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ミラーニューロンと共感

みこちゃんの記事の中に共感というキーワードがありました。

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今日は、人間の心の仕組みについての話。

30年ほど前に、イタリアの研究者が、サルの脳の運動前野(手や指を動かす神経がある)に電極を刺して実験をしていました。ある時、サルが手を動かしていないのに、一部の神経が活動したのです。何がすごいかって「研究者が手で何かをつかむ姿」をサルが見た時、手を動かす神経が反応したんだ、とひらめいたこと。研究者は、これをミラーニューロンと名付けました。人間の脳でも、MRIで同様の活動が確認されています。

私たちは、笑顔を見ると、自分も無意識に微笑もうとします 目で見た動作を、自分の脳の中で再現して、無意識のうちに “自分も同じように動け” という命令が出ているからです。

この時、頭の中では「この人、楽しいんだ」と理解 “なりきり状態” を作り出す仕組みによって、私たちは行為の意味を理解している。

つまり、意識しなくても、人間は相手の動きを自分に重ね合わせることで、相手の心を読んでいるんです。この「無意識のまね」現象をミラーニューロンの発見が説明してくれることになりました。

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脳から出た「手を動かせ」と言う指令と、「目で見た手の動き」が一致することで “これは自分の体だ” という一体感が生まれ、「自分を自分と感じる」ことになります。そして、他者の動きを見た時に働くミラーニューロンが無意識に自分の動きを一致させ、共感を生む、と考えられます。

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今のところ、ミラーニューロンは、手の動きに反応するものが中心で、表情を読むなどの感情的な共感に関しては、いまだ未解明。ただ、これは未発見ということであり、人間関係のやりとりが身体感覚をベースに成り立っていることを否定するものではありません。

だって、noter さんは、ミラーニューロンが発達しているってこと、みなさんも実感しているはずですから。

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