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「限定集客」

限定集客(造語)[→げんていしゅうきゃく]
限定的に客が集まるようにすること
「今回のイベントは-で良いかな」

先週から「フリトーク」「フリダンス」「アフ会」と3つのオンラインイベント・プロジェクトを始めている。イベントと言っても、初回の「フリトーク」以外は、参加者が居ないので、未イベントくらいのものだ。「フリダンス」では自分の選曲で踊ったが、「アフ会」については30分ほど、バーチャル背景で遊びながら、自分の顔を眺めていただけだ。サッカーのユニフォームを着たりもしていた。

前にも書いたが、集客の方法は基本的に、Twitter上でハッシュタグやタイトルや人名などを書いて投稿するだけ。そのハッシュタグやタイトルや人名などを特別に好きな人にだけ引っかかれば良いと思っている。過去に開催してきたようなリアルイベントのようにPeatixでイベントページを作成したり、Facebook広告を出したりもしていない。いつか、専用のコミュニティを作って、そこで告知などを出せればとも思っているが、「フリトーク」は匿名で行っているという特性もあり、全てのイベントを網羅できるようなコミュニティは難しいだろう。カルチャーメディア&コミュニティの準備中でもあるので、そのリリースのタイミングで、動くことにはなるが、そのスタートも未定の現状。基本的には、今のようにSNS上での投稿だけで集客していく予定だ。

僕自身が、凄く認知度があり、日頃の活動を通じて信頼性のあるような人物だったら、同じやり方での集客の結果は違っただろう。この人が主催するイベントなら、どんなテーマでも参加してみたいと思う人は、僕自身にも何人か居る。こうした消極的な集客による結果が、今の自分自身を表すということで、興味深いと同時に、少し寂しさも感じたりはする。まあ、日頃のTwitterやnoteやラジオの反応の悪さを見ていれば、否が応でも認識せざるを得ないことではあるが。

ただ、この3つのイベントプロジェクトの主催に至っては、僕自身が認知が無いことにこそ意義がある。僕を目当てに参加する人が居ないからこそ、それぞれに設定したテーマに興味を持った人だけが集まる訳で、まさしく僕自身が求める客層に参加して頂くことにつながる気がしている。こうした「限定集客」をもってこそ、理想に近い方向に向かえるような。とはいえ、参加者ゼロばかりが続くのも、なかなかにしんどいので、いずれは、テーマに非常に詳しい方をゲストとしてお呼びしつつ、開催していければとも考えている。が、当面は、今のまま、どうなるか様子を見ていきたい。


「盗めるアート展」が話題となった。展示されるアート作品を盗むことが出来るということで、Twitter上でもバズった展示会だ。主催者側の想定と異なり、開始時刻の前から多くの客が集まり、時刻の前にオープンすると雪崩込むように人が会場内に入り、盗むというより「略奪」のような光景が繰り広げられたという。

「盗めるアート展」開始時刻前に一瞬で全作品が盗まれる【UPDATE】 | ハフポスト 


「盗めるアート展」の一部始終 200人がつめかけ、開始1分で10作品がすべて盗まれる | 文春オンライン 


こうした事態を主催者側としても想定はしていなかったという。

「盗めるアート展」を振り返って 


S_A_E - same 

”【盗めるアート展は終了しました】「盗めるアート展」にお越しいただいた皆様、ご協力いただいた皆様に、まずは御礼申し上げます。当日は予想を遥かに上回る数の方々にお集まりいただいたこともあり協議のうえ現場の混乱を避けるためオープン予定時間前に開場しなければなりませんでした。近隣住民の皆様や、予定時間にお越しいただいたにも関わらず作品を見ることができなかった方には心よりお詫び申し上げます。本展は本来このような混乱を招来することを意図して企画したものではなく、恥ずかしながら当日の顛末は予想できておりませんでした。メディア上で話題が広がった時点で適切な危機感を抱き展示の体制を見直すべきところでしたが、そこまでに至らなかったのはひとえに運営上の意識の甘さゆえといえます。この点は猛省し、今後の活動に生かして参ります。なお、当日の出品作品のアーカイブ画像は後日公開いたします。”

個人的には、「ブラックボックス展」の騒動を想起した。

「ブラックボックス展」とその騒動はなんだったのか? 主催者「なかのひとよ」に聞く|美術手帖 

どちらも主催側の準備の不手際も一因だが、主催側を一方的に断ずる気には決してなれない。悪いのはあくまで、略奪した人間であり、痴漢した人間である。ただ、そうした人間が参加する一因は「バズった」ことにあると思う。話題になったイベントに参加すること自体に目的を感じる人は確実に存在する。参加人数を稼ぐことによって、赤字を補填したり、スポンサーを付けるようなイベントや展示もあるにはあるが、2つの展示会はいずれも、参加費無料で、そこまで参加人数を防ぐ必要は無かったはずだ。にも関わらず、大々的に告知してしまった。大々的な告知をした時点で、多くの人が参加することを想定していなかったとは言えないだろう。

今までにも「バズった」ことによって、本来の目的とは異なる方向に向かってしまった展示会は数多くある。あいちトリエンナーレも、その一つだろう。アートというもの自体が、多様な見方・考え方を許容するものなので、それ異なる方向に向かうこと自体は致し方ない。しかし、今回の「盗めるアート展」については、「ブラックボックス展」をはじめ、過去の多くのバズったことによる展示会の失敗例は知っていたであろうからこそ、防げた事態だったのではないかとも思う。

楽しんだ人も居たそうなので数少ない救いだとは思うが、このコロナ禍に行う展示会としては、間違いなく適さない展示会だっただろう。

「盗めるアート展」は「奪えるアート展」に|ayaka nakamura|note 

毎日のように東京都で200人の新規感染者が出るような事態は想定していなかったのかもしれないが、あれだけの小さなスペースに、人が密集しうるような状況を作り出した時点であり得ないと思う。正直、7/17頃に悪い結果が出て来るのではないかとも危惧している。開催したこと自体を咎めることは出来ないが、良い大人が集まって、何をしているのだと呆れてはいる。これで展示自体が問題となって、再開が遅れたら、どう責任を取るのだろうか。

コロナ禍を経て、イベントがオンライン化することによって、かかる費用自体は抑えることが出来るようになっていると思う。そうした中で、今までのように、ただ集客人数を稼ぐことに意味があるのか、改めて再考したい。むしろ「限定集客」こそが、本来のイベント・催し事のあるべき姿だったのではないかとも思っている。