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ビジネスの数字に騙されないためには前提条件と計算式をチェックが大切

ビジネスにおいて数字を活用するのは不可欠です。

数字は人の認識を共有し、説得が必要なケースで大いに役立ちます。

特に近年データサイエンスやデータ分析を扱うデータサイエンティストの職業も増えてきています。

しかし、数字によって、人々は誤った判断を招きかねません。

ビジネスにおける数字を見て判断する上で、そもそもの前提条件とその数字を算出した計算式をチェックすることが大切です。

ビジネスに数字は必要不可欠

あらゆる仕事・ビジネスにおいて、数字は不可欠な存在です。

  • すごく頑張った

  • 大盛況だった

  • 前年より売上が上がった

こうしたワードを使うことは問題ありませんが、これだけでは他人には情報が伝わりません。

  • すごく頑張って生産量をノルマ30%超え

  • 大盛況で約5万人を集めた

  • 前年より売上が150%上がった

このように数値化できるものについては積極的に数字を用いる必要があります。

人は数字で判断を行う

人は子どものころから色々な数字に触れてきているため、数字が判断基準になっています。

テストの点数を見てガックリし、お年玉の大金ぶりに驚いてきました。

かつてドラゴンボールのフリーザ様が放った 「私の戦闘力は53万です」

今では某掲示板やツイッターでもコピペネタとして使われますが、当時読んでいた子どもたちは戦慄を覚えました。

悟空の兄であるラディッツが地球にやってきた時、その辺りにいたモブおじさんを戦闘力を測るスカウターでチェックしたところ、「戦闘力…たったの5か…ゴミめ…」 と言い放ちました。

そう、一般的な成人の地球人は戦闘力5しかなく、我々もその水準と推測されます。

悟空との死闘を経て、パワーアップしてナメック星についたベジータの戦闘力は最大出力して2万4000でした。

戦闘力という指標で見れば、フリーザのセリフが一般人の10万6千倍、あのベジータでも23倍の強さを誇ることに畏れ慄いたのです!

このように数字を見る感性は子どものころから育まれています。

不適切な数字は誤解や間違った判断を招くことも

これまで紹介してきた通り、我々人間はビジネスにおいて数字で判断することが多いです。

数字が適切なものであれば、きちんとロジックに従い論理的な決断をすることができます。

しかし、数字には不適切なものも混ざっています。

そうした不適切な数字から判断すると、誤った決断を導く恐れがあります。

それゆえに出てきた数字をそのまま鵜呑みしてしまうのはとても危険です。

正直不動産の名言「数字は嘘をつかない。だが、嘘つきは数字を使う」

記事を書いてる途中に、正直不動産というマンガを読んでいた時に、まさに今回の記事にも重なる主人公のセリフを発見しました。

正直不動産15巻より

主人公・永瀬財地 『数字は嘘をつかない。だが、嘘つきは数字を使うんだ。』

これは、投資用不動産に手を出そうとした部下をたしなめる際に出た名言です。

このようにできた数字は偽装をしない限り、嘘ではありません。

ただ、中にはこうして悪意を持って数字を活用してくるため、数字をそのまま信頼するのはとても危険です。

数字を見る上で大切な2つのポイント

数字が偽装でない場合に、数字のどこに着目するとよいのでしょうか。

数字を見る上で大切なポイントは以下の2つであると言えます。

  • 数値データの前提条件

  • 数字を算出する計算式

アウトプットとなる数値を出す上で、必ず ①入力→②処理→③結果 という流れをたどります。


結果の数字だけ見ていても、数字自体の妥当性は見えてきません。

それゆえに前処理部分の前提条件と計算式に着目する必要があります。

①数値データの前提条件

数値データの前提条件のチェックポイントになるパターンとして、以下の例が挙げられます。

「東京の道行く人にアンケートした結果、平均年収2000万円だった。なので東京は年収が高い」

これは世の中的なデータと明らかに違和感を感じるので、おかしいと分かると思います。

「東京の道行く人」と書かれていますが、どのように調査したのか?

  • 高級な外資系企業がある場所でその会社から出てきた人にアンケートした

  • 経営者が集まるイベント会場の前でアンケートした

上記のようなやり方をすれば、平均年収を高く出すことができます。

本来、このパターンは東京のあらゆる場所でランダムに必要なサンプリング数をアンケートして統計的に正しい数値が出せるものの、平均年収を高く見せたい場合にこうした前提条件をおかしくする手法が使われます。

②数字を算出する計算式

集めたデータは正しいものだったとしても数値を算出する計算式がおかしくて、不適切な数字になることもあります。

そもそも計算式が誤っていた場合は、算出した数値に意味がありません。

さらに、計算式の中で、係数や重み付けのパラメータを調整することで、結果の数字をいじることができます。

例えば、入試などで5教科の点数にもとづいて合否を決定する場合、5教科の合計点であれば、恣意的な要素はありません。

しかし、「理系人材が取りたい」ため、数学を2倍、理科を1.5倍にする重み付けをセットすると、変わってきます。

理系教科の重み付けの追加に加え、社会や国語を0.5倍に重み付けすると、合否結果に大きな変化が起こります。

上記は単純な事例なので、すぐに見破れますが、統計学や機械学習において、そうした細工がされると気づく難易度はとても高いです。

その他にも計算式を適切に理解しないと、判断を誤るケースもあります。

終わりに

ビジネスにおいて、数字を扱うのは必要不可欠で、数字に基づく判断が大切です。

しかし、数字自体は問題ないけれど、前提条件や計算式によって、誤った判断を招くことがあります。

大人気マンガ「正直不動産」でも「数字は嘘をつかない。だが、嘘つきは数字を使うんだ。」という名言セリフにもある通り、数字を使って判断を誤らせようとする人はいます。

そうした際には出てきた数字の前提条件と途中の計算式をチェックすることが大切です。

前提条件として問題なく妥当性があるか確認し、アウトプットの数字を算出する計算式でおかしなところがないかチェックしましょう。

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