性善説と性悪説

ビッグモーターが盛り上がっている。
「新規オープン店舗の街路樹は枯れていない」みたいな記事もあってアホかと思うが、読者が求めているレベルも所詮その程度ということなのだろう。

社員も十把一絡げにその程度と言ってしまえばそれまでだが、生殺与奪を握られると人はかくも歪んでしまうというのを改めて実感したような気もする。
そうでなくても一般常識や正義や正しさというのは頼りないものだ。
経営者、医者、弁護士など、頭に「悪徳」を付けて呼ばれる立派な職業は枚挙に暇がない。

うちの会社はホワイトと呼ばれる部類だと思うが、大企業故に生殺与奪を握られているところはある。
採用サイトにはキラキラした活躍社員が紹介されているが、内側から見ると本音と建前もたいがいにしろという気になる。
さすがに不正で私腹を肥やす管理職や役員は居ないにせよ、偉い人たちは数字しか見ない、ややこしい話は聞かないというのは共通認識だ。
報告のために華美な資料を作ったり、ろくにできてもいないことをできましたというストーリーを作ったりしている。

それでも一定の倫理が保たれる理由は、ビッグモーターとの違いはなんだろうか?
上に立つ者の人間性の差もあるだろうが、サラリーマン社長と伝統的JTCの合議文化というのもあるだろう。
個々人の能力の高さ故に無茶苦茶とまではいかないKPIが設定され、多少の辻褄合わせはあるにせよ目標に到達できるのかもしれない。

ただそれも最近は相変わらずの竹槍根性論で無理が出てきている気がする。
無駄に年を取って醒めた目で見てしまうだけで、杞憂であれば良いが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?