妄想する その9

食堂というよりスナックみたいな店内。
茶色いジャージを着た女性店員。
店の奥から子供の泣き声。
座りづらい椅子。
ガタガタ言うテーブル。
場違いなビートルズのポスター。
そしてテレビデオが現役だ。

道の駅で配っているパンフレットで見つけた食堂。
パンフレットには『天ぷらラーメン750円」と書いてあるが
店のメニューには800円となっている。

天ぷらラーメンを頼んだ。
しばらく待っていると
『これもうあげていいの?ねえ、ねえ』
とご主人に確認する声が聞こえた。
確認してる時点で多分良きタイミングは逃してるんじゃないだろうか。

出てきた。
海老天にネギが乗り小さい海老天を隠している。それを中心にして、なると、ほうれん草、おふ、メンマがくるっと並んでる。

麺は多分伸びてた。
美味しくなかった。

『シュリスペイロフ30周年記念映画を作るなら』を妄想するーその9ー

ペンションでひとりの女が殺された。
密室だ。
意味はわからないがみんなが言うならそうなんだろう。
容疑者は4人。
メガネ、ロン毛のメガネ、女、変わったメガネかけてる奴。
みんな犯行時刻には何かしてたらしい。
忙しい人たちだということだ。

小腹が空いてるので軽くパンみたいなのを食べたい。どこかにないだろうか。ペンションだったらあるだろそのくらいは。
『凶器のナイフが見つかりました!』
キッチンの方にパン探しに歩きだしたとき、大きい声で黒縁メガネが言うからムカついた。
お前いつも大きいな声。
『あ、そうなの』
冷たく言ってやった。
『指紋は拭かれているようです』
『指紋が拭かれているとなんか困るのか』
『困ります』
いい気味だ。

本気でパン探してたら犯人からの脅迫文というのを銀縁眼鏡が見つけたらしく興奮してグイグイくるからウザかった。
雑誌とか新聞とかの文字を切り取って文章を作っている。
なんか面白そうだけど見づらいから読まなかった。
さっきの殺された人の友達4人が覗き込む。
女は見づらいのか流行ってる感じのメガネをかけた。
『次は私かもしれない』
流行ってる感じのメガネをかけた女はビビっている。
とりあえずパンが無いなら一旦コンビニ行きたいので適当に言ってみる。
『犯人はメガネをかけているはずだ!』
ロン毛メガネが崩れ落ちる。
『なんでわかった‥‥』
『最近の人はだいたいメガネかけてるから』
『くそ、完璧な計画だったのに‥‥、どこから気づいたんだ‥‥』
そういうのはいい、と思ったから無視してコンビニに向かう。
今回もメガネが犯人だった。
今後もメガネが犯人だろう。

配役
・視力検査をする天狗の息子
澁谷くん
・耳かきの綿でポンポンして指紋とる背の高い男
野口
・高橋がなりにマジックミラー号を見せる男
部長
・天狗の親子にびっくりした後、保険証を持ってるか聞く眼科の受付
宮本

サポートしてもらえたらすっごい嬉しい。内容くだらないけどね。