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「複製不能」時代のデジタル芸術は何が革命的なのか

NFT (Non-Fungible Token) による覆製不能なデジタルデータを用いて、芸術の高額売買が行われているというニュースが以下だ。

これまで、覆製されては困るデジタルデータに関してはDRMが用いられてきた。しかし昨今の写真・音楽をはじめとするデータの利用方法は「見るのは無料」が多い。そんな中で複製権や譲渡権をNFTを用いて扱えるようにするというのが新しい。

思い出して欲しい。何故絵画をはじめとするアートが高額で取引可能なのだろうか。条件は概ね以下のようなものだろうか。

1. アート作品の真贋がはっきりしている。即ち鑑定可能で来歴が追跡可能。
2. 覆製が困難である。覆製のレベルが極めて高度でも来歴で嘘がつけない。
3. 売却がしやすい。

このような条件が整うと、好事家や投資家は希少なアートに一極集中投機し、金額があがっていく。そしてこのマーケットをシステムの範としてより一般的なアートの世界が構築されていくのだ。

裏返しでいうと、これまでデジタル上でクリエイトされたアートにとっては上記の3点を満たしていないため、価格があがりにくいという問題があった。精々写真家ならば、ストックフォト・サービサーと契約して雀の涙ほどの収益を得るか、少々名の知れた方なら個展を開いてプリントを販売するなど。少なくとも写真集が売れるような時代では無い。

勿論引用記事のような価格感の世界は極めて稀な話ではありつづけよう。しかしこの流れは必ず一般化してくるのである。不可逆なのである。デジタルクリエイター諸氏は期待に胸を膨らませて自らの腕を磨き待っているが良いだろう。このプラットフォーム作成に投資しようかなとかも考えている。少なくとも本当に実力があるデジタルクリエイターが少しはましな経済的状況に置かれることを期待している。

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