ブラームスの管弦楽小品

 画家の個展に行く。代表作が正面の壁に掛かっている。周囲のスペースには、その絵画につながる習作群も展示される。作家によってはその習作が、完成度の高い一作品となっている場合もある。技法の試験場としての役割と、個別作品としての品質とが両立しているのだ。ブラームスの管弦楽小品もまた、そんな両面を兼ね備える。

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