#11

ベタベタとするような湿度の高い雨の日。
髪の毛はぺったんこになるし、汗が出てきて張り付くし、不快指数的にみればとても高いけれども、そんな雨の日が嫌いじゃない。
雨の日は晴れの日と比べるとちょっと気持ちが沈みがちになるけれども、だからこその発見があったりする。気分が少し沈むと顔を俯きがちになるけど、それで下を見て歩いていると花が咲いていたりするし、なんか奇妙なものが落ちてて思わず「ふふっ…」って笑みが出たりする。
雨の日は街の顔色が変わるって聞くけれども、本当にその通りだと思う。傘の色1つで考えても、個性が出ていてちょっと楽しい。足元を見てみればカラフルな長靴を履いていたり、防水なのか光沢感があって水を弾いてる革靴を履いていたり。
電車では普段電車通勤をしてないだろう人も居る。乗り込み方がちょっとばかり下手だったりすると『この人は普段歩いたり電車で通勤してるのかな』って感じたりする。
こうやって新しいことを見つけながら歩いたりすれば雨の日もちょっと楽しくなる。

雨の日が好きだからと言って、晴れの日が嫌いなわけじゃない。晴れの日、特にカラッとしてる日なんかは天気に持ち上げられるように何となく気分が高揚したりもする。雨の日とは違う、何かが起こりそうなそんな予感がしたりする。実際のところは何も起こらない至って平凡な一日なんだけれども。

晴れの日は絶好の露天風呂日和。昼間から入れるなら銭湯に行って露天風呂を満喫したい。都内でも空がかなりしっかり見れる露天風呂がある銭湯も多くて、ただただ「あーいい天気だなぁ」って空を見てぼーっとする瞬間がとても好き。室内の浴室も太陽光が入ってくるからなんとなくキラキラしてる気がしてちょっと、浮かれ気分になる。晴れの日は夜空も透き通って綺麗だから、少し星が見えたりする。夜空を見ながら寝転んで入る露天風呂はまさに至福の時。
一方の雨の日の露天風呂はまた顔色が違って。開放感があるのにちょっと落ち込んでる様に見えたりする。土砂降りじゃなければ、雨の日も露天風呂に出て空を見て見るとまた景色が違うから気が向いたらやってみて欲しい。浴室内も晴れの日と比べると落ち着いてちょっとシックな雰囲気が漂ってる。こんな時にちょっとした考え事をしながら銭湯で入浴すると意外に考えがまとまったりして、空模様とは異なって気持ちはスッキリしたりする。

天気と気持ちはなんとなく連動してるけれども、その時にしか見えないものを探したりすればどんな時も結構楽しいです。
そんな、天気のお話。

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