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銭湯と僕⑧

同じ趣味を持つ様々な人達と知り合うことができてから、僕は銭湯だけでなく、サウナにもよく入るようになった。サウナによる気持ち良さの切っ掛けを知ったのは荒川区の梅の湯さんだ。

梅の湯さんはサウナが入浴料金のみで入れるということもあって、初めてでサウナの料金を支払うのはちょっと・・・・っと今では想像もできないような考えを持っていた僕にとってはハードルが凄く低かった。
『せっかくだし、入って行こうかな・・・』くらいの気持ちで。
サウナ→水風呂→休憩という、今ではあちこちで見かける物も当時はそんなに多くは見かけなかったし、僕も知らなかった。でも、何となくサウナに入って水風呂に入った後はちょっと休憩したくなって露天スペースで休憩していたら凄く気分が良くなって『あ、これは何だろう』みたいな感じになった。この感覚が味わいたくて、僕は銭湯でもサウナがある所の場合はサウナをつけるようになった。

同時に、この頃はSNSもかなり活発に使用して銭湯のアカウント等はどんどんフォローさせて頂いていた。行った銭湯はTwitterにアップして感想を添えたりした。そういう事をやっている間に僕の中にちょっとした気持ちが芽生え始めた。

『銭湯について、熱く誰かと語りたい』

そんな気持ちを思わずポロリとTwitterで呟いた所、まさかの反応がありました。

『よかったら、行きましょう!』

金春湯さんからのリアクションだった。
僕自身も金春湯さんとは飲みながらお話をしてみたいと思っていたので「是非とも!!」となった。
さらに、そこに被せて仁岸湯さんからもご連絡があり3人で集まって飲むことになった。ポロリとこぼした僕の呟きからまさかこのような形に発展するとは思っていなかった。

3人で行った飲み会は最初こそ言葉数は多くなかったけれども、次第にどんどんと話しが盛り上がっていた。この時、仁岸湯さんは既に会社員を辞めて仁岸湯を継ぐということで動いており、金春湯さんも会社を辞めて銭湯を継ぐかどうかというような状況だった。そんな、銭湯のちょっとした裏話的なところに参加できた僕は実は自分が一番得をしているんだと思いながら色々と話をした。

とにかく今後の銭湯についてや、銭湯の良さ、銭湯の情報交換、銭湯が全然関係ない話等々をそれこそ時間一杯に沢山色々とお話をした。その時の熱量は今思い返してみても相当な熱量だったと思う。あーでもないこーでもないと色々と話をできたのは凄く楽しかったし、実際に銭湯にいらっしゃるお二人のお話を聞くのは僕としては凄く勉強になった。

この飲み会以降、金春湯さん仁岸湯さんとは何度か飲み会を開催している。
同じように銭湯の事を沢山話していて、時には他の銭湯をやっている方も読んだりして銭湯の横のつながりがそこで出来たりと・・・・とにかく貴重な場に参加している僕は借りてきた猫みたいになっていたと思う。

そして僕は、それ以外にも銭湯系のイベントには自分から積極的に参加をするようになった。それだけじゃなくて、サウナ系のイベントにも足を運び色々な人の話を聞いたり、様々な施設に行って体験してそれを発信することがどんどん楽しくなっていた。

それはひとえに銭湯の方々の人柄が凄く良く、人見知りがちの僕でも色々なお話をさせてもらえたからだと思う。銭湯が好きな方々も優しい方が多かった。

元々僕自身は『銭湯』そのものが好きで、あちこちに行っていたけれども沢山の人との出会いで『銭湯とその周り』が好きになって行った。もうすこし具体的に言えば、銭湯とその銭湯がある地域が好きになるようになった。

どこかの銭湯に行った時は、番台にいるご主人や女将さんと話しが出来そうなときに話をしてその土地の美味しいお店を聞いたりその銭湯の成り立ちを聞いたりするようになった。銭湯はやっぱり基本は地域に根付いている物だからこそ地元の人しか知れないようなことを知ることができる。僕はそれが楽しくなってきた。それを楽しんでいくうちに、僕の人見知りもどんどん改善していった。

『銭湯とその周り』が好きになって来てから、荒川の梅の湯さんが『めぞん梅の湯』というものについてアナウンスをしていることに気が付いた。何かをやるみたいだということで、僕は参加をしてみようと思いたった。

ここから、また僕の銭湯に対する考えや気持ちが変わっていくことになる。
先に書いておくけれども、『めぞん梅の湯』は参加して本当に良かったと思う。

※この物語は半分フィクションで半分ノンフィクションみたいな話です。
小説とエッセイの間くらいと思ってもらえると嬉しいです。(会話とかが完全に覚えているわけじゃないので一部フィクションみたいなもんです)

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