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英国シティ・オブ・ロンドンのロード・メイヤーと金融ラウンドテーブルを実施しました。ロード・メイヤーが知事と直接対面するのは、3年ぶり!

みなさん、こんにちは!
6月30日にシティ・オブ・ロンドンの第693代ロード・メイヤー、ヴィンセント・キーヴェニー氏をはじめとする英国関係者の方々が来庁し、知事や日本の金融界を代表する方々と「エネルギー危機下におけるサステナブル・ファイナンスの取組」をテーマに会合を行いました。
ロード・メイヤーが来日し、知事と面会するのは2019年2月以来のことです。

【金融ラウンドテーブル参加者(敬称略)】

前列左から順に、キーヴェニー氏、小池都知事、キノシタ氏
後列左から順に、宮坂副知事、ナイト氏、中曽氏、平野氏、山岡氏

【そもそもシティ・オブ・ロンドンのロード・メイヤーって?】
通常、私たちが「ロンドン市」と言うときに思い浮かべるのは、「グレーターロンドン」(GLA: Greater London Authority)と呼ばれる地域です。シティ・オブ・ロンドン(CoLC:City of London Corporation)は、そのグレーターロンドンの中心部に存在する世界屈指の金融街で、単に「シティ(The City)」と呼ぶこともあります。
 
そして、このシティの市長が、ロード・メイヤーで、今回都庁を訪れたキーヴェニー氏は、第693代目になります。毎年、ロード・メイヤーは、国際経験豊かな人材が選挙で選出され、就任式の翌日には新市長の誕生を祝うパレード“The Lord Mayor’s Show”も開催されます。

【ラウンドテーブルの模様】
知事は、今回の参加者の皆様への歓迎の言葉に続いて、「深刻化する危機を乗り越え、持続可能な成長を実現するサステナブル・リカバリーの鍵を握るのが金融である」との認識を示し、その上で、都が、グリーンファイナンス発展に向けた戦略的な取組「Tokyo Green Finance Initiative(TGFI)」を強力に推進していることを紹介されました。

※ TGFI:Tokyo Green Finance Initiative
 東京のグリーンファイナンス発展に向けた戦略的な取組で、「環境」と「経済」の好循環を生み出し、「都市システム」と「金融システム」のグリーン化を同時並行的に進めることを通じて、都民のQOL向上と経済の持続的成長の実現を目指していくものです。

キーヴェニー氏は、シティは東京と同じ価値観を共有しているとした上で、シティが、将来を見据えながらグリーンなインフラへの投資によってSDGsを推進してきたことなどを紹介されました。

(奥から)ナイト氏、キーヴェニー氏、キノシタ氏
(奥から)中曽氏、小池都知事

キノシタ氏は、「今、日本とイギリスが共通で直面する課題は気候変動である」とした上で、2050年のゼロエミッションの達成に向けてTGFIは非常に重要であるとの認識を示されました。
また、ナイト氏からは、ロンドンには優れた金融サービスのエコシステム、多様な人材のつながりがあり、「よりクリーンでよりグリーンな未来への投資」が進められているというお話がありました。

日本側から参加された中曽氏は、東京は今、直面する様々な課題に対応してアジア・太平洋地域が持続可能な成長を続けていけるようにするための都市、金融センターを目指しているとコメントをされました。
また、平野氏は、NZBAという国際的な金融機関の連合体によるCO2排出ネットゼロに向けた取組、CO2の排出量の算出・数値化など非財務的な取組による脱炭素化の取組、さらには、アジアにおける持続可能な金融市場の構築やルール作りなどについての取組などを紹介されました。
宮坂副知事は、直面する課題を解決するにはイノベーションが重要であり、それを巻き起こすアントレプレナー(起業家)のアイディアや情熱を加速させるのがファイナンスの力である、とした上で、海外のアントレプレナーやスタートアップ企業がストレスなく東京に来て事業をできるような環境づくりを進めている、と紹介されました。

ラウンドテーブルは、その後、非公開での意見交換に移りました。その中では、どのようにして東京とシティが連携してサステナブル・ファイナンスを活性化し、金融の力で脱炭素化を実現させていくのかなどについて、具体的な取組事例を紹介しながら活発な議論が交わされました。

今回のラウンドテーブルのモデレータの山岡氏からは、ラウンドテーブルを通じた総括として、二つの都市の絆の強さが確認されるとともに、両都市のパートナーシップを通じて脱炭素化やサステナビリティなどの課題が解決されていくだろうというコメントをいただきました。
今回のラウンドテーブルは、山岡氏の日本語・英語を織り交ぜた非常にテンポの良い進行により、和やかな雰囲気のもと、闊達で有意義な意見交換の場となりました。

ラウンドテーブルの様子

シティとは、コロナ禍であってもオンラインを中心に交流を続けてきましたが、今回、ようやく知事・副知事や日本の金融界のリーダーの方々が、ロード・メイヤーらと直接Face to Faceで意見を交わすことができ、大変貴重な機会となりました。
今後とも、都は、シティとのMoU(東京都とシティ・オブ・ロンドン・コーポレーションの交流・協力に関わる合意書)に基づき、今回のようなラウンドテーブルのほか、金融関連のセミナーなどのイベントの共同開催や、緊密な人事交流等を行うことで、両都市の絆を一層深め、互いに切磋琢磨しながら、「世界をリードする国際金融都市」を目指していきます!