191220_イケウチオーガニック牟田口様_インタビュー-01

愛される理由は「顔の見える関係性」。IKEUCHI ORGANICのブランド作り

「顔の見える関係性」。IKEUCHI ORGANIC牟田口さんのインタビューを取材前に拝見していてその言葉が心に残りました。
実際にご自身で、売り場にも立たれる事もある牟田口さん。何を大事にブランドを作っているのかお話を伺いました。

「最大限の安全と最小限の環境負荷」赤ちゃんが食べられるタオル

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ーイケウチオーガニックさんのタオルの特徴をお聞きしてもよろしいですか。
企業理念に「最大限の安全と最小限の環境負荷」を掲げています。
素材や生産工程にかかる部分に、なるべく環境負荷を与えないものづくりをしているのが特徴です。ただ商品が良くないとお客様に評価されないので、ベースとなるのは品質の高さです。
長く使うことが出来たり、気持ちよさを追求したり、お客様の多様なニーズに合わせて商品を設計しております。

ー2073年まで赤ちゃんが食べられるタオルを創るとサイトで拝見しました。 
創業して60年かけて赤ちゃんが舐めても大丈夫ですっていう国際認証を取得することが出来ました。次の60年は、2073年までに赤ちゃんが食べられるタオルを作る方針を掲げています。初めて聞くと、意味が分からないかもしれませんが(笑)

ー言葉だけ聞くと(笑)
オーナーの池内が、地球環境にどれだけ負荷を与えずに、ものづくりをするかという視点で、次の世代に続くものづくりを掲げています。60年後の世界を見ていたのは、さすがにびっくりしました。

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ー最近では、銭湯でも使われてますよね。小杉湯さんでイケウチオーガニックさんのタオルが使われるようになった経緯はなんでしたか?
僕が銭湯にハマってちょうど行き出したタイミングで、イケウチのnoteを手伝ってくれている井手さんに、小杉湯でイベントがあるので来ませんかって誘われたがきっかけです。

もともと「銭湯でイケウチオーガニックのタオルを使って欲しいな」って思っていました。
ただ、どこで使われるか、どういうふうに扱われるかが本当に大事で、小杉湯さんの受付や告知物を見て、とても丁寧にタオルを扱われているなと感激して。この場所でイケウチオーガニックのタオルが体験できたら素敵なんじゃないかってお声掛けをさせて頂いたのが最初の経緯ですね 。

ー改良湯さん(渋谷)や金春湯さん(大崎)でも広まってますよね?
タオルって日用品なので、いわゆる高級ホテルだけではなく、日常でも気兼ねなく使ってほしいなと思っているので、全国各地の銭湯に広げていきたいと思っています。
他の業界でも、先日ミシュランを獲得した代々木上原のsioさんをはじめとしたレストランや美容室やホテルなどで広まっています。

ーSNSでよくイケウチさんの口コミを拝見します。イケウチさんが愛される理由は何だと思いますか?
プロダクトの力
だと思っています。商品が良くないと愛されないし、お客様も自信を持って勧めていただけないので。僕ら社員も、もちろん商品をすごく好きだし、だからこそお客様にこの商品はいいですってデメリットも含めてお伝え出来ます。
その熱量も含めてプロダクトの力であり、関係する全ての人達が素晴らしいからだと思っています。

ーこの前コーポレートサイトを拝見しました。タオルが作られる過程を知らなかったんですが、職人さんが時間を掛けて丹念に作られているんですね。

私も最初タオルって機械で自動的にカットされて出来ると思っていたんですが、全然そんなことはないんです。そう思った時に1枚のタオルが作られるまで「どれだけの時間と人が関わっているか」を伝えて行きたい気持ちがあります。

出てる人同士がつながっていく「イケウチな人たち。」

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ー僕がイケウチオーガニックさんを知ったのは「イケウチな人たち。」がきっかけなんです。リリースの背景をお聞きしてもよろしいですか。

3年ほど前に「灯台もと暮らし」というWEBメディアで、地域のことはもちろん、現場で働く社員の方にフォーカスした弊社の特集を組んでいただきました。
その効果が、数字というよりは熱烈なファンの方がお店に来てくれたり、本社に来てくれたり、顔の見えるメディアの出し方がすごくいいなと思っていて。

代表の鳥井さんと、今度何かやりたいですねって話をする中で、鳥井さんの方から「イケウチオーガニックが勧めるプロダクトや人がもっと知りたいです、そういうメディアがあったらすごく気になります」と提案いただいて、それだ!と思いました。

ーリリースしてからの意外な気づきはありましたか?
「イケウチな人たち。」のメディアに出てる人同士でつながっていくんですよ。
例えば、レストランsioさんや、美容室らふるさんなど、どんどんメディアに出た人同士が仲良くなっていく。そこから新たに関係性が生まれていて、事業が展開したりしています。

「何でこんなこと生まれるのかな?」って思ったら出てる人たちが魅力的なんですよね。思想が割と尖ってるというか(笑)

イケウチオーガニックのタオルを入れるのはレストランの中でも、美容院の中でも異例中の異例なんですよ。普通に考えるとコストが高くなって入れないんですよ。
やっぱりそこは、日常の豊かさじゃないですけど、お客さんに喜んでいただけるにはどうしたら良いかを皆さん第一に考えているので、思想がすごく似てるんですよね。
違う業界ですが思想が似ているので、仲良くなりやすいのかなと思っています。

「顔の見える関係性」のために自分も売り場に

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ー「顔の見える関係性」は、牟田口さんの以前のインタビューを拝見していて何度か出て来たキーワードの印象があります。大事にされている部分なんでしょうか?
そこは、今まで自分のこれまでのキャリアが影響しているかもしれないです。
前職はAmazonで働いていましたが日本どころか、世界でも知らない人はいないくらい認知されている会社です。
一方で、数字の影響力は大きくても、「お客様の喜ぶ顔が直接見れない課題」はずっと抱えていたんですよね。
誰もが「使ってますよ」と言ってはくれます。

ただ、そこが本当にブランドに愛着を持って使っているのか疑問だったりするので、その反動でちゃんとお客さんに直接伝えて広げていきたい思想があったんだと思います。

本当にECサイトだけで買い物しようとすると、簡単に便利に効率よく買えてしまいます。
利便性を追求した結果、人間本来の豊かな生活なのかって言うと疑問がありました。それよりも関係性のある人からモノを買いたいし、自分の関わりのある人たちに伝えて行きたいと思っています。

ー「イケウチの人」という社員を紹介するサイトでは1人1人紹介されていて、人間と向き合う姿勢というか、そこに感銘を受けました。
会社として「すべての人を感じ、考えながらつくる」姿勢があります。
弊社のオーガニックコットンは、インドとタンザニアの綿花を使っていますが、機械で刈ってる訳じゃなくて、手摘みなんですよ。
今治本社でも、職人さんが日々織機の状態を見ながら試行錯誤しているし、検品も丁寧に見てくれています。ものづくりの背景や想いをやっぱり感じ取って使っていただきたくて、ものづくりに関わる様々な人を紹介しています。

ー牟田口さんも店舗やイベントで接客することもあるんですよね?
元々僕はお客さんと話すのが好きですし、どこに真実があるかというと、ユーザーさんの声だと思います。
定期的にイベントに出てこういう風に喜んでいただいているのか、こういう製品が求められているのかなどユーザーさんの声を意識しています。


直接伝える事に意味があるオフラインのイベント

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ーファンイベント「今治オープンハウス」はどんなことされていますか?
年に1回開催して、大体45人くらいご参加いただきますが、ファンの方は交通費、宿泊費含めて自腹で来てくれるんですね。本当にコア中のコアなファンが来てくれています。

内容は工場見学やワークショップ、職人、社員の方と交流してもらうイベントになります。
オーナーの池内や社長の阿部は主役じゃなくて脇役なんですよ。バスガイドは池内がやっています(笑)

工場の方々はお客さんとお話する機会はめったにありません。
どういう方がお客さんとして買っていただいているのか」「なぜイケウチオーガニックのことが好きなのか」を伝える場にもなっているんですね。

ー オフラインでのイベントはどうしてやってらっしゃるんですか?
お客様に愛されるブランドになるには、体験すること、自分の目で見ることが必須だと思っています。お客様に「自分たちがどう作っているか」「どういう思いでやってるか」は直接話すことで、商品に愛着を持ってくれるようになりますし、結果として、お客さんによりファンになっていただいたり、広めていただいたりしていますので、非効率でもやっているということがありますね。

ーイケウチオーガニックさんのこれからについても伺ってよろしいですか?
会社としては、「最大限の安全と最小限の環境負荷」を理念にしているので商品でいえばタオルメンテナンス制度(お客様のタオルをお預かりして風合いを元に戻し、長く使ってもらうサービス)を実現させたいと思っています。

オウンドメディア「イケウチな人たち。」は、2020年2月で1周年を迎えますが、メディアに出てくれた人や読者達との関係性をより強固に築きたいと思っています。
例えば、レストランのsioさんでファンを集めて、おしぼりをさわりながら、タオル愛について語り合うイベントをやるとか、色んな人たちと、今年も関係性を作って、タオルを体験出来る場所を増やしていきたいです。

ー手に触れる重要性は僕もすごく感じています。弊社でもいつか行っていただきたいです!
いつでもやりますよ(笑)ぜひ、その際には呼んで下さい。

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【プロフィール】
牟田口武志さん
IKEUCHI ORGANIC株式会社営業部部長。
大学卒業後、映画製作会社、CCC、アマゾンジャパンを経て、IKEUCHI ORGANICに入社。
IKEUCHI ORGANICの広報/マーケティングディレクター。タオルソムリエ。


取材・文・編集/佐藤政也 撮影・デザイン/熊谷怜史 編集協力/櫻庭実咲


▼このnoteを「いいな」と思った方は、ぜひこちらにも足を運んでいただけると嬉しいです。


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