【ラリーガ24-25全マッチレビュー】第4節
ラリーガ4節全部見た。
①バルサ 7-0 バジャドリード
●洗礼
8/31
モンジュイック
バルサ 7-0 バジャドリード
【バルサ】’20 ’64 ’72 ハフィーニャ ’24 レヴァンドフスキ ’45+2 クンデ ’82 ダニ・オルモ ’85 フェラン・トーレス
唯一開幕3連勝のバルサはホームに昇格組のバジャドリードを迎える。そのバジャドリードはここまで4ポイント。4節までに昇格組2つとのホームゲームとマドリー&バルサとのアウェーゲームが終わるという極端な日程。
4分にヤマルからファーポケットへのクロスで最後はダニ・オルモに決定機。10分にもハフィーニャの強烈なミドルシュートがダニ・オルモの前の転がったがオフサイド。バジャドリードは完全撤退したマドリー戦とは異なりラウル・モロをなるべく高い位置に残したい配置。右のイバン・サンチェスがバルデについて落ちていく中で、簡単には配球できないように最終ラインにも圧力をかけていく。バルサはそれを見透かしたようにクンデが高い位置を取る事で結果的にダニ・オルモ周辺を浮かせていた。そんな中で20分にハフィーニャ、24分にレヴァンドフスキが単発の裏抜けで2点。出し手の前向きに反応するランニングを見逃さない。こうなるとなかなか止められない。
前から圧力をかけたいバジャドリードの狙いを外したのは間違いなくダニ・オルモで、パスレシーブがあまりにも上手い。これでバジャドリードは押し込まれた。
相変わらずアマラーのわけのわからないボールキープなどを軸にどれとなく陣地を回復していくバジャドリードだがクンデ相手でも五分五分の勝負ができるラウル・モロは可能性を感じた。しかし前半ロスタイムにCKからクンデが決めて3点目。勝負あった。
バジャドリードからすると早めに2点差になってしまってはゲームプランが失敗に終わってしまう。この日は仕方なかった。無慈悲なバルサは後半にもハフィーニャが2点加えてハットトリック。5点目はヤマルの超絶スルーパスが飛び出した。82分にダニ・オルモまで決めて6点目。あまりにも無慈悲。まだまだ元気なハフィーニャは良いランニングでフェラン・トーレスのゴールをアシストする。7-0の大勝となった。
●ピックアップ選手
ダニ・オルモ(バルサ)
超絶コントロールを連発してバジャドリードの守備を機能不全にした。キープレイヤーになりそう。
②アトレティック 0-1 アトレティコ
●非保持とカウンター
8/31
サン・マメス
アトレティック 0-1 アトレティコ
【アトレティコ】’90+2 コレア
単品レビューはこちら
●ピックアップ選手
ロビン・ル・ノルマン(アトレティコ)
チームの3試合連続クリーンシートに貢献。アトレティコのCBになってきた。
③エスパニョール 2-1 ラージョ
●初得点と初勝利
8/31
ステージ・フロント・スタジアム
エスパニョール 2-1 ラージョ
【エスパニョール】'8 カルロス・ロメロ '90+7 ベリス
【ラージョ】'4 アルバロ・ガルシア
唯一3試合無得点の昇格組エスパニョールはホームでラージョとの試合。気合を入れ直した雰囲気があり、モチベーション高く試合に入った様子だったが4分、衝撃的なライン間の緩さで簡単に失点する。アルバロ・ガルシアが今季初得点。
ライン間が緩いとなればエンバルバの仕事場があるという事で、ラージョは簡単にボールを引き出して攻撃を開始するが8分、カメージョがボールを失うとカウンターでムミンが背中を取られてカレーラス→カルロス・ロメロで同点。ようやくエスパニョールの今季のチーム初得点が来た。タイミングも最高。
これでお互い縦に速い展開になる。11分にもアルバロ・ガルシアからデフルートスへのスルーパスで決定機。この辺の両翼のシンプルなスピードはラージョの強み。たぶんエスパニョールも速い方がやりやすそう。繊細さがないので。
エスパニョールは前節のアトレティコ戦の5-3-2と違い4-4-2で試合に入っているが、1stラインをあまりにも簡単に越えられすぎており厳しそうな様子。ラージョの異次元の詰めの甘さに助けられているがペースを主導する事はできなかった。ラージョは縦パスが好き放題刺さる環境に自分達でびっくりしてしまった様子。ラストサードで誰も息が合わない。
35分頃にラージョはPA内の接触で怪我をしたエスピノに替わってチャバリア。ちょっと心配。
エスパニョールは後半からアグアドとイルヴィン・カルドナ投入。エスパニョールはショートパス、ラージョはロングパス中心の展開となり、やっと試合が落ち着く。59分にラージョはアルバロ・ガルシアが得意の突破で左サイドを切り裂いてカメージョにプレゼントパスを届けるがエスパニョールのゴール前が集中していた。このチームはゴール前が固い。62分にCKのセカンドチャンスをルジュンがボレーで強振。ジャストミートしたが惜しくもクロスバーに直撃した。あくまでも3ポイント目標のラージョがイシとバリウ投入でもう一度ペースを掴みに行く意向。
71分にエスパニョールはついにプアドを下げる。シェディラ投入。ラージョはエンテカとパテ・シス。球際バトル上等なメンバーに変えていき、セットプレーを中心にラージョがチャンスを作っていくがなかなか決まらない。エスパニョールはエンバルバと交錯したカレロが負傷交代するなど流れが来ないまま。
それでもホームチームはラージョのCKを跳ね返したカウンターでお前そんな速かったんかというスピードで抜け出したイルヴィン・カルドナがとんでもない外し方をするが、セカンドチャンスによく走ったアレホ・ベリスが待ちに待った初ゴール。めげずに最後まで走ったご褒美が最高の形で訪れた。
●ピックアップ選手
フロリアン・ルジュン(ラージョ)
ロングボールの出し手になり、セットプレーの的になり。存在感を発揮したが勝利は近いようで遠かった。
④バレンシア 1-1 ビジャレアル
●撃ち合い
8/31
エスタディオ・デ・メスタージャ
バレンシア 1-1 ビジャレアル
【バレンシア】'24 ウーゴ・ドゥーロ
【ビジャレアル】'45+3 アヨセ・ペレス
未勝利のホームバレンシアはルイス・リオハが連続先発。アラベス以外でプレーするイメージが湧かなかったがちゃんと馴染んでいます。
ビジャレアルはコメサニャがバエナのタスク。そしてアヨセ・ペレスがかなり横移動するのでかなり非対称になる。一応4-4-2なのかな。
バレンシアが24分にCKから先制。なぜウーゴ・ドゥーロの前にはボールが転がってくるのでしょう。上手く合わせた。
ビジャレアルはビルドアップ構築中という感じがすごい。特に初先発になったCBローガン・コスタはパレホが何者なのかもわかっていなそうなプレー選択が目立った。逆にバレンシアはアンドレ・アルメイダがいる事で縦パス一本で局面を解決できる機会もあり、望み通りのペースを握っていった。
しかしビジャレアルが前半のうちに同点弾。ゲイェからコメサニャに縦パスが入りダイレクトフリックした先のアヨセ・ペレスがさすがのフィニッシュ。こういうのを決めるために移籍してきたとも言える。ママルダシュヴィリはノーチャンスだった。
後半からビジャレアルはパレホに替えてイリアス・アコーマック。ピノを左に動かした。ピノの登場で大外で所在なさげにしていたセルジ・カルドナが攻撃に関与を始めたのは良い点。
バレンシアはアルメイダのピンポイントクロスにウーゴ・ドゥーロが飛び出すチャンス、ビジャレアルはイリアスがPA内へ侵入してチャンス演出など両者良いところが出た後半。60分過ぎから試合を決めようと前プレに行くビジャレアルと、それを簡単に外すバレンシアの構図となっていく。
68分にそのトランジションでパプ・ゲイェが2枚目の警告で退場。この日かなり良かっただけに残念。でも完全に後ろからいっちゃったね。バレンシアはこのプレーの前から用意していたラファ・ミルとフルキエを入れてダイレクトアタックへシフト。ビジャレアルはピノを下げてテラッツを入れて修復に動く。
交代して最初のプレーでフルキエがポケットを取って最後はリオハがフリーで左足を振ったがポスト。ホームチームが畳み掛けに入る。
77分にビジャレアルはスペインに帰ってきたベルナト投入。バレンシアはシュートの雨霰を浴びせたがコンデの好セーブもありビジャレアルが無敗を守った。双方よく攻めた良い試合。バレンシアは未勝利が続くがようやく初の勝ち点。全然慌てるような内容ではないがこの後はアトレティコ、ジローナ戦と厳しい日程が続く。
●ピックアップ選手
パプ・ゲイェ(ビジャレアル)
鋭い縦パスを連発してバレンシアを嫌がらせた。トランジションのキーマンだったが退場。ただし役割は明確だった。
⑤レガネス 0-1 マジョルカ
●互いに仕留めきれず
8/31
エスタディオ・ムニシパル・デ・ブタルケ
レガネス 0-1 マジョルカ
【マジョルカ】'43 ダニ・ロドリゲス
ホームのレガネスはミッドウィークから7人入替。ごっそり替えた。それだけ起用できる選手が多いのは凄い。昇格クラブなのに。
マジョルカは背番号30のマルク・ドメネクが初スタメン。18歳。
3分、早速トニ・ラトのクロスにニアで合わせた浅野のシュートはバーに当たる。
その後はどちらも抜け出せればチャンス、抜け出されるとピンチになるので中盤の肉弾戦が強調されていったのは必然。
割とマジョルカがビルドアップを模索する展開だったがレガネスは撤退守備に自信がある様子。ただ、ボールを奪ってもカウンターの選択肢がないのは気になる点。マジョルカは縦パス一本で浅野がとんでもないコントロールを決めてシュートまでいくなど。
マジョルカは前半のうちにマフェオが怪我をして代わりにアントニオ・サンチェスがSBをやる。43分に左サイドでドメネクが仕掛け、気合いで外側を追い越したラトのクラスでマジョルカが先制。ムリキが競り勝って折り返しをダニ・ロドリゲスが触った。理想的なサイド攻撃。2試合無得点が続いたマジョルカだったが、先制して前半を終えた。
勝ち点を求めるホームのレガネスは後半から早速3枚交代。フランケサ、ネヨウ、フアン・クルスを入れる。こっちがレギュラースカッドなんだね。57分にセイドゥバ・シセとロジェを入れて交代枠を使い切った。その後ミゲル・デラフエンテも出てきたから誰かが脳震盪系の交代だったのかもしれないがよくわからなかった。マジョルカはロベルト・ナバーロが移籍後初出場。
レガネスは徐々に敵陣でプレーする機会を増やし、フアン・クルスの仕掛けを中心に可能性を見せる。マジョルカは陣地を奪回する手段を持てず、コペテを入れて後ろ5枚。どうせビルドアップを止められないならさっさと撤退した方が良いのでこれは良い判断だったと思う。結局最後までしぶとく逃げ切りマジョルカが今季初勝利。4試合5ポイントは期待以上でしょう。
レガネスは後半、ラッシュをかけて可能性を示す事はできた。特にイバン・ネヨウとセイドゥバ・シセが入ってからはピッチ中央を支配して優位を生んだ。フアン・クルスも信頼を得て自信を持ってプレーする。後半のメンツでやれれば勝ち点は取れそうだなという印象で、そう考えると過密日程は敵かもしれない。あとはストライカー。
●ピックアップ選手
イバン・ネヨウ(レガネス)
ピッチに入ってから試合の景色を変えた。中盤中央で幅を利かせる。
⑥アラベス 2-0 ラス・パルマス
●完成度の差は雲泥
9/1
エスタディオ・デ・メンディソローサ
アラベス 2-0 ラス・パルマス
【アラベス】'8 カルロス・ビセンテ '78 トニ・マルティネス
ボールを持つラス・パルマスを構えて待つアラベスの構図。ラス・パルマスはヴィティが右WGへ移動していくなどいくつかの工夫をしながらマクバーニーのレイオフで中央で前向きを作るだのと準備は感じたが、今やアラベスの4-4-2は大外を質で破られる以外はだいたいの事に対応できるクオリティである。普通に待ち構えて普通に奪い、敵陣の再奪回で陣地を回復していく手段がチーム全体で共有された。8分に中盤でボールを奪って左サイドからカウンター。一つ前の似たプレーで大外を駆け上がったマヌ・サンチェスを使ったパターンがフリになり、ストイチコフのアーリークロスに大外から飛び込んだカルロス・ビセンテのゴラッソで先制に成功する。
一方ラス・パルマスは15分にハイメ・マタの一発裏抜けで決定機を作るがシベラが立ちはだかる。こういうのを期待されてラス・パルマスに来たんだろうな、ハイメ・マタは。
アラベスは38分に右からクロスを上げてストイチコフが競り、ファーで待っていたコネクニーの見事なフィニッシュ。上手かったがギリギリオフサイドだった。追加点は奪えなかったとはいえ理想的な前半を過ごした。
後半。ラス・パルマスはアルベルト・モレイロを入れて突破口を探す。アラベスは保持を推し進めるためというよりシンプルに非保持の時間を減らす目的っぽいボール保持を開始。CBが大きく開いてグリディが落ちてきた。ラス・パルマスがたまに酷い前プレをするので誘い込んでいる感じもある。無駄な時間を過ごしたラス・パルマスは58分にようやくマルヴィン・パークとサンドロ・ラミレス投入。
カルロス・ビセンテを中心に球際でホームアドバンテージを活かしまくるアラベスは78分にポルトから来た頑張るマン、トニ・マルティネスのスーパーミドルが突き刺さり待ちに待った2点目。試合を決めた。ロスタイムにはPKをゲットするが外しそうすぎる雰囲気だったルカ・ロメロが思いっきり外した。もう蹴る事はなさそう。
後半のラス・パルマスは71分にアルベルト・モレイロが単品で侵入した場面以外は特になし。ボールを握り倒せるでもなくソリッドにゴールに向かえるでもなく普通に負け。考え直した方がいい。
●ピックアップ選手
カルロス・ビセンテ(アラベス)
先制点はゴラッソ。その後も守備に攻撃に走り回り、後半はアルベルト・モレイロに喧嘩を売る役割。見事完遂した。
⑦オサスナ 3-2 セルタ
●安定していく
9/1
エル・サダル
オサスナ 3-2 セルタ
【オサスナ】’21 ボヨモ ’45 OG(カルロス・ドミンゲス) ’62 ブレトーネス
【セルタ】’29 ボルハ・イグレシアス ’90+1 OG(モイ・ゴメス)
オサスナは期限ギリギリにバジャドリードから獲得したCBボヨモがスタメン。セルタはミンゲサが右、ウーゴ・アルバレスが左でした。ウーゴ・アルバレスの守備力はあまりわからないがサラゴサがいる側のサイドにミンゲサがいるのはプラスなんだかマイナスなんだか。
互いに調子が良さそうなボール保持を作る。特にオサスナは開幕早々に4-2-3-1ではなくルーカス・トロのアンカーに切り替えて良くなった。
セルタはこの日も常に背後を狙いながら手前を出し入れしていたが、ボヨモの入ったオサスナの最終ラインが我慢していた。11分にミンゲサ→ボルハ・イグレシアスで決定機を迎えたがセルヒオ・エレーラの仕事。
オサスナは21分にセットプレーにルベン・ガルシアが合わせて最後はボヨモが決める色んな意味で理想的な先制点。
しかし29分にセルタが追いつく。ミンゲサが意味不明な股抜きで侵入してパーフェクトクロス。ボルハ・イグレシアスの2戦連発をお膳立てした。
さてオサスナはどのように2点目を目指すのかという中、セルタが低く構える限り選択肢が少なく感じたが45分にブライアン・サラゴサの鋭いクロスがカルロス・ドミンゲスに当たってオウンゴールを誘った。良いボールだったね。
セルタは比較的オサスナの保持を許容しつつ、この日のオサスナ最終ラインを追い掛けてもあまりボールが取れそうではなかった事もあり、どこまで希望通りの展開に出来ているのかな、という感じ。モリバは守備はともかくビルドアップの貢献は少なめ。
後半、セルタは人を替えながら同点ゴールを目指したが62分にカウンターでブレトーネスが抜け出してオサスナの3点目。良いカウンター。
セルタは後半から出てきたアルフォンソ・ゴンザレスがクオリティ不足だった上に退場していなくなりゲームセット。なかなかこのレベルでは厳しそう。
最後はオサスナがへなちょこオウンゴールをしたが逃げ切り。理想的な勝利となった。セルタは開幕連勝後の連敗。10得点に9失点とジェットコースターのような日々を過ごす。
●ピックアップ選手
エンゾ・ボヨモ(オサスナ)
移籍後初出場。そして初ゴール。強度とハイライン維持に貢献した。重要な存在になれる。
⑧セビージャ 0-2 ジローナ
●確信を持っていくのは
9/1
ラモン・サンチェス・ピスファン
セビージャ 0-2 ジローナ
【ジローナ】’41 イバン・マルティン ’73 アベル・ルイス
共に1分1敗からスタートしたシーズン。ジローナは3節でオサスナに4-0と"らしい"勝ち方をして初勝利。一方セビージャはマジョルカにも勝ち切れずピスファンに帰ってきた。左SBバレンティン・バルコは初見。
どちらもボールをしっかり持ててしっかり守れる。そんな事よりセビージャはボールを奪うとルケバキオとイサク・ロメロがあまりにも速く2人でゴールまでいける。これにいちいちついていくフアンルは凄い。そして悩める子羊ことイサク・ロメロがとことんシュートを外す。枠には飛ぶんだが。この辺の殻を破れるといよいよ本格化なんだがまだ先は長そう。ラストパスの感覚もあまり味方と合わない。それと構築に関わろうとすると役に立たない。この辺がトップ昇格が遅くなった原因なんだなぁとしみじみしてしまう。
ジローナはどこに説得力を持たせるかだが、ラストサードの崩しがうまくいかない中で何故かブライアン・ヒルをフリーをしてもらい41分に左サイドを突破。不意に先制した。
ジローナの守備はどこまでも怪しく、フランセスがエジュケを空けて守るので43分にはワンツーで侵入して決められるが、オフサイドに救われた。
ジローナは後半、ビジャレアルから移籍してきたダンジュマを投入。左に入った。58分にはアスプリージャも出てくる。WGじゃないんですねこの選手は。良いFKを蹴っていました。手癖は悪そうです。
さてジローナの選手が入れ替わる中で何も変わらないセビージャは徐々に元気を失っていった。多分ピミエンタはこういう中での工夫を選手に求めてると思うし、工夫できる選手は誰なのかを見ているんだと思うんだが。何も変わらなかったのでヘスス・ナバスが出てくる。ペケ・フェルナンデスを入れて2トップに変更。しかしセットプレーでシュートがイサク・ロメロの手に当たってPK献上。これで0-2に。現状のセビージャに2点返すパワーはなく、観客も帰り始めた。
セビージャはまだまだ手探り感が強く、ピミエンタも自信を持ってスタメンを送り出している感はない。代表戦明けのヘタフェ戦は注目。
ジローナは新加入選手のダンジュマ、アスプリージャ辺りの組み込みが完成した様子。次のバルサ戦は資金石になる。
●ピックアップ選手
ブライアン・ヒル(ジローナ)
相変わらずプレー選択が終わっていて特に右にいると3タッチくらいで無理やり身体を内側に向けてシュートを打つフリをしてから他の選択肢を考え始めるパターンしか持っておらず、どう考えても味方はイライラしているが縦に持ち出すスピードだけは本物。先制点を生んだ。
⑨ヘタフェ 0-0 ソシエダ
●逆転現象
9/1
コリセウム
ヘタフェ 0-0 ソシエダ
ミッドウィークのベティス戦がECLプレーオフの影響で延期になったヘタフェはホームゲーム。新加入のユルドゥルムをスタメン起用する。彼がトップになり、ウチェはスビメンディのマークを担当した。スベルディアをわざと空けて、彼がボールを離した次を狙う形でソシエダのビルドアップを牽制した。ソシエダは相変わらずビルドアップに工夫がなく、「上手いから進めます」を止められると特に何もないのはここ1,2年ずっとそう。CBからサディーク目掛けて割と蹴っていた狙いは知らん。それでどうにかなると思っていたならもはや面白い。16分にはセルヒオ・ゴメスのこれしかなさそうなGK-CB間のクロスにサディークがQBK。諸々上手くいっていない。
一方のヘタフェは高い位置でボールを奪ってもカルレス・ペレスとアレックス・ソラではなかなかゴールには直結せず、やはりストライカーは必要。ただなんとなくウチェから大外に展開して右のカルレス・ペレスとフアン・イグレシアスから放り込む形はどうにか作れていた。得点になる気はしてこないがセカンドボールを拾ってファールをもらうくらいのところまでは進めていた感じ。ウチェはなんだかボールの扱いも落ち着いてきた。
前半25分にブライス・メンデスにアクシデントで交代。試合後の報告によると指の骨折とのこと。はっきり言って彼がいないと今のこのチームは終わりである。差分を作るとしたらスビメンディのサリーだが、やらないのは何かあるんでしょう。あるんでしょうか。
ソシエダは後半頭からスベルディア→ジョン・マルティンを交代。ヘタフェはそもそも失点する気配がなく、1ポイントではなく3ポイントを狙う気配が出てくる。
ソシエダは全くボールが繋がらず全然解決策もなさそうだったのに60分に普通に久保が下がっていった。疲れているんでしょうか。
その直後に後ろ向きでボールを蹴り上げた際にアマリ・トラオレが膝を痛める。試合後の報告によると靭帯との事。復帰戦となるアイエン・ムニョスと交代。それと新加入のオスカルソンが出てきた。ちなみに何もしなかった。
ヘタフェは2試合連続のクリーンシートだが開幕3試合でまだ1ゴール。CKからウチェが決めたものだけ。ボルハ・マジョラル待ちと言えばそれまでだが、彼なしでも一つは得点手段を示したいところ。代表ウィーク明けに期待したい。
ソシエダは現状20チームで一番ビルドアップの狙いが不明。ヘタフェ相手に保持率47.2%は言い訳無用。意味不明。ソシエダの時間稼ぎにヘタフェが怒っていて身震いした。
●ピックアップ選手
ディエゴ・リコ(ヘタフェ)
過去2戦と比べると左から進む攻撃が増えて高い位置に出ていく機会が増えた。鉄板のパターンを作りたい。
⑩マドリー 2-0 ベティス
●目覚め
9/1
サンティアゴ・ベルナベウ
マドリー 2-0 ベティス
【マドリー】'67 ’75 エンバペ
ECLプレーオフを戦ってきたベティスはルイバルとフォルナルスが最前線。
マドリーはチュアメニがサリー。バルベルデとセバージョスの立ち位置を見てヴィニシウスが中央のスペースを使う。押し込んだその先がこの日もテーマとなる。まだ引き込んで擬似カウンターの方が得点の匂いがする。あとセットプレー。
ベティスはプロー周辺が空くので左から進む。まあサイドアタックである以上はFWの質の問題が付き纏う。後半からはロッキが出てくる事になる。
後半マドリーはヴィニシウスのサイドを強調。しかしサバリがなかなか粘り強く守り、逆にヴィニシウスをイラつかせていった。根気のいる作業だがどうにか頑張って守るしかない。トランジションはロドリとロッキが速いがどっちも"どうせシュート入らないでしょ"と思われている節があり、ミリトンを慌てさせるには至らなかった。
押し込むマドリーは67分にゴール正面でバルベルデがヒールでフリック。反応したエンバペがようやくプリメーラ初ゴール。73分にブラヒム・ディアスが中央を突破してヴィニシウスへ完璧なスルーパスを通してPKゲット。これもエンバペが決めて試合を決めた。
途中出場の選手もギラついていて気が抜けない。この日は特にブラヒム・ディアスが。今季はかなり調子が良さそう。
ベティスは開幕3試合(1試合未消化)で1ゴールのみ。ECLのプレーオフは無事に抜けたので休み明けから勝ち点を取っていきたい。
●ピックアップ選手
キリアン・エンバペ(マドリー)
待ち侘びた2ゴール。かなり仕組みにハマろうと気を使っている印象。
あっという間に4節終了。もうシーズンの10%が終わった。
上位にはすでに3強が固まる。ビジャレアルは意外。アラベスの躍進は嬉しいです。セルタとオサスナは乱高下が激しそうである。
昇格組3つはどれも"ちゃんとしている"。エスパニョールは得点力で苦しみそうだがレガネスとバジャドリードはすでに残留圏内の仕上がり。
厳しそうなのはラス・パルマス。こだわりから離れる方向性が間違っている様子と、新監督が何をしたいのかさっぱりわからない。
監督がさっぱりわからないのはソシエダも同じ。主力が複数抜けたと事と今の酷いサッカーはまた別の話。補強もほぼ外れ。ブライス・メンデスとアマリ・トラオレの離脱は決定打になり得る。どうやらオヤルサバルも代表で怪我したらしい。残留争いをしていても特に驚きはない。
代表ウィークが明けると欧州大会も始まる。例年以上に過密日程との戦いになっていく。
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