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貴重!全盛期のショウ・ブラザーズを写したドキュメンタリー映像

https://youtu.be/rDe-cUBl7es
1974年頃に撮られた、香港の映画会社ショウ・ブラザーズの(貴重な)ドキュメンタリー映像。完全なイギリス英語のナレーションの中、当時の映画王国の製作場面が垣間見えて、香港映画ファンには堪らない内容かも。

このドキュメンタリーの良いところは、製作に携わる様々な人たちを追いかけたところだと思う。ショウ・ブラザーズの創立者であるランラン・ショウ(邵逸夫)や、トップスターの一人だったデイビッド・チャン(姜大衛)だけでなく、吹替の役者たちや音響を付けるスタッフ、激しいアクションをこなす俳優たちの仕事振り、さらには俳優志望の若い人たちが講義を受ける真剣な眼差しまで映していて素晴らしい。やっぱり現場の空気っていいね。

それから、若きデイビッド・チャン(この時の彼27歳だそうで、今の私より若いんだよなぁ…)がスズキのバイクで飛ばしたり、「昔は路上でよく喧嘩してたんだけど、いつも負けたんで武術を習い始めた」なんて、独特のいたずらっぽい笑みを浮かべながら、英語で答える姿も何だかいい。
しかし、穏やかな見た目から想像つかなかったけど、彼も結構やんちゃだったんだな。「武術を習い始めてからは喧嘩しなくなったんだ。映画のセットの中を除いてはね。」とも言ってたけど、武術を習い出した事で心境の変化が出て、あの穏やかな感じになったのか。それとも、若くしてスターになった事でだったのかなぁ、と感じてしまう場面だった(4歳で映画に出だして早くに人気俳優となった点が、高峰秀子さんと似ているな、とも)。

映像の終わりで、彼がイギリスとの合作映画で監督(イギリス人)を補佐しつつ、メガホン使って広東語で指示を飛ばしたり、他の俳優たちとアクションを繰り広げたりする姿を見られるんだが、こうした経験を経たから、自分の監督作品を作ったのかなぁ、なんて感じたり。

イギリス領でありながら中華圏であり、しかも中国の様々な地域の出身者が集まっている、という香港の複雑な文化環境で花開いた香港映画。その輝きと熱気が収められた映像を見て、香港映画の多様さに改めて魅入られた。

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