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おぎやはぎから保険を考える

今まで生きていた中で一番重い病気はインフルエンザで、一番重い怪我は肉離れである。

社会人になってから会社を休んだのは二日酔い以外ない。

身体の丈夫さや我慢強さにはかなりの自信がある。

自分が病気になるなんて想像つかないし、仕事中、「今日は具合が悪いから〇〇できない」という人に対して「いいよ。無理しないで」と笑顔で返しても心の中では「うそつくな、やりたくないだけだろ」と思ってしまうくらい病気にならな過ぎて心が病んでいる。

そんな自分なのでこれまで保険なんて全くもって必要ないと思っていたし、考えたこともなかった。

病気で入院なんて考えられない。死ぬときは頭の血管が破裂して即死だろうな、などと考えていた。

俺の人生に保険なんていらない。一日一日を全力で駆け抜けるんだとカッコいいことを思いながら、実際はダラダラ過ごしていたある日、おぎやはぎの小木が癌になった事をニュースで知った。

その時は、全然元気そうなのに癌⁉と普段の芸能ニュースと同じくらいの驚きを感じ、それ以上にその時に小木の出したコメントに笑ってしまい、この人やっぱプロだなぁと感心するのみだった。

しばらくして、小木が復帰した。ラジオの復帰放送をラジコで聞いてこんなに早く、何事もなかったかのように手術して復帰できるんだ。この人やっぱプロだなぁと感心した。

そしてまた、別の日、最近風呂で湯船に漬かりながらYouTubeを見るのが日課になっていて、その日はとんねるず石橋貴明のたかチャンネルを見ていた。

そのチャンネルで復帰祝いと称してゲストに小木が出演していた。企画自体はなにも聞かされていない小木に突撃し無理やり連れだして無茶をさせるという石橋お得意の鉄板な内容だった。

受ける小木もしっかりリアクションし笑わせてくれた。この人達やっぱプロだなぁと感心した。

そんな中、移動中の車内で小木が「保険は入っておいた方がいいよ」と言うのが何故か物凄く印象に残っていた。

これまで何人にも直接言われたことがある言葉である。

何度言われても何も響かなかった。

ところが何故か小木のこの言葉を聞いて俺も保険考えた方がいいなと思った。

確かにおぎやはぎの空気感は好きで面白いなと思っていたけど飛びぬけてファンかと言われるとそこまでの自信はない。

それなのに何故か物凄く刺さった。

普段おちゃらけてのらりくらりしているが、この事を話している時はマジなトーンでそのギャップにやられたのか。

この人やっぱプロだわ。

そんな事を考えながら風呂を出た。

冷えた外気を弾き飛ばす温まった体を拭きながら、この時期やっぱ風呂だなと思った。

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