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患者様を“一生診る”という考え

コラムVol.1でも書いた通り、美容外科という医療は、正しい治療や困難な手術を多数こなすことだけが重要なのではありません。僕は美容外科とは「その人の人生を変えていく仕事」だと思っています。だから、手術が成功することは当り前だし、患者様にとってはそこからが新たな人生のスタートとなるという考えを前提に治療を行っています。

大事なのは患者様の人生に並走すること

僕がまだ新米美容外科医師だったころ、手術が終わりホッとして1時間ぐらいたった時、師匠である、某先生から「患者様を見ないでどうするんだ」と怒られたことがありました。手術が成功してそれで終わりではない、常に患者様の状態を気にかけ、患者様が不安になっていたり気になることがあれば、必ず明日も来てもらい、状態を診させていただくようにしろと言われました。医師は手術の成功で満足してしまうが、患者様にとってはここからが新たな始まりなんだと認識させられました。以来、それこそが美容外科の医師として最も大事な事だと自分の信念になっています。その考えをもとに、治療・手術内容や患者様のご都合によっても違いはありますが、ガーデンクリニックでは少なくとも術後1年は患者様の状態を診させていただくようにしています。

人間の身体ですので、脂肪吸引や豊胸などはある程度形が整った後も、ゆっくりと変化していきます。例えば胸も落ち着くまでの間、少し小さくなったり固くなったと感じられる方もいらっしゃいます。もちろん、時間とともに自然な形や柔らかさになるんですが、患者様にとっては初めての経験ですので、不安に思われるのも無理はありません。

そんなちょっとした変化をフォローして、患者様の不安を取り除く。それこそクレームが来たから対処するなどというのではなく、医師自らが進んで患者様の人生に並走し、幸せになっていただけるようしっかり診ていきたいと思っています。

1回限りの医師ではなく、一生の医師に

僕の患者様でも、すでに20年以上前から来ていただいている方もいらっしゃいます。定期的なアンチエイジングの治療のために、地方からも通ってくださっていて、本当にありがたく感じています。
長いお付き合いになれば、年齢を重ねることで違う悩みも出てきます。同時に医療の側面でも技術や機器も進化していきますので、僕たち医師のさらなる技術向上や進化も必要です。その変化に合わせて、患者様に今何が最適か、長く診させていただくことでより良い判断もできると感じています。

一番うれしかったのは患者様から「先生、一生お願いしますね」と言われたこと。もちろん僕もその言葉通り、これからもずっと患者様がより良い人生を過ごすお手伝いができればと思っています。

美容外科は、風邪で薬をもらったら終わりという医療とは違います。まさに “患者様と一生つきあう医師”。患者様の一生を診させていただくことができれば、美容外科医師としてうれしい限りだと感じています。

さいごに

さて2020年も残りわずかとなりました。この秋から始めたこの僕のコラムも、今回が今年最後となります。長々と読んでいただき、本当にありがとうございました。

今年はコロナという誰もが予想しえなかった状況に見舞われた年となりました。まだまだ油断はできませんが、我々も最善の努力をして患者様をお迎えしていくつもりです。

あと数日で新たな年が始まります。皆様にとって穏やかで歓び多き1年となりますよう、お祈りしています。

元の記事: https://www.garden-senbi.jp/chairmancolumn/vol-07/


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