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商売の場合、責任=お金というケースがかなりある

商売上、トラブルや失敗に対してのペナルティとして、代金の減額や返済、または謝礼金などの金銭解決を用いることが多い、という話

とある現場で小さな問題が発生した。弊社で請け負った工事に関して、改修を試みたのだが、仕上がりに少々問題があったのだ。

元々の不具合の解消を目的に改修工事を行ったのだが、工事後、その改修箇所に少し動作に違和感があり、それを解消するために施工を行った業者と三度目の改善処置を行った。

私より早く現地に到着していた元請業者と施工業者が話していた内容を、後日施工業者から聞いたのだが、施工前にどうやら元請業者からかなりのプレッシャーをかけられていたようなのだ。

「今回の処置で直せなかったら、どう責任を取るんだ」

元請業者が放った言葉だそうだ。
改修工事を行ったこちらにも落ち度はあったかもしれないが、客観的に見ても元の改修箇所は劣化もひどく、うまく改修するのは少しむずかしい仕事になるかと思っていた。それでも今回お願いした施工業者は、提携先の中でも群を抜いて技術があるところ。その技術を持ってしても起きてしまう不具合は年間のうち1度あるかないかの不運な現場だったと私的には思ってしまった。

それでも言い訳せず、粛々と作業にあたってくれている施工業者には頭が下がるが、その施工業者に私のいないタイミングで責任を取れとすごむのは、ちょっとお門違いかと思うのだ。

元請業者としては、発注元からクレームを言われているのかもしれないし、三度にわたる手直しがイラつくのかもしれない。しかしながら、このような事案は一定の確率で起こってしまうことも理解してほしいところ。

もしも、100%失敗をするなということであれば、申し訳ないがその取引先との仕事は今後請負うことはできないだろう。

後日耳した情報では、不具合が解消されないことで、工事代金をいただけていないという理由で元請業者はテンパっていたらしいのだが、こちらの落ち度も考慮して、請求金額を少し値引きすることでご納得いただいた。もちろん、三度目の処置で問題は解消されており、発注元には改めて請求をできることだろう。

その際、元請業者には値引きの旨、不手際の謝罪をしたうえで、今後意見があるのなら私に直接言うように注意をした。私からすれば、元請業者の変わりはいくらでもいるが、技術力があり、真摯な対応をしてくれる施工業者は他にはいないということもあり、優先度は格段に施工業者が上なのだ。

特に現場をまとめられない元請業者に関してはその後の仕事も思いやられるので、距離を置くことになるだろう。

どう責任を取るのか、ほとんどの場合は誠意としてお金を工面するという落としどころになることが多い。賄賂などということではなく、あくまでもこちらの謝罪の気持ちをお金であらわすということになるゆえ、支払い義務が生じない関係性で責任を取れと恫喝することは単なるパワハラ以外のなにものでもない。

私は普段からそのような上下関係が存在しない市場で商売をするように心掛けている。とはいえ私にとっては提携先である技術力があり誠実な施工業者の方が立場が上と心の中では思っている。

責任は押し付けられるものではなく、自発的に芽生えるもの


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