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通学する意味(2021年度弁論大会高校2位)

 たくさんの学校でオンライン授業が展開されている昨今において、通学は必要だと思いますか? オンライン授業だと、学校に行かなくても済む分、いつもよりちょっと遅く起きられたり、休み時間には手軽に動画やゲームが楽しめる。皆さんにとって最っ高じゃないですか? もちろん家の方が集中できるからオンライン授業がいいという方もいると思います。でも僕は、オンライン授業には賛成しかねます。

 ある時、僕は父に「なんで学校行ってんの? 行く理由がわかんないんだったら、わざわざ学校行く意味ないじゃん。」と言われました。返答に詰まりました。たしかに、なんで学校に行っているんだろうと。勉強するんだったら独学でもできる、特別学校を愛しているというわけでもない。僕が黙って考え込んでいると、「理由なんてなんでもいいんだよ。友達に会いにいくとかでも、立派な理由だよ。」なんて言われました。ずるいですよね、こんな考え。でも、同級生に聞いてみると、意外とこの理由で通学を好む生徒が多かったです。まあ僕の思考が及ばなかっただけというのもあるかもしれませんが、今では僕も友達に会うために通学しているといえます。しかし、オンライン授業では友達と話すことはおろか、顔をあわせることすらほとんどありません。ZOOM上では雑談しにくいと感じた人も多かったのではないでしょうか。

 それだけではありません。通学時に日光を浴びることによって、ビタミンDが生成されることにより、骨を強くすることができます。もしビタミンDが不足してしまうと、うまく骨をつくることができず、骨軟化症を発症し、骨折しやすくなってしまいます。それを防ぐためにも、通学は必要不可欠なのではないでしょうか?

 さらに、通学によるメリットはこれだけではありません。皆さんは公共機関を使って駅あるいはバス停まで行き、そこまたは家から歩いて学校に向かうと思います。そう、歩くことが重要なのです。ウォーキングは、病気の予防や改善に役立ったり、疲れにくくなったりと、メリットが大きいです。自転車も同様です。

 このような効果を一番効率よく得られる方法は通学ではないでしょうか? 9月のオンライン授業の時、家から一歩も外に出なかった日、ありませんでしたか? オンライン授業で、休み時間に少し外に出る。それもいいことかもしれませんが、通学していれば、行き帰りのウォーキングで十分ですので、オンラインの時のように休み時間にわざわざ外に出て運動する必要はなく、自分が好きなことができます。

 また、対面授業の方が勉強しやすい雰囲気なので、集中しやすいということもあげられます。家よりは誘惑が少ない分、より授業に意欲的に取り組むことができます。

 ここまでずっと通学のメリットについて話してきたので、デメリットについても話していきます。

 やはり通学の最大のデメリットは、通学や帰宅に時間がかかるということにあると思います。これに関しては何も言えません。僕も満員電車とか、人でごった返した駅を歩くこととか大嫌いです。でも、学校が楽しいし、少しだけでも外に出られるということを思うと、インドア派の僕にとっては大したことではありません。

 次に大きいデメリットは、授業中にこっそりゲームしたりスマホやパソコンを触ったりできないということです。オンライン授業中は皆さんぶっちゃけやっていませんでしたか? しかしあくまでオンラインだとしても授業は授業なので、そもそも授業中にやることはおかしいことですが。それにゲームがやりたいけど大学行きたいなんていう生半可な気持ちでは、うまく行かないと思います。

 このほかにも皆さんにとってのデメリットはたくさんあると思いますが、一度反対意見を考えてみて、どちらの方がより自分の役に立つか判断してみてください。

 今回、僕は皆さんに通学について考えていただきたかったので、弁論大会への出場を決めました。僕の弁論を聞いて、やっぱりオンライン授業がいいとか、通学って意外と役に立つんだななど、わざわざ学校に行っている意味、つまりは通学する意味について皆さんが考えてくだされば、とても嬉しい限りです。

 最後に、1つ。僕の弁論を見聞きして、僕のジェスチャーや喋り方、言い回しを馬鹿にしていただいても構いませんが、今それを近くの友達と共有できているのも、通学しているからだということにお気づきでしょうか。

受賞コメント

 弁士として初めての弁論大会で高校の部第2位を頂くことができ、本番から日が経った今でも驚きと嬉しさでいっぱいです。

 授賞式後にクラスメイトから手厚い祝福を受け、そこでみんなが僕を支えてくれていたことにあらためて気付きました。それと同時に、感謝の気持ちと嬉しさが込み上げてきて、弁論大会に出場して本当によかったと思いました。

 僕は人前で話すことは得意ではなく、苦手意識がありましたが、これを機に克服していきたいです。

 あらためて、僕を支えてくださった沢山の方々に感謝を述べたいと思います。本当にありがとうございました。

(高校1年)

Photo by Sigmund on Unsplash

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