
カメラを視点に置き換える「カット割りのコツ」
カット割りがどーの言う前に「構図」というもについて触れておきます。
構図とは絵であり、画角(表示サイズ)に対して被写体をどのように配置するかが構図です。
絵画・写真・映像などは「枠」の中に納めるという制約がある。その制約の中でいかに表現できるかが構図作りのカギとなるわけです。
映像は絵や写真と違って「構図作り」のオンパレード。1枚で映像を見せる定点撮影もありますが、記録撮影ともなれば何百という構図のつながりになっていきます。
「カット割り」とは「構図」の連続を意味します。
カット割り次第で映像の印象は様々に変化していき、映像制作の根幹と言ってもいいでしょう。
この記事ではよくある「カット割りの基本」ではなく「コツ」です。あしからず。
目の働きと同じことを映像にさせる
元々が記録屋なので、ステージイベントなどを例に取ります。ではオケ・吹奏楽で。
まずは、撮影ぬきで自分が観客になったつもりで見てみましょう。親目線でもいいです
緞帳が上がりました~、楽団が大勢いますね~ おお~拍手~
ウチの子どこかな? おや?あの子一人だけ立って吹き始めたぞ、チューニングか
さあ、始まるかな・・お・誰か入ってきた・・指揮者か~誰だろ?
とりあえずココまで。何カットあるでしょーか? ・・・
答えは「1カット」です。(観客の目線では)
人の目をレンズに置き換えると「常に超広角」。ロング定点のみ。
しかし、観客は広角で見ているわけではありません。 目では広角でも脳内ではアップやパン・ズームイン・アウトなどあらゆる技法を駆使して見ています。人の目はすごい。
つまり、何が言いたいかというと・・
目の働きと同じことを映像で作ればいいんです。
視点に従ってカット割りをしてみた
緞帳が上がりました~、楽団が大勢いますね~ おお~拍手~
撮影 → 緞帳の全体ロング、上がるまでそのまま、全体の楽団員をパン。拍手の客席。
ウチの子どこかな? おや?あの子一人だけ立って吹き始めたぞ、チューニングか
撮影 → 全体ロング、自分の子アップ、全体ロング、コンマスアップ、楽団員パン。
さあ、始まるかな・・お・誰か入ってきた・・指揮者か~誰だろ?
撮影 → 全体ロング、下手から指揮者フルショット、バストで指揮者を抜く。
以上のようになるかと思われます。 これをスムーズに行えば「視点」を映像に変換してあげることがが出来る。
視点を映像にすると、脳内予測が映像とリンクされて違和感がなくなる。 カット割りのほとんどは「見る人への親切心」から来ています。
上記の例の「ロングとアップ」を反対にしてみてください。なんじゃコレ!になります。
カット割りのコツは「目とカメラをリンク」させてあげること。
難しいと感じるならば、撮影はしないで被写体を目で見て観察しましょう。 そして気になったポイントをメモに取る。そのポイントがカット位置です。 カット割りの先生は自分の目。
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