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【人生劇場#49】ゲスト:松岡都祈さん

ー人生劇場ー
10人集まれば、10の生き様がある。
様々な分野の方をゲストに迎え、”人生”について語ってもらいます。
時には質問をしたり、みんなで対話を重ねたり。
そうしてひとつの空間をつくりあげていく、60分のライブイベントです。

今回で49回目となった人生劇場。
運営メンバーも月日を重ねるごとに少しずつ変わっていき、
今では初期メンバーが全員引退した。
しかし、今の人生劇場にもそのメンバー達が残した何かが残り、
巡っていることはその場にいるだけで感じ取れるのである。

今回の人生劇場に明かりを灯したのは、
隠岐島前高校3年生の松岡都祈(まつおか とき)さん。
彼女は2020年度に島前高校に入学し、
同年に初回を迎えた人生劇場の初期メンバーだ。

2021年度一杯まで活動していた彼女は、
特に「ライター」という印象が強い。
ゲストとして招かれる色とりどりの方々を独特の目線で見つめ、
解釈し、時には妄想も膨らませて私たちに伝えてくれた。
私自身、彼女のレポートを人生劇場の一つの楽しみとしていたし、
私と同じ気持ちを持っていた方も少なくないはずだ。
「人生劇場名物」と言ってもいいかもしれない。
本日のメインは『文章で語る彼女が遂に口を開いた!』です。

何が始まるのかと思えば、他己紹介が始まった。良い出だしだ。
何処となく彼女も緊張している様子だったし、
流れがあるというのは安心できる。
他己紹介と言ってもそれぞれの印象を語るといった簡単なもので、
参加者からは「非凡」、「特殊」、「作文」、「面白そう」
などといった言葉がこぼれた。とても嬉しそうな彼女。
「今日はけっこう聞いてください」
とこの場を楽しみにしていたことがよく伝わってくる。
これから彼女は何を吐き出して、
この場に魔法をかけてしまうのだろうかと想像が膨らんだ。

そして、次は質問とマシンガントーク。
(特に話すのが早かったわけではないけど、なんかそんな感じがした)
ちょっと箇条書きでやってみる。

・好きな教科はなんですか?
− 高校になってからあんまり真面目に受けてない気がします。
だからあんまり好きな教科はないんですけど、
小学校の頃は道徳の授業が一番好きでしたね。
すごいぼんやりとしたことについて考えるのが好きで、
色々妄想できるから。国語とかも好きですよ。間がある授業。

・「書く」ときに何を考えていますか?
− 読む対象がいると、「その人にできるだけ自分の詳細を知ってほしい」
っていう欲望があるんです。
自分の想像してる隅から隅までを全部説明したいんです。
独り言みたいですよ。
思いついたこと、目に入ったものについて全部書くから。
逆に知られていないところがあるのが恥ずかしいというか。
恥ずかしいところがあることが恥ずかしいみたいな。
だから全部説明したいんだと思います。
でも喋るのは苦手だから「書く」にいったんです。
スピード感が自分に合ってて。書いたことは基本的にすぐ忘れていくので、後から感じる恥ずかしさもないし。

・いつぐらいから書いてたんですか?
− 一番古い記憶だと8歳くらい。覚えた言葉を使って色々書いてましたね。一人っ子っていうのもあったかもしれない。
でも学校とかで出される感想文とかは苦手で、
日常の憤りとか書いてましたね(笑)。で、書くことが続いてるのは
両親が「おもしろい」って言ってくれたからだと思います。
両親のSNSとかを通じて色々な人にも褒めてもらって。
あとはさっき言ったように、何処かで「知ってほしい」
という欲望があるからだと思います。

・将来の夢はなんですか?
− 特にこれといって職業みたいなものはないです。
でも、「松岡都祈じゃないとできなかっただろうな」
ってことに長い時間を使って、残った人達にもそう思ってほしいです。

・衝撃を受けた人は?
− 衝撃とは少し違うんですけど、ずっと自分の中に残ってる人だったら、
ミュージシャン。柴田聡子とカネコアヤノ。
その人たちの歌詞は自分に共通してるところがあるなっていうか、
見えたものをそのまま言ってるし、
自分の内面をすごい説明した感じがすごくある。
それは高校に入って気がついたことで、
自分のやりたいことをやってる人に惹かれます。
憧れなのかな。そんな感じです。

・どんな大人になりたいですか?
− 今19歳なんですけど、17歳の時から自分のことを
26歳独身女みたいに思ってて。昔からある26歳のイメージがあるんです。
周りが結婚していって、子供ができはじめてるけど
そこに焦りは感じてないみたいな。
その年代の人の挙動ってあるじゃないですか。
「あ、今26歳独身みたいだな」みたいのを感じるんです。
それは少しネガティブかもしれないけど、
その完璧になれない感じも含めてそういたい。
ちょとボサボサしてて、寝癖あるみたいな。

・それはどんな影響から?
− 漫画とかの影響が大きいですかね。『深夜のダメ恋図鑑』とか。
拗らせてるOLを見てて楽しいんです。
あとは、動揺してる人が好きなんです。焦ってる人って魅力的なんです。
話ズレちゃいましたね笑。

彼女自身は「全てを分かってほしい」と言っていたが、
私はそれが不可能に思える。彼女の情報量と変化のスピードに
脳の処理ソフトが追いつかない気がするのだ。
そのくらい繊細で太い人なんだと思う。
26歳のときに彼女はどんな女性になっているだろうか。
皆さんにもこんな感覚ありますか?

(文:高橋恭介)


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