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思考整理

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理性の神話

理性の神話

最近、メディアにあふれる論理性の無さに絶望する機会が多かった。論理性や合理性といったものは物騒な兵器のように思われており、大きな影響力を持つ人の言葉ほど共感や同調をベースとし、結果として立場の違う者同士の議論がまるで成り立っていない。論理性の持つ真の力、すなわち、普遍性を大切にすることで共感ができない人にも理解を促すという力が活かされず、そのような言説はほとんど塵のようにしか扱われない。

世界が

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FE風花雪月の紋章xタロット本から読み解く、大アルカナの構造分析

FE風花雪月の紋章xタロット本から読み解く、大アルカナの構造分析

「ファイアーエムブレム風花雪月を300時間で3周してからが本番だった話」の、本体がこの記事です。FE風花雪月をクリアした後にネットを探してたらここ最近読んだ文章の中でぶっちぎりで一番面白いブログ↓にたどり着き、そこからいかにこの世界や物語が膨大な知識に裏打ちされて作られていたのかに震え、タロットという今まで触れていなかったものの面白さに気づくきっかけとなり、ゲームを起点として興味の幅が広がっていっ

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「異性装の日本史」を見てきたメモ

「異性装の日本史」を見てきたメモ

異性装というのは歴史を通して常に大衆を惹き付ける魅力のある文化であり、また、同時に性別に対して社会的に与えられる役割や力というものを借り受けるために本人の性的自認や性的指向に関係なくそうした営みが常にあった、ということがよくわかる展示になっていた。

展示のビジュアルというよりは、テキストから得られる情報がかなり多かったように思われる。(逆に、テキストがないと、それぞれが「男装なのか、女装なのか、

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「月曜日のたわわ」広告をめぐる対立についての私見

「月曜日のたわわ」広告をめぐる対立についての私見

「月曜日のたわわ」をめぐる以下の記事を発端として、Twitter上ではフェミニストとオタク(と大雑把に分類しますが)の対立が起こりました。

私も月曜日のたわわの読者の一人として、これが社会からどのような判定が下されるのか、興味深く見守っていました。賛否ともにできる範囲でいろんな意見に目を通して、大きく違和感を抱いたことがあります。それは、

なぜ、共通の敵である「性犯罪者」という存在を脇目に、「

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何もしないでお金をもらう事が辛い理由

何もしないでお金をもらう事が辛い理由

子供の頃は、世界はとても公正で、価値のある競争に溢れているように見えていた。

テストの点数を競ったり、人と協力して生産的な活動をしていれば、それがいつか社会に価値を生み出すことに利用されるはずだという、無邪気な期待があった。

少なくとも新卒で初任給を得る時点まではこれは正しかった。しかしなぜか、社会人を経験していくごとに、この世界はどこかがおかしい、何なら完全に狂っているような気がしてくる。

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ブースター接種を終えて、これからの世界を考える

ブースター接種を終えて、これからの世界を考える

こんな記事を書いたのも、もう8ヶ月前です。私はちょうどこの時に1回目の接種をして、昨日3回目の接種を終えました。

世間の空気は完全に様変わりしたように思います。実際に、状況も大きく違います。多くの方がワクチンの少なくとも2回接種を終えたことで、ピーク時の感染者数が以前の波の5倍近く(8月の五輪が開かれていた時に全国で2万5千人の感染確認、2月には全国で10万人の感染確認)なのに、死者数は2倍程度

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ワクチンに不安を持つ方へ

ワクチンに不安を持つ方へ

先日、こんなツイートを目にしました。

この方は「科学的に見て」「ワクチン打てと言われるのが怖い」と申しております。読んでみた所、この方は少なくとも確信犯的あるいは短絡的な反ワクチンというわけではなく、自分なりに色々調べた上で、「反ワクチンの方が科学的に正しそう」という感触を得ているようでした。

本稿はそうした「ワクチンを打とうかどうか自分で考えて、どちらの情報を信じてよいかわからず悩んでいる」

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開会式のゲーム音楽を喜んで良いのか

先に結論を書きます。

「そもそもこんな非常識なタイミングで五輪開催しなければ多くのゲーム音楽ファンが素直に楽しめたんだよ、なんでそうしなかったの?」

という点で合意形成しましょう。

背景五輪開会式で入場曲にゲーム音楽が使われたことに対して、古くからゲーム音楽産業に関わる方からは総じて「ここまで認められる日が来て嬉しい」という反応が目立ちました。

これに対し、五輪開催のみならず五輪を楽しむこ

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会話が成り立っていない首相インタビューへの私見

なんで「壊れたICレコーダーのように同じ言葉を繰り返す」だとか「○○という言葉を連発」とかはメディアで批判されるのに、そもそも「会話が成り立ってない」ことが指摘されないんだろうか。よくわからない。

会話や議論っていうのは、言い方を変えて適当にのらりくらり「自分の言葉」とやらで受け答えていれば「深まる」もの、だとでも思われているんだろうか?何回同じ言葉を使ったら負けとか、そういうゲームやってんのか

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アドラー心理学の本「嫌われる勇気」をオススメできる人とできない人の違い

アドラー心理学の本「嫌われる勇気」をオススメできる人とできない人の違い

仕事がうまくいかず、抑うつ状態で苦しんでいるときに、先輩からこの本をオススメされました。

読みながらリアルタイムの感想はこちらのTogetterにまとめてあるので、既に読んだことのある方はこちらを見ていただくのが良いかもしれません。

この記事では、この本をまだ読んだことがない方に向けて、何が得られるのか、誰に向けられたものなのか、を要約したいと思います。

感情から抜け出したい人へこの本を読ん

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