろじろ見ていたであろうランチタイム。失礼になってはいけないから時折笑顔も見せていた。
無事に仕事が終わると、先輩があのエンジニアの人、あなたのことをかなり気に入っていたね!と言われた。
先輩、違います!鼻毛と耳毛から目が離せなかっただけなんです(涙)と言えず、そうですか…それはそれはよござんした…と静かに微笑んで終わった。
結論:身だしなみ大事。

温かいお気持ち、ありがとうございます。 そんな優しい貴方の1日はきっと素敵なものになるでしょう。