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職場に開示するかで悩む方へ

不妊治療をしていることを職場で開示するかどうかで悩んでいる方は多いと思います。

データ的な観点では、職場に開示した方の6割以上の方が、開示してよかったというアンケート回答をしています。

職場の人に開示することによって、置かれた状況を正確に伝えることが可能になり、当然相手にも想像力が働くようになります。

その結果、自分が得たいと思っている配慮や気配りをしてもらいやすくなります。

裏を返せば、開示しないことを選び続ける以上、配慮を引き出すことは極めて困難であることを覚悟しないといけないということとも言えます。

治療の関係で仕事を休むことが増えれば、

・黙って休んでいると、どこか身体が悪いのか、この先仕事を続けられないのではないかと疑いを持って見られる可能性がある。

・精神的な問題を抱えているので休みがちなのではないかと思われる。

・転職活動をしているのではないかと勘違いされる。

なんていうリスクもあるわけです。
意味不明に飲みに誘われることもあるかもしれません。

配慮はほしいけど、詮索も噂話もしないでほしい。
全部のメリットだけを取り出すというのは現実的には困難ですから、
優先したい価値観を選択する必要があります。

開示しないのも全然構わないと思います。その際には、多少「感じの悪い人」と思われても良しとしましょう。
そもそも職場は「職務を遂行するために行く」のです。
仲良しこよしをするために行くのではありません。
もちろんわざわざ感じを悪くする必要はありません。

治療をしていることは偉いことではないけれど、大変なこと。
自分を守るために必要な感じの悪さなら、致し方ないことです。

そういう意味では現在のリモートワークは、妊活中の方にとって、
快適性につながっている可能性もあるなと思うのが正直なところです。

辛いから仕事を辞める」という決断が必要なこともありますが、
今ある仕事を大事にすることも大切です。
妊娠・出産のあとに戻る職場が新しい職場となると、様々な苦労も耐えませんし、何より不妊治療中に時間ができることによって考えてしまうことが増え、辛さが増すこともあります。
次の仕事に就かないと収入が得られないことも、なかなか大変です。

妊活も妊娠も育児もストレスは相応にかかります。
気晴らしも必要だと思うので、仕事という外部とのつながりが救いになることも忘れてはいけません。

話を元に戻すと、開示することで悩んでいる方は、
紙にメリットとデメリットを書いてみて、どれを確認しながら
51%のメリットを感じるようであれば、開示したほうが良い。
というのが僕の持論です。

患者さんには、しっかりと「自己中心的」に考えてほしいと思います。
これは利己的とは少し意味合いが違います。自分をしっかり守るという意味での自己中心的です。
妊娠・出産のイベントが終わり、職場に戻ってきた時には、しっかりと今まで通り利他的な働きかたになりますから。
今くらい、しっかりと自分を守れる職場での選択をしてほしいです。

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