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自社の状態は定期的に俯瞰する

自社の見直し。今の状況が苦しいときに見直してみると意外なムダが発見できる、という話。

年末や年度末に行われる棚卸しなどの在庫管理。年に一度、会社の売り上げに対する原価の把握するために行うものだが、棚卸しに限らず、会社を俯瞰して現状を把握する作業は重要だ。

特に今の状況が苦しい会社は年に一度とは言わず、何度でも納得のいくまで現状把握に努めることをおすすめする。

財務の観点からあれこれ見る、といった難しいことではなく、今の状況での『これって本当に必要だっけ?』を洗い出すだけで結構ムダ経費は削減できる。削減できた経費はそのまま利益になる。売り上げで利益を出すのは難しいが、ムダな経費を削り利益を出すのは誰でもできるのではないだろうか。

そして経費を削る行為は簡単に実行できてしまうがゆえに削り過ぎには気を付けたい。その経費自体には会社を成長させるうえで必要なものが含まれていることも多いので取捨選択は吟味して行うようにしよう。

以前、自社でも経費の見直ししたところ格段に利益率がアップし、その年の経営が楽になった経緯があった。ところが楽になったのはその年だけのことで、削ってしまった経費の中には中長期的に利益に貢献するものまで含んでいたのだ。

次の年から出ていくお金は減ったものの、売り上げ自体が減少してしまう事態が起きたのだ。慌ててもう一度経費の内容を見直し、必要なものを補填したが、売り上げ自体が戻るのに数年の時間を要してしまった。

あとから出ていくお金と入るお金のバランスが重要なんだな、と反省もしたが削る経費も、新たに投入する経費もその会社独自の意思決定基準が必要だと痛感した。

今の状況が苦しい会社はやはりこの収支のバランスが崩れていることが多い。費用対効果の薄い(全く効果の出ていない)経費がそのままになっていることはないだろうか。貢献していない経費はただのムダだ。

その経費は売り上げにつながっているか?、その経費は社員のモチベーションを上げているか?などの貢献度を一度考えてみると新しい価値基準で経費の内容の組み換えをすることができる。

流れ的にはまずは現状把握する、体を軽くする、必要な栄養素を取り入れる、さらに効率よく走り出す、といったところだろうか。このとき極端に体を軽くするいわば過度なダイエットを敢行すると先ほどの自社の例のように体がもたなくなってしまう。

そして棚卸し的な経過観測、すなわち会社の健康診断は年に一度ではなく年に数回の頻度で行うことで急な悪化を引き起こすの前の予防につながってくのである。

年に一度の現状把握では予見できないことが多い。こまめに俯瞰して少しずつ自社の体調を整えていこう。


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