ヒーローを見逃すな 定点で見るアトレティコ・マドリー(2024/10.20〜11.10)
まとめていきましょうか。
前回の代表ウィーク明けからの期間(10月20日〜11月10日)を一括りにしてまとめます。気が向いたら毎回やります。理由はシーズンのまとめ記事書く時に一節から全部読み直す作業がしんどすぎて泣いちゃったからです。私は文章を読むのが特別遅いので。1万字の誤字脱字チェックに20分くらいかかるんですが。
●成績
期間中の成績はこちら。リンクから各試合のマッチレビューに飛べます。
CLでポット3のリールにホームで逆転負けし、ベティス相手には今季ラリーガ初黒星。ついでに初の無得点。
この10-11月ブロックのアトレティコは比較的楽なカレンダーであり、できれば遅れを取り戻す勢いが欲しかったが、出鼻を挫かれるように連敗。
ただしここで幸か不幸か国王杯の一回戦があり、新しい配置を思いっきりテストした。結果的にはこれがラス・パルマス戦とCLパリSG戦の勝利に繋がる。もしかすると今シーズンの転換点になるかもしれない変更であった。
●概況と構成
という事で概ねの流れを攫いつつ、トピックを詳細に見ていこう。
代表ウィーク明けの10節レガネス戦は毎度ながら南米組はできるだけベンチから。ジョレンテとアスピリクエタが離脱中の右サイドだけそうはいかず、モリーナがスタメンとなった。モリーナは代表戦を2試合フル出場してきているのでなかなか悩ましい。コレアはこの試合が今季のラリーガ初スタメン。
大きく変更したのは2点で、ビルドアップとネガトラを中心におさらいする。
ビルドアップは3-2-5を作る。キーになったのは2の左、コケの隣に入るハビ・ガランである。この試合はガランにとって起用の転換機となった。
内外どちらに立っても問題なくボールを捌ける能力がチームに必要とされていた。左SBを争うヘイニウドが内外どっちに立ってもボールに触らない方が良い選手なのでこれはシメオネとしても助かった部分。ほっとした事でしょう。ハンツコ選手、僕はずっと待ってます。
この日の配置が明らかにしているように、ハビ・ガランは5-3-2のWBなどで大外レーンを独占するタスクが上手くない。
前にWGがいた方が良い仕事ができる選手で、リーノやリケルメと同時起用する事が現実的であり、そうなると当然、ハビ・ガラン自身は後方に残って守備で貢献できないと居場所はない。
そこで自らの居場所を指し示したのはネガティブトランジション。コケの隣に留まり、強烈なボールアタックで相手のカウンターの芽を摘む作業を担当した。ファイター。
前方にWGを必要とする4-4-2の左SB専任でありながら、3-2-5の2も3も対応できる事が、ここからのアトレティコの配置変更の軸となりハビ・ガランは欠かす事のできない戦力になっていく。
CLリール戦はスルロットが訳のわからない本数のシュートを外し、デ・パウルの頭のネジが外れていて審判のジャッジにも文句を言いたい試合だったので一連の流れからは割愛する。逆さにして振ってもあんまり何も出てこない。個人的にはどうせCLは8位以内には入れないだろうからラリーガでこういう試合をするよりはCLで良かったとさえ思う。ただプレーオフはリールと当たりたいね。
リール戦、ベティス戦に共通して言えた事は敵陣でのプレーが良くなかったという事で、次なる改善点はここになる。
ただしベティス戦の後半から投入されたハビ・ガランは、3CBの左のポジションからでも攻撃を活性化させる事ができて、次の戦略の方向性が見えた試合だった。ここでもハビ・ガラン。ちなみにベティス戦で復帰したルマルは続く国王杯ヴィック戦で内転筋を痛めて離脱している。
その国王杯一回戦のヴィック戦。6部相当のクラブ。ここでテストした最大の変化は4バックの右、モリーナを最終ラインのビルドアップに含める事。
左大外がヘイニウドでどうすんねんという話ではあるが、この試合でテストすべきはそんな事よりもモリーナだったという事が、その後の試合を見ているとわかる。やはりサッカーは奥深く線で見る必要があるわけですね。
もう一つ、この試合で転機となったのはジュリアーノ・シメオネの右SH起用。10節レガネス戦でグリーズマンの決勝ゴールをアシストし、同時に問題なく守備対応ができる事をアピールしていた。満を持して周りを納得させての今季2度目のスタメン起用。しかも後半には5-3-2の右WBもテストできるというサポートの充実さ。息子だから充実サポートというよりそれだけ信用がなかった説を唱えたい。しかもこの試合のジュリアーノは最後まで走り続けPKゲットでチームの勝利も決めた。結果論だがモリーナの最終ラインテスト、2つのシステムでのジュリアーノのテストが完了した事を考えればヴィック戦は勝利よりも大きな物を掴んだ試合であった。ルマルは怪我したが。
手応えを掴んで迎えた12節ラス・パルマス戦。ここでバリオスとラングレが怪我から復帰している。手札が増えた中でヴィック戦でテストした4-4-2に、ハビ・ガランはWGとの同時起用が効果的という2点を実行に移した。
さらにバリオスの復帰でビルドアップに参加するMFはコケだけで十分。これによってグリーズマンは中盤との関わりよりも前線でアルバレスとのタスク分けを意識できるようになり、チームの重心が一つ高い位置に変化した。ちなみに言うとそこまで見越していたとはあまり思わない。
ビルドアップ隊に組替えされたモリーナは得意のプレス回避と質の高いロングボールで攻撃を活性化させ、ジュリアーノの足下にボールを渡すとゴール方向に侵入して新しい侵入の形を生んだ。彼は自分より前に味方選手が多くいる方が良いプレー選択ができるのでこの起用は大きくハマった。
前半の先制ゴールはそのモリーナ→ジュリアーノラインから生まれた。ジュリアーノはアトレティコトップチームで初ゴール。エモーショナルな瞬間だった。
さて、バリオスの登場により、ビルドアップでの欠点からベンチに追いやられたデ・パウルとギャラガーを後半から起用する。
こういう、すぐさま別の仕事を選手に与えるのはシメオネの起用の凄いところだ。おれもこの時点ではわかっていなかったので振り返った今ゾワゾワしている。そしてこの5-3-2への変更もまた、ヴィック戦でも十分にテストされているのである。凄いね。終盤には悩めるスルロットが気持ちの良いゴールを決めて2-0勝利。アシストしたのもリール戦でミスをしたデ・パウルだ。チームは気分良くパリへ向かった。
パリSG戦もラス・パルマス戦の設定を踏襲。
大きな違いは相手のレベルで、かなりボールを持たれる展開になった。アトレティコのボール保持率は28.7%。それはそもそも織り込み済で、後述するが守備組織もここ数戦の設定をなぞりつつ改善もあった。
最大の問題は追いかければボールが奪えたorGKに蹴らせる事ができたラス・パルマス戦と違い、ビルドアップに取り組まないと敵陣でプレーするのが難しい相手だった事。その取り組みを模索する中でラングレのボールロストから先制されるわけだが、ジュリアーノのサイドを進んでモリーナの攻撃参加という準備通りの形で同点に追いつき、勝ち点3を奪いに強気な選手交代を選択したシメオネに後押しされ後半ロスタイムにCKキャッチからのロングカウンターで仕留めた。決めたのはまたしてもコレア。4節アトレティック戦の決勝ゴール、8節マドリー戦の同点ゴール、そしてこの日と今季の3ゴールは全て途中出場で後半ロスタイム。あまりにも劇的な勝利となった。
週2試合続きで疲労が溜まりながら最後はアウェーのマジョルカ戦。マジョルカの守備がかなり良かった事もあって苦しんだが、後半にオブラクのパントキックでジュリアーノが抜け出し、アルバレスの決勝点をアシストした。またもやジュリアーノ。1-0で逃げ切り、公式戦4連勝で締め括った。
●トピックス
ここからは期間中のトピックスを詳細に見ていこう。
・最終ラインの構成
最終ラインの配員は4枚に変化。右のモリーナはこの期間唯一全試合にスタメン出場。
CBはヒメネス、ヴィツェル、ラングレから2人(ヴィック戦はコスティス)。
左SBはハビ・ガランとヘイニウドが併用された。ちなみに過去ハビ・ガランとヘイニウドの2人は同時にスタメン出場した事はない。
ラングレは9節のソシエダ戦がアトレティコデビューで、実はそれ以降負傷欠場した試合以外は全てスタメンで起用されている。ビルドアップの中心になれる且つパリSG戦のようにゴール前で勇敢に身体を投げ出して守れる選手。CKに合わせるのも上手い。一方でアジリティに劣り、ゴール方向にスピードを持って進んでくるアタッカーが苦手。そこで一発で足を出してイエローカードを貰うのが定番で、今季出場した試合ではパリSG戦以外の全ての試合でカードを貰っている。そのパリSG戦ではボールロストから失点しており、劇場型の選手である。
大きな変化点は両SB。ハビ・ガランがビルドアップの仕事ができるのでボールの循環を変える事ができた事。そしてモリーナが最終ラインの保持に関わり、大外の仕事をジュリアーノに渡した事。ハビ・ガランは試合終盤に5バックに変化した際の守備力含めて一瞬で欠かす事のできない戦力になり、モリーナはこの変化で逆に効果的な攻撃参加ができるようになった。ハビ・ガランはパリSG戦でデンベレを60分まで封じた事、モリーナはラス・パルマス戦でジュリアーノの初ゴールをアシストし、パリSG戦では自らCL初ゴールを決めるなど目に見える結果も出している。
・デ・パウルとギャラガー
守備を改善して敵陣でプレーしたいという取り組みの中で、「敵陣でプレーしたい」を実行できなかったギャラガー。案外苦手だった。CBからボールを引き取るのが上手くなく、ライン間でプレーしても相手DFを背負ってボールをもらうのが苦手。ヘイニウドのように相手の事を考えず爆弾を渡すタイプの選手が周囲にいるとなかなか連携が難しかった。守備強度は圧倒的で、笑ってしまうほどボールに強くぶつかれるのでニーズは必ずある。例えばバリオスの相棒としてだが、そこはコケがいる。さて、次のタスクは。
一方デ・パウルはラストサードのアイディア不足は今に始まった事ではなく、守備では今季も大穴を開けた。ただしいつの日も功罪ある選手で、ピンポイントのスルーパスを通せる、パスコースがなくてもボールを持って走り回る事でどうにかする、とんでもない強度で圧力をかける、など彼ならではの仕事もある。誰彼構わず喧嘩を吹っ掛けてペースを握るのもお手のもの。その能力は世界王者の中心だったわけで。特に強敵相手の方が生きるスキルは過去に証明済。使いようなのだ。さて、次のタスクは。
・左大外
4-4-2への変更。左SBのハビ・ガランの前に立つWGポジション。リーノとリケルメの運命は。
ハビ・ガランと協力して打開するならやや内側のポジションを取る必要があり、リーノはそこに苦しんでいる。彼は生真面目で責任感が強く考えすぎている気はする。別に「そこにいるだけで君は危険なんだぞ」と言いたくなる。悩みは主にシュート精度に出ている。
しかし途中出場だとより集中力を高められるタイプで、必ずチャンスを演出する。本当に生真面目。必ず殻を破ってもう一段階上の選手になれる時が来るはず。
リケルメは信頼を失いつつある。内側にいるグリーズマンにパスをぶち当てて突進し、リターンパスを貰う形を擦ろうとしているように見えるが成功したのを見た事がない。その上この形はボールの失い方が悪くなり再奪回が発動せずネガティブトランジションで後手に回る。それ以外でもボールの失い方があまりに軽く、じゃあカウンターの先頭走ってくださいと言ってもシュートを確実に外した。もうみんな外すと思ってる。決めれば誰も文句はないので精度、連続性。
・ジュリアーノ・シメオネ
見事にポジションを掴んだ。
ジョレンテが復帰すれば右サイドの一番手は彼になるが、アラベスでも左で起用されていたし、何より右のジョレンテ&モリーナからクロスが上がってくるなら本来ストライカーのジュリアーノを左に置く価値はある。
彼の良い所は走力と連続性。何度も何度も疲れる作業を繰り返す事ができる。だから守備も上手い。やれと言われた仕事を必ずやれる選手で、チームメイトも信頼している。
そして何より結果を出したという事実だ。この期間、間違いなくジュリアーノがチームを勝たせた。それをみんながわかってる。だから彼がピッチにいる事を期待している。ポジティブな雰囲気をチームにもたらした。それも彼の能力でしょう。怪我人が戻り、本当のポジション争いが始まる。
・失点パターン -ポケット管理-
この期間の失点を振り返る。
という事で、仕組みで防ぐ事ができそう、また防ぐべきだった失点はレガネス戦とベティス戦のポケット侵入。レガネス戦はポケットに飛び込むネヨウの対応をグリーズマンに期待する形、ベティス戦はデ・パウルが背中のスペースを使われて侵入された形。これは4-4-2で守る際のスタメンの人選と配員で十分に修正された。まずラス・パルマス戦。
目下2試合連続ゴール中だった左SBアレックス・ムニョスがモレイロとのコンビネーションで内側を使う形を画策。ここはジュリアーノが"頑張ってついていく"というソリューションで解決した。SHというのは頑張ってついていくものだ。こんな仕事をグリーズマンに期待するのは現実的ではないし、ついでにアルバレスが左で起用される試合があるが、彼にやらせる仕事でもないだろう。やれそうだけど。
パリSG戦は、相手のポジションチェンジやバグメイクが少なく、マーク担当を決めやすかった。モリーナがバルコラを。ジュリアーノはヌーノ・メンデスを。ハビ・ガランはデンベレを。ギャラガーはハキミを。相手選手の位置をベースに自分のポジショニングを決めれば良かったので苦労も少なかった。特にジュリアーノはSB(モリーナ)の目の前に帰ってきてヌーノ・メンデスにボールが入るとバルコラに渡すルートを牽制。あとはデ・パウルが前向きの守備をするサポートを行なっていった。彼は守備が上手い。
続いてマジョルカ戦。
高い位置を取る右SBマフェオの対応でリケルメが最終ラインに参加。電柱2トップ(ムリキ&ラリン)をDF3人(ヒメネス、ヴィツェル、ヘイニウド)で見張る仕組み上ライン間をフラつくロベルト・ナバーロを捕まえる事が難しかった。またもやグリーズマンが戻って守備する事を期待する形になりそう。
ここはバリオスとグリーズマンが左右を入れ替える事で解決。バリオスは便利である。元々便利な選手というよりは便利に扱えるように育てられている。コケもサウルもそうなのでこれは自前選手の通過儀礼である。ジュリアーノももはや便利な役割だし。このように失敗から学び修正されていった事がこの期間の守備の良かった点。公式戦4連勝に繋げている。
●総括
強敵もパリSGくらいなものでそんなに厳しくはないとされた期間。それでもベティスやマジョルカの状態が良く結局苦戦はした。ラリーガは簡単じゃない。
リール戦だけ諦めれば概ね期待する結果を得た期間で、その中でジュリアーノとハビ・ガランを新たなシステムに組み込んで成功し、ラングレがル・ノルマン不在を埋めて、モリーナが新しいタスクで結果を残した。得るものが非常に多い期間で、また新鮮味があって面白かった。
この期間の個人的なMVPは文句無しでジュリアーノ・シメオネである。マルコス・ジョレンテの離脱期間に新しいアタッカーが必要とされ、その穴を埋めるどころかレガネス戦でグリーズマンの決勝ゴールをアシスト、ヴィック戦で勝利に繋がるPKゲット、ラス・パルマス戦で先制ゴール、パリSG戦でモリーナの同点ゴールをアシスト、そしてマジョルカ戦ではオブラクのパントキックで独走し、アルバレスの決勝ゴールをアシストした。ほぼ全試合で得点に関与し、勝利に関与した。
自分がメトロポリターノのファンを煽るとどうなるかを良く知っている。自分がシメオネの息子である事さえ利用する狡猾さがあった。
ボールを持ってラストサードに侵入した時の判断の悪さが課題だが、この辺は付近にポジションするジョレンテやバリオスが口煩いタイプなので身体で覚えていくだろう。伸び代。スピードで振り切れる感じはあまりないが、70分過ぎになるとスタミナ差で抜いていくのは面白かった。
次点でハビ・ガラン。ビルドアップとネガトラに特徴を出せる事を猛アピールし、パリSG戦のクオリティで確信を得た。ラス・パルマス戦では単独の縦突破でチャンスメイクを連発。リーノとリケルメにどれだけ同じ仕事ができるだろうと思わせる働き。スルロットを中央に置いた試合でも見てみたい。
あとは与えられた役割を完璧にこなしたモリーナ、オブラク。そして中盤に関与する事で新しい味を出しながら期間中チームトップの4ゴールを決めたフリアン・アルバレス。いよいよレギュラー争いで一つ前に出た。
この期間シメオネのやりたかった事は4-4-2に回帰する事ではなかったはずだ。
ただ、ル・ノルマンとジョレンテがいない事で自然とCBは2人の起用となり、SBがビルドアップに参加できないと敵陣でプレーできないという悩みの中でハビ・ガランが結果を出し、モリーナに新しい役割を与えた。当初4-4-2ブロックでの守備は粗が目立ち、特にベティス戦は酷いもので前半45分で形を変えるに至った。左右のポケットに侵入されての失点はアトレティコらしくなく、4-4-2で戦う事が主題であるなら間違いなく整備してくるであろう箇所が放置されたままピッチに立っていた事が"4-4-2への拘り"とはかけ離れた。しかし大事な事はそれを修正しながら良化させた事。ジュリアーノとハビ・ガランを信頼して起用し、選手がそれに応えた事。
4枚でも5枚でも守れるのならそれに越した事はない。次のステージへ進む足掛かりになった。
冷たい事を言うとハビ・ガランの活躍はハビ・ガランがポジションを掴む事に繋がる以上にハビ・ガランの上位互換のような選手を獲得する必要を確信するケースだったと思う。サイズがあって上下動できる、ビルドアップ能力に優れた左利き。その結果立場が危うくなるのは、一体誰か。実はハビ・ガランじゃないかもね。
●全選手短評
この期間にトップチームで出場した全選手に一言。あまり長く話してもアレなので本当に一言。
GK
オブラク
特にパリSG戦は当たっており止めまくった。マジョルカ戦も同様。それも込みでオブラクなので意外ではないが様様。4バックになった事でSBに届けるミドルキックの重要度が増す。
ムッソ
人工芝で難しい試合だったヴィック戦に出場。出番はほぼなかった。
DF
ヒメネス
ラングレと組んだラス・パルマス戦とマジョルカ戦でいつ振りかもわからないくらい久しぶりに右に入ったが、右の方が良さそう。ファビオ・シウバを面白いほど完璧に止めた。
ラングレ
レガネス戦の不運な怪我(ヴィツェルにぶつかられた)で離脱したがラス・パルマス戦で復帰。まずチームの仕組みにいち早く溶け込んでいるのが良い所。今回のフェーズで言えば良い勝ち方をした試合にだけ出場しているので抜群に印象が良いのがズルい。カードを貰いすぎである。
モリーナ
後方のボール保持を変更するキーマンになった。先季から停滞感があったので彼自身良い気分転換でしょう。とにかく長い距離を永遠に走れる。シャトルランやばそう。それが得点に繋がっている実感を本人も感じているはず。
パリSG戦のセットプレーでマルキーニョスのマークをサボってコケに怒られた。平常運転。
ヴィツェル
相変わらずの疲れ知らずで本当に助かる。ビルドアップ改善の手助けをお願いしたい。マジョルカ戦ではハイボールの目測を見誤って死にかけた。
ハビ・ガラン
ほぼ戦力外の立場からシステム組換の要に。運命を変える一ヶ月を過ごした。思いっきりやってほしい。
ヘイニウド
ビルドアップで仕事ができない事など前々からわかっていた事。わざわざ再確認するまでもない。できる仕事に集中する事でパリSG戦ではチームを助けた。元々そういう選手。
コスティス
国王杯ヴィック戦で前半だけ出場。概ね無難だったがハイボール対応で一度ミスが。悪目立ちはした。
MF
ギャラガー
ビルドアップでなかなか苦しんだが練習で改善できそうな事も事実。圧倒的な守備力はCL級。徐々に役割が見えてきた。
デ・パウル
リール戦で失点に繋がる痛恨の判断ミス。ベティス戦ではポケットの管理を誤りこちらも失点に直結。ラス・パルマス戦ではホームで指笛も聞こえてきたがスルロットのゴールをアシストし、パリSG戦ではバルコラを封じる覚悟の守備を見せた。
コケ
リール戦では理解不能なPKジャッジ。守備一辺倒だったパリSG戦は後半途中に投入されると一気にボール保持を改善させた。
バリオス
いるだけでボール保持の仕組みごと変えてしまえるタレントだが、特に良かったのはパリSG戦。ボールを持てない試合でもピッチ中央で存在感を出せたのは成長。下手すぎるシュートをどうにかしてほしい。
ルマル
アキレス腱断裂から復帰し、ライン間ワークの活性化が期待されたがヴィック戦で内転筋を痛めて再離脱。
リーノ
珍しく得点関与なし。特にパフォーマンスが悪い印象はないが、改善ポイントが別の所にあって起用機会が少なかった印象。出番なしだったマジョルカ戦はスタメンで見たかった。
リケルメ
良くないスパイラルにハマっている。パフォーマンスが良かったのはジュリアーノと交代して右で使われたパリSG戦。いよいよアイデンティティが何なのかわからなくなった期間だった。仕切り直し。
セラーノ
ヴィック戦の前半に出場。手前でボールを受けるのが上手くビルドアップを循環させた。彼の問題は大きいボールの展開力だったりサイズが足りない事による守備力だったりするので、特に今後も改善される事はなさそうでこじんまりしてしまった印象。
FW
グリーズマン
得点はレガネス戦の決勝ゴールのみに留まった。ダイレクトプレーのミスが散見された時期で気分転換してほしい。パリSG戦などで流石の守備力を見せつつ、コレアの決勝ゴールをお膳立てした。
スルロット
リール戦の外したシュートの数をさっさと忘れさせてほしい。
そういう意味でもラス・パルマス戦で点が取れたのは良かった。ストライカーなんて調子乗ってるくらいでいい。
コレア
またロスタイムの決勝ゴールを決めて大きな勝利に貢献。タスクに忠実でいつもチームを助けている。
アルバレス
いよいよグリーズマンとの2トップが定着してきた。CLリール戦ではビルドアップのミスを攫って先制ゴール。ヴィック戦ではPK含む2ゴール。マジョルカ戦ではジュリアーノの抜け出しについていって決勝ゴール。マジョルカ戦は後半の構築関与が特に良かった。
ジュリアーノ
ジョレンテ不在の時期に一気にポジション争いに加わった。単品で抜け出すドリブルのキレはなくコンビネーションのアイディアも少ない選手だが、連続性と思い切りの良さで得点に関与してしまう。運命力を感じる選手。守備力も文句無しで、ジョレンテ復帰後は左での起用も見てみたい。