インフルで2019年が終わり、良くない夢と共に始まった2020年

 新年早々、悪い夢で目が覚めた。息子がマンションの手すりに乗り出して、そのまま落下していくという夢である。大声をあげて慌てて掴みにいく私の手をすり抜けたところで、(恐らく)体中がびくっとして目覚めた。心臓がどきどきして止まらない。時計を見ても、起床時間には相当に早い。とりあえず落ち着こうと思って、トイレに行こうとするのだが、脚が震えてスリッパがはけない。スリッパをなんとか足にはめて歩き出すが、やはり足が震えていて階段の一段目でよろける。手すりにしがみつくようにして階段を降りてトイレに入り、座り込んで用を足しながら、状況を整理してみた。

 私はマンションに住んでいない。あんな高層階に買うお金もないが、そもそも高所恐怖症なのだ。なので、あのようなマンションの高いところに住むことはない。たまに訪れる知人の(立派な)マンションにしても、移動時に子供から目を離さないようにすれば良い。大丈夫、大丈夫、、、と自分に言い聞かせる。この恐怖が正夢になることはない。だんだんと頭の中と現実が融合していく。恐怖から来る震えが止まる。吐く息の白さに気づいて寒さを感じ始める。

 思えば、散々の年末年始だった。インフルA型に罹患したのだ。記録をみると、10年ぶり、この地に赴任してから4回目。仕事納めをまたずに出勤停止(有給)となり、そのまま強制的に休みに突入となってしまった。が、しかし、仕事は山ほど残ってる。全然収まらないまま仕事納めとなってしまったので、出勤停止が開けた正月からはずっと仕事に来ている。

 インフル感染中は、家族に染さないために家庭内隔離処置(LEVEL MAX)が発動されて、別室の一角で2つ重ねのシュラフ(夏用シュラフに、冬用シュラフを入れ込んで脱皮間近のイモムシのような状態)にくるまって寝ていた。ワクチンのおかげか熱はさほどでもなかったのだが、とにかく頭痛が解けず、解熱後もとてもじゃないが文章を読めるような状態にならなかった。熱が上がってないのに頓服を飲むのは気が引けたが、頭痛を取らねば何もできん、と思ってカロナール500mg を日に2回ほど飲んでいた。これ、肝臓に良くなさそうだよなと鈍い頭で考えながらも、カロナールのおかげで眠れたので結果オーライだった。

 本当は午前中は大学で仕事をして、午後から自宅で大掃除をして、夜は子供とゲームをして過ごすみたいな年末を想定していたのが全て白紙に。新年は休んだ分を取り戻すべく仕事に来ている。大掃除も初詣も何もないまま年末年始が終わる。お出かけも何もなし。本当にクズのような父親だ。家族に申し訳ない気持ちで一杯である。たぶん、その後ろめたさか、家族の呪いが、あのような夢をみさせたに違いないと思う。インフルで終わり、悪夢で始まる。因果応報。自分らしいとさえ思う。

 ・・・せめて次の連休はしっかりと休みを取ろう。家族でどこかにいこう。冷たいトイレの便座に座りながら、ぼーっとそんなことを考えた。そうやって私の2020年は始まった。忘れないように、ここに留めておきたいと思う。

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