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照明の消えた真っ暗な部屋で見えない天井を睨みながらベッドに横たわる。 いつもこの時間にな…
ギギッ……ポーン…… 「4時30分に出発致します。それまでに……」 まだ空が青暗いサービス…
チャプンッ…… 鏡面のような水面に落ちた赤色の派手な浮きが小さな波を立てる。ひっくり返し…
カラララッ…… (……よし。行くよ) (ねぇ、ほんとに行くの?) (今さら引き返すの?行くに…
この間まで生い茂っていた木々もいつの間にか色付き、せっかちな木はもう隙間ができている。落…
ドンッ 「あ、すみません」 日の落ちかけた街に吹き抜ける冷たい風から身を守るようにして下…
人の流れが僕の前を横切る。改札を出たところの柱の傍で僕は君を待っている。 「改札出てすぐのところで待っててくれなくても大丈夫なのに」 いつだったか、君がそんなことを言ってくれた。それでも僕はここで待ち合わせするのが好きなんだ。 階段から上がってくる人波の中に君を見つけると僕は嬉しくなるんだ。 待ち合わせしている時間の5分前。電車がホームに着いた音が聞こえた後、人波が階段を登ってきた。僕は期待して君を探した。 1週間ぶりに会った君は前髪が短くなっていた。君は僕と目が合