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集客が回りだすと自然発生するもの

仮説に基づいたアプローチで行動量を増やしていくと集まりだす顧客。その顧客が一定数を超えてくると生まれるのが、という話

昨日の投稿で集客にはとにかく行動が大事、というようなことを書いた。実践こそが集客力を磨く唯一の方法と言っても過言ではない。

そして実践に伴う空振りは大いに歓迎しよう。成果が出ないことに傷ついている暇はないのだ。超がつく程の集客のプロフェッショナルではないかぎり空振りはむしろ当たり前、初期の頃はバットに当たる感覚や試合の雰囲気がつかめれば良しとしていい。

それでもなお、打席に立ち続ければバットに球がかする日はそう遠くないだろう。

ある程度の試合数を重ねて自身のフォームが固まってきたころ、感覚としてどうしたらバットに球が当たるか、すなわちどうしたら対象顧客の反応が得られるかがつかめてくる。数十回に一回のまぐれが数回に一回の根拠のある当たりに変わってくる感覚は予感が実感に変わる瞬間でもある。

この実感のある予感の感覚というのが大事なのだ。やり続けた人間にしかわからない感覚だけに言語化するのがむずかしいが、同じ顧客の反応でも、明らかにこちらのアプローチが芯を捉えたのを感じる瞬間があるのだ。

おそらく実践している人はこの瞬間に思わず「これだ」と漏らすだろう。まあ、この実感も時々フェイクが混じっているのだが、予感の実感の感覚を知っているのはアドバンテージであることは間違いない。

ここまでくると、どこでアクセルを踏み込むべきかの判断がつく。いよいよ成果が雪だるま式に大きくなっていくフェーズに入るのだが、この時期には顧客の数こそ増えていくが、その内容にあまり気を取られる必要はない。ここでは全体のパイ、分母を増やすことに注力してなるべく多くの顧客の対応ができるように心がけよう。

そして顧客数がある程度増えたところで気が付くだろう。内容はマチマチだが多忙を極めている状態。この頃から利益率は別として売上げの増長によって、経営の危険水域は脱しているか、以前より不安な気持ちは身を潜めているのではないだろうか。

しかしながらこのパンク寸前の状態をいつまでも続けているわけにはいかない。次の段階では集まった顧客群を俯瞰して観察する。そうすると自然発生的に形成されているものが確認できると思う。

それは自社の顧客ピラミッド、顧客ヒエラルキーとでも表現しようか、一定数集まった顧客の中で重要度、つまり大きな利益をもたらす顧客順に順位ができているのだ。

相性や信頼関係の強さなども関係してくると思うが、自社と関わりのある顧客は全て同じレベルではない。昔から購入頻度や購入額の高い顧客を「太客」や「お得意様」などと表現して特別に扱うが、数年に一度少額の購入をする顧客と毎月高額な購入をする顧客の扱いが同じなわけはないのだ。

どの顧客に対しても道徳心のない品性に欠けるような対応をするのは商売人として失格だと思うが、いわゆる上客に対してさらに手厚い対応を施すのは商売上、自然なことなのだ。

何が言いたいかというと、ある程度顧客が集まった状態ではじめて優先順位を決めて対応するということ。「お客様をランク付けなんて!」と思うかもしれないがマーケティングの世界では常識的に使われている概念であるし、自社の商品で万人に幸せになってもらいたいと願うのはそれこそおこがましい考えではないかと私は思う。

上位の顧客にさらにリソースを投下する。そうすることで上客の満足度はさらに上がり、質の高い顧客の群れは高利益、高頻度と成長し会社の売上げの内容はどんどん良くなる。

口で言うほど簡単にはいかないと思うが、つまりはそういうことなのだ。大企業ならともかく、零細企業は少ない資源で利益を最大化させなければ生き残れない。マズローの5段階欲求ではないが、高次の欲求は自社が安定して利益を確保できるようになってから考えればよい。

弊社も含めて余裕のない会社は、まずは足元を固めることに全力で取り組むべき、その次のフェーズでもう少し目線の高い概念を取り込んでいきたいものだ。

優先度の配分も経営者の采配。蓄えた資源はしかるべきポイントに投下することで利益は増大する


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