ユーザーフレンドリーな #Slack アプリを目指していたら一つの方針が見えてきた
この半年くらい立て続けにSlackアプリをリリースしてきたのですが、より使ってもらえるアプリにするための実装のコツが見えた気がする。
作ってきたアプリに共通することはなにか
SlackのアプリはSlack上で機能を提供するものです。有名所で言えば、Pollyみたいな投票アプリが挙げられるのですが、投票を作るときにどうやるかというと
/polly
というスラッシュコマンドを投稿欄に打ち込む必要があります。
コレ自体は、なにかしらのトリガーとなるキーワードが必要になるのは何をやってもそうせざるを得ないと思うので良いのですがこれには利用促進をするにあたっての高いハードルがあると思っています。
スラッシュコマンドやグローバルショートカットの課題
この2つには明確な課題があります。それは何かというと、
入力したコマンドが、本人以外には見えない
というものです。
分かっている人には分かるけど、分からない人には使い方がさっぱりわかりません。もちろん聞けば良いのですが、この聞くというワンクッションが利用促進の壁になるような気がします。
Slackの良いところはなにか
個人的にSlackが良いなと思っている点は、情報の共有性の高さです。つまり、タイムラインやスレッドに情報が置いてあるというのが情報の浸透力としてとても重要な要素だと思っています。
もちろん情報が溢れすぎて取りこぼしが増えていくことが大いに考えられますが、それについては私が作ったTIPSというアプリによって繰り返し流しておくことでそれとなく目に入っている状態にするというような使い方ができるようになります。
人間の脳みそというのは、言語学習とかやってるとよく分かると思うのですが、頻繁に目にしていると自然と記憶されるものです。逆に一度頑張って記憶したと思っても、繰り返し目にしないものは忘却されていきます。
スラッシュコマンドはこの忘却側に入っていると思う。なぜそう思うかっていうと、この一年アプリを色々作ってきたと言いましたが、最初の方に作ったアプリの使い方を作者の私が忘れてるんですよね。これは駄目だ。
今後のアプリのトリガについての指針
それではどうするのという話になるのですが、これに気付いたのが先日リリースしたTaskAll-TASUKARU-です。
こちら、最初は山のようにやってくるメンションをアーカイブして大切なものだけ残しましょうというアプリだったのですが、そこにToDo管理機能を追加したアプリなんですね。
TASUKARUでは、誰かにタスクをアサインするときにどうするかと言うと、こんなふうにメッセージを書きます。
こうすることで、担当者とデッドラインの日付がToDoとして紐付けられます。トリガーとなるキーワードは「to.do」です。
これは、チャンネルに直接書き込むのでみんなが目にすることになります。普段使うtodo ではなく to.do という文字列なので目に付きます。タスク自体は毎日頻回にやり取りがなされるのでみんなが頻回に目にします。タスクをお願いするときはそうやればいいのか、ということが説明せずに分かります。結果的にこれはうまく使われるようになりました。
そういった経緯もあり、今後のアプリ実装についてはスラッシュコマンドやグローバルショートカットは使わずに、メッセージイベントのキーワードを取得して処理する形が良いのかなと思っています。(もちろん、テキストの内容の解析が許容できないという組織で利用することを考える場合はコマンドやショートカットの利用が必須になりますのでアプリの性格やターゲットとなる売り先にもよるでしょう。ということなので完全に使わないというよりは、選択肢としては残すというのが現実的な解だとは思います。)
説明せずに分からなきゃ使われない
だって人間は忘れるもの。
説明いらずで刷り込まれるような設計にしないと使われない。恐らく。
ということで、色々作ってきた結果、うまく浸透するようなSlackアプリを作りたいのであればスラッシュコマンドやグローバルショートカットはあまり向いてないんじゃないかなという一個人の感想でした。
作ってきたアプリたち
Slack専用SNS SlaIM(Slack Instant Messenger)
Slack専用タスクマネージャー TaskAll-TASUKARU-
全てのチャンネルのpostを一つのチャンネルへ TimeLine
重要な情報を繰り返し投稿して情報浸透を TIPS
Googleカレンダー連携して特定のキーワードをチャンネルに通知 YOKOKU
Googleカレンダーから休暇情報を取得して自動的にユーザーをスヌーズする OYASUMI
noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。