マガジンのカバー画像

おのしゅんすけの小さな世界

68
木曜更新短編小説(一話完結)のまとめです。楽曲を元に小説化することが多いです。ぜひ。
運営しているクリエイター

#乃木坂46

あの日僕は咄嗟に嘘をついた

パシャッ…… 僕は何も無い青空をフェンダー越しに覗いた。 僕はいつからか、景色だけをカメ…

新しい世界

「ねぇ、昨日の夜どこに居たの?」 彼女と同棲してる部屋でふたりで昼食を取っていた時、不意…

日常

ガタンッ…… うつらうつらしていると地面が大きく揺れて隣の人と肩がぶつかった。 「……す…

君の名は希望

部活動に勤しむ学校の生徒たちの掛け声がグラウンドに響いている。 体育館からはシューズと床…

設定温度

ウゥー…… 窓の外から微かに犬が唸る声が聞こえる。怒っているというよりなにかに怯えてるよ…

きっかけ

パッポー……パッポー…… 街の騒音のど真ん中で無機質なカッコウの鳴き声がこだまする。 交…

羽根の記憶

カタンッ…… 親友からもらったお気に入りのボールペンを机の上に置いた。 『10年後』 そう書かれた封筒を3年間使ってきた学生カバンに入れて肩にかけた。 「お母さん!行ってくるね!」 キッチンで片付けをしているお母さんに玄関から声をかけた。お母さんはエプロンの裾で手を拭きながら顔をのぞかせた。 「はーい。ハンカチとティッシュ持った?」 「持った、持った。今日の夜はクラスのみんなとご飯だからね」 「はいはい。楽しんでくるのよ。気を付けていってらっしゃい」 「うん

行くあてのない僕たち

ギギッ……ポーン…… 「4時30分に出発致します。それまでに……」 まだ空が青暗いサービス…

釣り堀

チャプンッ…… 鏡面のような水面に落ちた赤色の派手な浮きが小さな波を立てる。ひっくり返し…

最後のカルテット

この間まで生い茂っていた木々もいつの間にか色付き、せっかちな木はもう隙間ができている。落…

君は僕と会わないほうがよかったのかな

ドンッ 「あ、すみません」 日の落ちかけた街に吹き抜ける冷たい風から身を守るようにして下…

僕の思い込み

人の流れが僕の前を横切る。改札を出たところの柱の傍で僕は君を待っている。 「改札出てすぐ…

13日の金曜日

「ねぇ、知ってる?ジェイソンって実は1回もチェーンソー使ってないんだって」 ポップコーン…

ごめんね、スムージー

「いや、俺彼女いるから」 はぁ~? 「俺彼女なんかいないよ」みたいな顔、いつもしてたじゃんか。 じゃあなに?私との関係は遊びだったんだ。私だけがいい感じだって勘違いしてたんだ。 「ご飯いこ?」って誘ったら遅れてでも絶対来てくれたし、休みの日に声が聞きたくなって電話した時は何も言わず長電話に付き合ってくれたじゃん。 ただの優しさじゃ、そこまでならないよ。だから私もYouTubeでメイク動画とか見て可愛くなるための努力だってしたし、体型維持するために毎日スムージー買った