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【夢ゼミ】自分の軸もたまに揺らしてみよう

昨夏から開講してきた「バランスゼミ」は1月に最終回をむかえました。

質問の専門家であり、メンタルコーチである藤代圭一さんと一緒に始めた新しいゼミで、文字通り試行錯誤しながらのやりくりでしたが、参加した高校生の言葉を借りれば「聴き合って、笑い合って、とても充実した時間」であり「自分の軸もたまに揺らしてみよう」と思える、豊かな時間でもありました。

最終回から2週間。

ゼミを始めた2人はいま、何を感じているのか。「バランスゼミ」の可能性をどこに見つけたのか。リラックスした2人の語りに、耳を傾けてみましょう。

ほっとした2人

澤正輝(以下、澤):「バランスゼミ」おつかれさまでした!終わりましたね!

藤代圭一(以下、藤代):ありがとうございます!終わりましたね!

澤:1月12日に最終回をむかえましたが、率直にいま感じていることを聞かせてください。手応えはどうですか?

藤代:手応えは相変わらずないですね笑。でも全体を通じたふりかえりを参加した生徒に書いてもらったんですが、それを見てちょっとほっとしました。

澤:ほっとしますよね。

藤代:「自分で決める」ことを大事にしようと始めました。まずは全体を見て、色んな選択肢や物の見方に触れながら、「じゃあ自分ならどうするだろう?」と考えられるデザインにしたんです。

バランスをめぐる旅はこれからも続くから、そのきっかけくらいになればと思っていました。手応えを感じるとしたらこれからですね、きっと。

澤:生徒からの感想に「始まるものは終わりがくるものだと思っていたけど、考えることには終わりがないし、バランスも同じですね。」というのがありました。

藤代:そのまま使わせてもらいましょう笑。

澤:「行きと帰りで毎回変化が生まれた時間でした。」とも書いてくれていて、考えつづけるのは楽しいという手応えを感じてもらえたのは嬉しいですよね。

藤代:大きなことから小さなことまで「決める」というのは毎日のことだから、その日々の中で「自分はどうしてこっちにしようと思ったんだろう?」とやりたい時にやれるようになってくれたらいいですよね。

澤さん的にはどうでしたか?

澤:ぼくもほっとしましたね笑。最後の感想を読ませてもらった時に、エッセンスが伝わっている感じがしたし、教わった感じもしました。ここからまた始まるんでしょうね。

藤代:みんなからの感想には「深い」というキーワードがありました。深い話ができたし、聞けたと。ぼくも澤さんも特に深い話はしてないから、きっとグループでの対話の中で感じたんでしょうね。

「この人ならオープンに話せる」という関係性があってこそだと思いますが、時間はかかりました。

澤:身体を動かすアクティビティをいれるなど試行錯誤をしながらでしたね。

「最初はモヤモヤするし、答えがあるわけでもないし、悩んだけど、そのぐちゃぐちゃから考えることで新しい見方が増えていった。自分の軸もたまに揺らしてみようって思った。」という感想もありました。

関係性がほぐされ、価値観がほぐされ、バランスという言葉そのものがほぐされていく。色んなほぐし、ほぐされが起きていた時間だったんだと気づかせてもらいました。

藤代:ぼくたち大人にこそ必要ですよね笑。

澤:本当に。「自分の軸もたまに揺らしてみようって思った。」って刺さりますよね笑。

藤代:はっとさせられますよね。

最終回のチェックアウトより

同じタイミングで出会った『ツイン・エネルギー』

澤:軸を揺らすっていいもんだな、楽しいもんだなって感じてもらう上で、試作したワークシートはよかったですね。

藤代:関係性ができてきた中で、「よりお互いのことを表現しあえるようになるには?」と探っていた時に出会ったのが関京子さんの『ツイン・エネルギー』でした。

澤:ほぼ同時のタイミングでしたね!開講した当初から「補助線になるものがあったらいいよね」という話はしつつ、バランスゼミにふさわしいものをなかなか見つけられずにいたけど、この本と出会い、読書会もしながら深める中でたどり着いた感じです。

藤代:本当に助かりました。できることなら直接お礼を伝えたいです。

澤:フィードバックもいただけたらいいですよね。『ツイン・エネルギー』はバランスゼミの虎の巻でした。

「異なる2つのものが互いに補完関係であるという意識をもつことは、違いを避けたり、批判したり、排除したりすることが多い今の時代に、大切な1つの指針となり得るのではないかと思います。なぜなら、異なるものとの調和を体験することで、私たちは、成長したり、変容したり、新しいものが手に入ったりと、得られることがたくさんあるのですから。」

関京子『ツイン・エネルギー:静と動のバランスを整える16の考え方』239-240頁

藤代:ワークシートをもとに生徒たちと対話しながら、「もっと同世代ともしゃべりたい!」と思うようになりました。

澤:バランスという言葉は日常的だけど、それについて考えたり、対話したりする場は希少ですよね。豊かな時間だからこれからも開いていきたいですよね。

藤代:やりましょう!同世代ともやりたいし、大人も生徒も混ざりながらでもやりたいですよね。

澤:もちろん学校でも。バランスゼミがこれからどう育っていくかに興味があります。

「1人1人みんな違うのに、聴き合って、笑い合って、とても充実した時間でした。」という感想もありましたが、まさに聴き合い、笑い合いながらバランスについてほぐしあいたいですね。

試作したワークシート

あなたにとって「バランスゼミ」とは?

澤:参加した生徒たちにも聞いたので、自分たちにも問いかけましょう。藤代さんにとって「バランスゼミ」とはどんな時間でしたか?

藤代:バランスゼミとは・・・(長い沈黙)。

「葛藤を見つめられる時間」って感じですね。ぼくは葛藤を、成長を促してくれるポジティブなものとして捉えているんです。それを見つめられる贅沢な時間だと思います。

澤さんはどうですか?

澤:やっぱり戻ってきますよね笑。バランスゼミとは・・・(再び長い沈黙)。むずい。

でも、バランスについて考えるのは純粋に楽しかったから「みんなで幸せになっていく旅」のようなものだったのかも。幸せそのものでもありました。

藤代:いいですね!今日はありがとうございました!

一人ひとりの中で今後も続く

これをまとめた後、たまたま読んだある記事「歩きに限らず動きにはバランスを崩して立て直すといった繰り返しがベースにあると感じています。固定化された安定ではなく、不安定を持続する動的な安定です。」という一節に出会いました。ゼミを終えたいま、すとんと落ちるものがあります。

バランスをめぐる旅はきっと始まったばかり。次はどこかの場で、ご一緒しましょう!

(編集:澤正輝/グラフィックレコーディング:水越日向子)


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