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清々しい味

今月の『東北食べる通信』は山形県酒田市の小林さんのメロンだった。丸々一個、ゴロン。

ちょうどいい食べごろでいただくには、追熟が必要で、ご丁寧に食べごろの目安まで書いてあった。

メロンの食べごろはお尻の方を押して柔らかくなったら

毎日、今か今かとメロンを触ってみた。

『このメロンの食べごろのめやすは7月26日です。』

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そう書いてあったのに、7月26日を過ぎても、いっこうに柔らかくなる気配がない。

押し方がソフト過ぎるのか?

と心配になりながら、

中で腐っていたら嫌だなぁ

とビクビクしながら、そっとメロンを押す日々は続いた。

そして、8月1日、ついにこのタイミングじゃない?

という柔らかさを感じた。

サクッと包丁をいれ、割ってみると、フワッと広がる涼しくて華やかなメロンの香り、きれいな緑の果肉、ジュワっと湧き出る果汁!!

目の前に広がる垂涎必須の光景。

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夫婦二人でメロン丸ごと一個食べられるなんて、なんて贅沢な!!!!

大人になって良かった!!!

デザート分は冷蔵庫、食べきれない分は冷凍庫、あとは遊びで生ハム巻きにしよう!

メロンの食べ方を算段できる日が来るなんて。

切り分けている間ももどかしく、種がついていたワタを試食してみる。滴る果汁も気にせず、台所で、立ったままで。

一言で言うと、

なんとも清々しい味

だった。

甘すぎずちょうどいい甘さ、爽やかな芳香、そしてとびっきりジューシー。

追熟成功、だ。

夜ご飯の前菜に、メロンとチーズを生ハムで巻いたものを作り、食後にはデザートでそのままいただいた。

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あっという間に3/4玉食べてしまった。とにかくジューシーで美味しかった。やっぱりそのまま食べるのがベストだね、なんて偉そうに言いながら。

あとはシャーベットにしている。楽しみ。

実は、私は普段ほとんど果物を食べない。店の料理には使うけど、試食程度だし、大好きなのに、いつ食べるかタイミングがよく分からなくて買えないのだ。あとは美味しくなかった時のガッカリ感も嫌だけど。

だからというわけではないけど、久しぶりの張り切って食べるフルーツは本当に、本当に美味しかった。

このメロンの生産者さんは一畆ごとに割っては、丁寧に味見をしてから出荷しているそうだ。収量は減るけど、確実に美味しいものを届けたい、と言う想い、しかと受け取りました。

おまけレシピ

冷えた白ワインやスパークリング、シュワっとしたにごり酒なんかとともに。  

☆生ハムチーズメロン

メロンを一口大に切り、クリームチーズ小さじ1程度と共に生ハムで巻くだけ。好みで、レモン汁とオリーブオイルをひとたらし。

完熟より、少し硬いくらいの方が合うような気もする。桃や柿で作るのが定番のこの料理、ちょっと残念な熟し方が足りない果物も、生ハムの塩気とチーズのクリーミーさで甘さが引き立つ気がする。


おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。