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健康診断、その後。

今年も無事に健康診断が終わり、目標の数字も達成し、ホッと一息ついていたら診断結果が戻ってきた。恐る恐る封筒を開けると、項目すべてが見事なA判定。こんな結果を見せられたら気も緩むものだが、ここで少し問題が勃発した。     いや、勃発ではない。
「わが身の振り返り作業」を実施することになる。

ちょうどXデーであった健康診断があった翌日に身内が亡くなったのだが、その時の体型といえば今までになく絞っていたので、去年は着れなかった喪服のジッパーがすんなり上がり、お通夜でもお葬式でも「細いのねぇ」と言われるほどだった。

さて、この週末は四十九日の法要に出席することになっている。
先週、なんとなくイヤな予感がした私はクリーニングから戻った喪服を念のため、念のために
心を落ち着かせるために着てみようと思い立った。クリーニング店の透明のビニールを外し、さぁ着ようとすると、業務用の乾燥機で布地が縮んだのではなかろうか、と思うほど、ジッパーがウエストのすぐ上の辺りからうんともすんとも言わない。おかしい。
喪服の裏にあるタグで素材の確認する。コットンだと縮むよね、と再確認するとしっかり「ポリエステル100%」と記載されていた。
いや、しかし、クリーニング店で新しい洗剤を使うことになって、汚れがしっかり落ちる代わりに
ポリエステルでも化学的変化を起こして縮む作用が出ているのではなかろうか。
あれこれ考察してみたが、結論はこれしかなかった。

自分の肉体は、リタイアしているにもかかわらず世界で最速の脚を持つ男と認識されてるボルトのスピード感覚でリバウンドしている。
これしか思いつかなかった。

健康診断に向けた時間とお金と努力とその結果の肉体は、とうの昔に泡と消えていた。
泡と言ってもシャンパンなどではない。
この猛暑で水分不足になってはと、いつもより摂取の多かったクラフトビールとハイボールとワインとマッコリとチャミスルに加え、夏バテしたら乗り切れないわよねと食した、季節限定と言われると絶対に注文したくなる白桃とモッツァレラのpizza、バスク地方のシンプルだけど味わい深いTapas、ぐつぐつ煮えるコチュジャンとチーズの絶妙なチーズダッカルビ、海辺での新鮮な海鮮丼、四国で有名なひなどりのグリル、ぴりりと山椒のきいた四川の麻婆豆腐、クーラーのキンキン冷えたところで食べる火鍋、ビュッフェは中止しているがためにコンチネンタルと言いながらも量も質もなんならビュッフェより多かったホテルの朝食などなど、これらで一気に元の体重に戻っていたようだった。
夏バテを恐れるがあまり摂取したカロリーは、ダイエットにかけた熱量の10倍はあったかもしれない。

今年は特にマキシー丈のふんわりワンピースが流行っていたのも、このリバウンドをなかったことにしようとしていた理由の一つ。
いや、なんとなくこの変化には気づいていた。
先日、MARIHAのワンピースを着ようとしたときに、この布地は伸縮性がないのだが、ムチムチ感が満載でこれは今は外に着ていけないようなぁと一瞬思った記憶はある。
MARIHAの可憐なシルエットがみじんもでず、なんだかブランドのコンセプトには全くないたくましさ?が表現されていたので、人目にさらせないことに気付いていたはずだった。

いつもならここで、はたと自分への振り返り作業が起きるはずなのだが、今年はなんと他にもマキシー丈のワンピースを買ってしまっていたので、まぁこれが無理でも他がある!
「明日があるさ」のメロディを勝手に替えてしまい、わが身に起きた事実を受け止めなかったのだった。

はぁ。哀しい。
あの努力はいったい何だったのか。
確かに、健康診断の後は多少リバウンドするが、それは徐々に秋から冬にかけてするもので
たった一か月半でここまで戻ったことはない。
新陳代謝が年令と共に急激に落ちているのだろうか。

いや、違う。
単なる食べすぎだ。わかっている。
ありとあらゆるストレスを食べること、飲むことで一気に解放してしまったのだった。
ここまで冷静に分析できているにも関わらず、 コントロールできないメンタルの弱さよ。

週末は新調した黒のワンピースで法要に出席するが、私のダイエット記録はまだまだ終わりそうにないなぁ。

温かいお気持ち、ありがとうございます。 そんな優しい貴方の1日はきっと素敵なものになるでしょう。