見出し画像

2018年12月27日~2019年1月8日

12月27日

とにかく喉が痛い。舌も痛い。移植後は口内炎で大変になるとは言われていたけれど、どうやらついに始まったらしい。

少量でも食べるように心がけていた食事がままならなくなってきた。
口から食事をして胃腸を動かしていたほうが、移植後の回復が良いという話もあるので、なんと続けたい。

12月28日

弟が骨髄提供後の抜糸手術のついでに面会に来てくれた。

口内炎がどんどん酷くなってきているようで、舌と喉の痛みはかなり悪化。

弟、妻、主治医の先生、看護師さん、歯科の先生、1日中いろんな人が来たので、口が痛いのに沢山おしゃべりをしたせいか、一人になったら疲れが一気に出てしまい、盛大に吐いてしまった。

誰かが来れば少しの時間でも気持ちが上向くけど、一人になると途端に反動が来て、せっかく上向いた気持ちが下がってしまう。
一人になっても継続してほしい。

12月29日

昨日喋り疲れて吐いてというのが悪かったのか、体調がかなり悪くなってしまった。

昼にコントミンという薬を投与してもらった。
精神安定剤の一種だけど、吐き気を抑制する効果もあるらしく、造血幹細胞移植後の患者にはポピュラーな薬剤っぽい。

吐き気が収まり休んだら、少し楽になり空腹を感じたので、コーラを飲んでみた。
看護師さんからは、口内炎があるのに大丈夫か?と心配されたけど、少しピリッとしたが、耐えられない痛みではなかった。

トレイルランニングをかじっていたので、プロのトレイルランナーといえば、100マイルレースでエイドにある飲み物といえばコーラという映像が出てきて、病気との戦いを100マイルレースに例えてみる。

さっぱりして糖分も補給できたし、気分は良かったし。

夜はビスケットとゼリーのみ。
完全に軽食だけど、それでも食べられたから良しとする。

12月30日

いろんな場所の痛みがひどくなった。

特に喉がめちゃくちゃ痛い。
喋るのもだんだんしんどくなってきた。

熱も連日のように出るし、ほとんどベッドから動けない。
下痢もひどくなって、お尻も痛くて、もう大変。

12月31日

朝から熱。
体調はかなり悪いし、痛みもどんどん増す。

痛み止めに医療用麻薬を使い始めていたが、痛い時間が多いので、だんだんと量も増えてきた。
しんどい日々だけど、医療用麻薬は投与後の吐き気に慣れさえすれば、うまく使えば痛みはかなり軽減できる。
ただ効いてくると意識が朦朧とするので、あらがわずに眠ることにする。

声を出すのが難しくなったので、筆談用に「せんせい」を支給された。
子供の時に使った、書いて消せる、磁石と砂鉄のアレ。
病棟に用意されているってことは、移植で声が出せないことがスタンダードなのだろう。

1月1日

あけましておめでとう!とは素直に喜べないお正月。

高熱に悩まされる毎日。38度台が朝晩必ず出ていて苦しい日が続く。

1月2日

今日も高熱。
38度台から下がることなく、喉もすごく痛くて、唾を飲むのもしんどい。

昨年の1月2日は恒例行事にしていた、お正月走り初めセルフマラソンと称して、13㎞を余裕で走っていたことをSNSが通知してきた。

今は歩くのすらしんどい。改めてとんでもない病気になってしまったものだ。2020年は走れるようになれる可能性はあるのかな。

横になってTVを見るしか出来ないので、TVをつけたらやっていた下町ロケットをずーっと見ていた。

原作から好きな下町ロケットは、TVドラマになってもやっぱり面白かった。仕事したいなぁ。

1月3日

高熱38度はまだ続く。喉が非常に痛い。今日は半分以上寝て過ごした。だるさも凄かった。
痛みを軽減するため麻薬の量も増やして対応。生着までもう少しだと思いたい。

1月4日

相変わらず朝から38度台。
喉の痛みは変わらず、舌も痛い。
ただ、急に下肢が凄く浮腫みだしたので、生着の兆しが出ているという主治医の先生の話。

夕方に説明があり、ほぼゼロだった白血球が70まで上がってきたとのこと。
調子は少しずつ上向いてくるはずとのことだが、心臓にたまる水が危険だからとのことで、利尿剤を使いながら体内水分量を調整していきたいと言われた。

心臓に水が溜まるとかどういうことなんだろう?
読み合わせした資料に載っていなかったことや、知らなかった症状が出てくるので、無菌室の中は本当に怖い。

今のところ、看護師さんの話しぶりから、危ない要素は少なそうだけど。

1月5日

とにかく喉の痛みと舌の痛みがきつい。

白血球は130まで上がってきた。
多分生着に向けて、血球回復始まったのとのこと。
痛みさえ耐えれば食事はだいぶ取れるようになってきた。

消化器官、特に胃が動かせると人間らしさが戻ってきて精神的に良い。
栄養剤の点滴があるから体は維持できても、点滴だけでの生活は人間らしさが失われる感じがする。

1月6日

病気の記録として書き始めた日記は、人生で初めてかなり埋めている。
仕事用の手帳は仕事の記録として書いてきたけれども、今は完全に闘病記に変わっていて、大事な自分の記録集となっている。

数日変わらず38度台の熱が続く。おでこに当てるバンドアイスノンが手放せない。

1月7日

白血球320まで上昇。
だけど喉は変わらず痛い。飲み込みにくくて本当しんどい。食事は毎食戦いだ。

それでも痛みの質は変わった気がする。白血球が傷を塞ぎ、そこが腫れてきているイメージ。

少し前は、開いた傷口・穴が全くふさがらず、めちゃくちゃしみて痛い感じだったから、少しでも前進したと思う。

この腫れが引けば、きっと熱も少し下がって飲み込みもしやすくなるのではと思う。
感覚的には、あと数日の感じはする。

1月8日

今朝も熱と喉の痛みで悩まされる。

白血球の上昇、生着反応のようで浮腫みが酷い。体重が大幅に増えて利尿剤の指示が出た。

身体全体が重たい感じ。熱は少し下がって夕方まで37度台。
ずっと体が重たい一日だった。

生着による発熱っぽいので、今までのように抗生剤の点滴では緩和効果が出ないようだ。

熱でしんどいのは変わらないけど、今日の熱は良い意味での発熱っていう風に捉えておこう。

続く。

お読みいただきありがとうございます。サポートもスキをぽちっとしていただくだけでも、どちらも療養生活での励みになります。よろしくお願いします!