おちまさゆき-正しい知識で正しい妊活を-

「誰でも、がんでも、ママ・パパに」 正しい知識がないために、妊娠できない「知識性不妊症…

おちまさゆき-正しい知識で正しい妊活を-

「誰でも、がんでも、ママ・パパに」 正しい知識がないために、妊娠できない「知識性不妊症」の方を救いたいという思いから 男性の生殖医療相談士として、不妊治療、がん治療と妊娠のことを情報発信していきます。 治療中の皆さんの悩みや卒業した方々の声もたくさん聞かせてください。

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生殖医療相談士の私がnoteを始める理由

私は2016年から医療法人で働いています。 スペインにいる姉からの紹介で、ひょんなことから、今の勤務先のボスである京野と生殖補助医療というものに出会いました。 その時のことが衝撃的であり、今も毎日私がここで働くエンジンになっていますし、今回noteを始めようと思った理由の1つになっています。 「試験管ベビー」恥ずかしい話ですが、本当に試験管の中でこどもができるのか、とか思ってました。決して保健体育の成績が悪かったわけではなく、むしろ5以外取ったことがないはず。保健体育は

    • 声を上げる重要性 声を拾う重要性

      昔のビジネス環境と比べて、患者さんのリテラシーは年々向上しています。 従来の権威主義的な、医療機関の都合による診療はまかり通らなくなってきており、患者さんの方が強いことさえ見られるようになりました。 ただ、僕は個人的にはこれもいずれ淘汰されると思っています。 毎度ありがとう。おおきに!の世界観個人的には、行き着く先はフェアな世界だと思います。 いくら患者さんが情報を持っていたとして、医者には慣れません。 情報の本当の意味での精査はできるものでもないです。 得たい治療の成

      • 2024年の広島カープ

        昨年、順位予想で2位と公言し、結果的に2位という結果で終わりました。 さて、今年は何位になるでしょうか、というところですが、個人的に今年は5位だと思っています。 自分なりにそう考えている理由とスタメン予想をしようと思います 無難なスタメン1.ショート 小園 2.ライト 野間 3.センター 秋山 4.ファースト 堂林 5.キャッチャー 坂倉 6.サード レイノルズ 7.レフト 田村 8.セカンド 菊池 チャレンジングなスタメン1.ライト 久保☆ 2.ショ

        • 強い言葉とでかい主語は使わない

          僕が日々気をつけていることとして、 強い言葉とでかい主語は使わない ということを意識しています。 強い言葉としては、 ・一生 ・絶対 ・間違いなく ・100パー ・だれでも ・いつでも ・当たり前 とかこういう10:0みたいなニュアンスのある言葉です。 一生一緒にいようと思った彼女とも過去には分かれてきましたし、 絶対いけると思った勝負にも負けてきたし 超頑張ったテストも自信あっても100点は取れなかったし 起こらないと思っていた戦争はまだ起きているし。 自分自

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        • 雑感
          178本
        • 不妊治療や妊孕性温存について
          264本
        • 兄との闘病記録(大腸がんStageⅣ)
          4本

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          少子化対策に感じる閉塞感

          先日中医協の診療報酬改定に向けた案が出てきました。 これによれば、 ・一般不妊治療を受けられる施設が増える可能性 ・凍結保存期限の3年の上限がなくなる ・精子凍結が組み込まれる ・流産検体を用いた絨毛染色体検査が可能に というようなダイジェストになるかなと思っています。 様々な議論があろうとは思いますが、総じて環境としては悪くなっていないですし、より目が細かくなっているような印象を受けます。 凍結期限の撤廃凍結期限の撤廃は、非常に妥当な判断です。 通常、体外受精を行

          ジェンダー平等と多様性の狭間で

          ジェンダー平等、という考え方が年々広がっていて、それ自体は全く問題ないと思うのだけど、一つどうしても気になることがありしまして、 この記事内のアンケートによれば、 日本でも最近、変化が起きつつあります。22年の内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」との考え方に「賛成」する人は33.5%と、調査開始以来最も少なくなりました。逆に「反対」は64.3%と最多になっています。 という部分です。 同調圧力の強い日本の中で、こう

          ジェンダー平等と多様性の狭間で

          不妊治療を経験した方が親になること

          不妊治療という言葉のネガティブなイメージは以前に比べてかなり和らいだとは感じているものの、ハッピーなもの、というニュアンスはないと思っています。 不妊治療は、物理的にも、精神的にも、そして経済的にもかなり難しい治療です。 なぜこれが難しいのか、ということと、教育問題を考えていた時に僕自身が感じたことを綴りたいと思います。 不妊治療の難しさ不妊治療の難しさの根源の一つに「曖昧さ」が横たわっています。 むしろこれが全てと言っても良いのかもしれません。 それくらい大きな問題

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          場所を変えなきゃ見えねえ景色があるんだ

          このセリフをご存知の方は、相当ワンピースファンだと思います。 私もワンピースとともに青春を過ごし、成長をしてきた人間ですので、 もちろん、このセリフは大好きだし、このシーンも大好きです。 ワンピースの世界には様々な立場の人間がいます。 主人公のルフィを軸とした海賊たちの中でも敵味方があり、 もっと大きい枠組みでいうと世界政府、天竜人、海軍、革命軍など。 人種でも差があり、奴隷もいます。 単純なバトル漫画として読むこともできるけれど、現代社会の縮図とも読み取れるような立場や思

          場所を変えなきゃ見えねえ景色があるんだ

          不妊治療中の方の感染症対策について インフルエンザ、コロナ、RSウィルス

          インフルエンザについてコロナ禍が過ぎたものの、現在も様々な感染症が流行の兆しを見せています。 従来から、この時期の感染症の代表例であったインフルエンザがその筆頭です。 本来は冬シーズンのみで終わるはずのインフルエンザが、ほぼ年中流行しているような状況で、9月には、東京都含む数県で例年よりも早い「注意報」が発表されるなど、異例の事態になっていました。 これは様々な説がありますが、 1) 社会的にかなり高い水準で行われてきた感染症対策が一斉に緩んだ 2)感染症対策の結果として

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          不妊は進行するんだってばよ

          不妊症は怖い病だなと思うところが、「進行性」という特徴にあります。 多くの方が、 ・まずは自然に近い方法から というなんとも抽象的な理由から、確率の低い妊娠手法を試していきます。 実際には、タイミングとかですね。 先に書いておくと、よほどの肥満で無い限り、僕は「まずは体質改善」という人のことを信用していません。 おかしくないですか? 世の中には、冷え症でも妊娠する人はいるし、肥満ぎみでも痩せ気味でも妊娠する人はたくさんいます。ましてや喫煙者で妊娠する人もいます。

          著名人の卵子凍結、何がNG?

          先日、さっしーが卵子凍結済み、的な投稿をしましたね。 まぁそれに対して、是非が凄まじいこと。 未だに僕はこの騒がしさが、半分は腹落ちするけど、半分は意味がわかっていません。 比較的、医療者の方々には、卵子凍結は魔法の手段じゃないんだよ!というようなアラートっぽい発信をされている方を多く見かけます。 そこがおそらく腑に落ちていないんだなと。 卵子凍結でどれほど妊娠しているか、卵子凍結と不妊治療を長く実施している医療機関の中にいるので、よくわかっています。 一方で、そう

          待ち時間に対する想い

          待ち時間、という言葉がどうも好きになれません。 僕がいるクリニックでも、入社当初から待ち時間短縮、という目標を掲げていて、ひたすらに無駄を削減する日々を今も続けています。 その活動に対しては、心から経緯を表します。 ただ、待ち時間(ニュアンス的には、待たせ時間)というのがなんとも幸せじゃない気がして、ずっと違和感を感じています。 待ち時間を削減し、待ち時間の感じ方を変えていくために、 医療機関の中の人の目線で、待ち時間とは何なのかを掘り下げてみたいと想います。 待ち時

          カスハラに思うこと

          カスハラ、が年々問題になっていますね。 「お客様は神様です」 は少々時代錯誤に思われる今の時代。 顧客もスタッフもフェアに関わるのが今のやり方だと思います。 日経新聞に面白い記事がありました。 一部を引用すると、 とのことです。 誤解を恐れずに言えば、この傾向は時々不妊治療の現場でも見えます。 保険診療化で敷居が下がったとはいえ、不妊治療を行う人の多くは世帯年収が高い方が多い印象です。 卵子凍結を行う方にもその傾向はあるかもしれませんね。 意識が高く、それだけ経

          モヤモヤする -価格がドライバーで卵子凍結をするのか?-

          先日卵子凍結の現状について、noteを書きました。 僕自身が、なんとも言えないザワザワ感を感じていて、この卵子凍結の助成金が吉と出るのか、凶と出るのかがとても不安な気持ちでいます。 価格がドライバー僕自身の中では、これまでもこれからも社会的な卵子凍結は、 ある種、意識が高い方のセルフケア、のようなものだと思っています。 一時期、バーキン買うより卵子凍結、みたいなコピーがやや問題視されましたが、大きく見れば感覚的には近いものがあるように感じます。 将来の自分の妊娠・出産

          モヤモヤする -価格がドライバーで卵子凍結をするのか?-

          価格競争に陥る卵子凍結

          東京都では、最近助成金が始まることもあり、にわかに盛り上がりを見せる卵子凍結。 クリニック内のコラムでも簡単に助成金についてまとめて書いていますので、参考までに確認いただければと思います。 価格競争が激化してきた一言でいうと、まさにこれです。価格競争が激化してきました。 特に競争の激しい東京などでは、30万円代で卵子凍結を行うことができる施設も増加しています。 価格を下げる事自体は、医療機関の努力あってのことなので、これ自体に問題はありません。 誤解を恐れずに言えば

          スタンプのススメ

          最近ふと感じることが多くなった「自分の刺々しさ」があります。 兄を亡くしてからというものの、どのように心の整理をつけて良いのかがわからず、人からかけてもらう言葉に違和感や反発を感じてしまうことが増えた自分がいました。 それに対しての言葉で悩むことも同じくらい増えました。 大切な人を失うというのは、これほど人生に影響を与えるんだなぁと痛感しましたし、少しずつ時間を欠けてくる中で、 「あの大切な兄をなくしたのだから、この喪失感は当たり前だし、さすが兄だな」 みたいな感情が徐々