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高校生といっしょに未来をつくるスタッフを募集中!

 「隠岐國学習センター」は、隠岐島前高校と連携しながら生徒の進路実現をサポートする公立の塾です。定期テストや大学受験に向けた教科学習のサポートだけでなく、島前地域を舞台に多様な人々とともに学び、実践する夢ゼミや、生徒主体のプロジェクトなど、生徒の「〜したい」を応援し、伴走しています。

 2023年度を迎えるにあたり、隠岐國学習センターでは新たに教務スタッフを募集することになりました。一人でも多くの方とつながりたいという思いを胸に、スタッフたちが語り合いました。

座談会参加者

隠岐國学習センターってどんなところ?

竹内:
では最初に、隠岐國学習センター(以下、学習センター)の紹介を…。学習センターは、島前3町村(西ノ島町・海士町・知夫村)が出資して設立した公立塾で、隠岐島前高校(以下、島前高校)の全生徒約160人中120人くらいが放課後に通っています。高校と連携しつつ、高校のカリキュラムではサポートしきれない部分についても、塾という立場を活かして柔軟に対応しています。塾というと教科指導学習支援の印象がありますが、それに加えて、地域や社会と連携した探究型のプログラム「夢ゼミ」があるのが特長です。

塚越:
夢ゼミは、全員参加で学年ごとに実施するものと、学年横断で生徒の興味関心にあわせて実施する選択制のものがあります。地域の課題解決に取り組んだり、地域の大人たちと対話をしたり、オンラインで都市部の企業とつないでインターンシップ的なことをやったりと、生徒の興味・関心ごとを聞いたり、様子を見たりしたうえで、スタッフが企画しています。ここ数年は、生徒と相談しながらいっしょにつくっていく機会も増えてきましたね。

竹内:
そうだね。夢ゼミの枠を超えて、自分で問いを立てて地域とつながりながら主体的にプロジェクトに取り組む生徒も、最近は多くなってきました。高校のコーディネーター、寮のハウスマスター、先輩と、僕ら以外にも生徒と地域とをつないでくれる存在がたくさんいるから、生徒がどんどん自分からアクションを起こすようになっています。最近の夢ゼミは、「まだきっかけがない生徒に機会を提供する場」としての学年夢ゼミから、「学びの枠を超えて大人と共に実践する」ものまで、生徒一人ひとりの状態に合わせて進化し続けています。


石井:
学習センターは、勉強にせよプロジェクトにせよ、生徒がやりたいこと、やるべきことに取り組める場所です。そしてその土台として、生徒がありたい自分、あるがままの自分でいられる場所安心できる居場所にしたいというのが、私たちスタッフの願いです。学習やプロジェクトに意欲的に取り組める生徒もいれば、そうではない生徒もいます。それでいい、いろいろあっていいというのが学習センターのスタンス。スタッフにもいろんな人がいるからこそ、生徒は自分の波長に合う人や自分の居場所を見つけやすいのかなと思います。

竹内:
代々のスタッフを含め僕らは、学習センターを高校生にとって「安心して自分を出せる場所、安心して挑戦できる場所」にしたいと思って努力してきました。手前味噌ですが、インターンも含めたスタッフ全員が「誰ひとり置いていかない」という気概をもって生徒のことを考え続けているという点では、どこにも引けを取らないという自負があります。僕自信、高校生のときにこんな場所が身近にあればよかったと、心から思いますね。

塚越・石井:
同感です。高校生のときに、欲しかった!

スタッフの仕事は?

竹内:
教務スタッフは、センター長の僕を含めて現在4名です。メインで担当する学年が決まっていて、2022年度は、石井さんは3年生を、塚越さんは1年生を担当しています。面談をして生徒の話を聞く、教科の指導や学習アドバイスをする、やりたいことに伴走する、地域の人や社会とつなぐなど、スタッフの業務は多岐にわたります。言ってみれば、「生徒のためになると思うことはなんでも」ですね。

石井:
そうですね。島前高校の生徒の進路は多様で、就職する子もいれば、総合型選抜で大学を目指す子も、共通テストを受けて国公立大学を受験する子もいます。3年生の担当としては、生徒一人ひとりと面談を重ねて「どうありたいか、何がしたいのか」を深め、生徒が志望理由書をまとめるのに伴走したり、面接の練習をしたり、受験勉強のサポートをしたりしています。高校との連携もかなり密にとっています。特定教科について聞かれても教えられないかも…と不安を感じる人もいるかもしれませんが、担当学年関係なく教えられる人が教える協力体制ができているので大丈夫。私も自分のキャパシティを超える質問があったときは、答えられるスタッフにバトンタッチしています。

塚越:
生徒が興味のあることを仕事にしている人とつなぐとか、卒業生が来たときに生徒と引き合わせてみるとか、いっしょに実験してみるとか、情報だけじゃなく「体験の機会」を生徒に提供するのが僕らスタッフの大事な役割かなと思います。島前は人口が少ない地域だからこそ、都会よりも社会と密接なつながりがある。そこは大きいと思いますね。

石井:
自分が持っているつながりだけだと限られますが、生徒と話した内容や生徒の様子を他のスタッフと共有すると、「それならこんな人がいるよ」「あの人に聞くのがいいんじゃない?」と、誰かが何かを紹介してくれます。そうやって自分自身のつながりが広がっていくのもおもしろいですね。

竹内:
「生徒のためになると思うことはなんでも」と言ったけど、最終ゴールは生徒が自立して自分で自分の未来を切り拓けるようになること。なのでスタッフは、その子が今どんな状況にあるのかよく観察したうえで、どう関わるのが最適か考え続けることが求められます。生徒によっては、あえて何もせずに見守るというようなこともあります。そういう意味では、石井さんが今年の3年生と一緒につくった「夢ゼミ」は、生徒の個性が出ていて面白かったよね?

石井:
はい。とてもワクワクする場づくりができたな、と思っています。3年生のための場を私ひとりで考えるのではなく、その場に参加する生徒自身を巻き込んでつくりあげていったのは、準備期間も含めてとても楽しい時間でした。生徒の「やりたい」を引き出して応援したり、生徒にとっての「当たり前」にスポットライトを当てたり、「苦手なこと」にチャレンジするかを迷う背中をドーンと押してみたり。彼らにであれば任せられる、と夢ゼミの場を託すことができたのは、これまで生徒たちと積み上げてきた対話の時間があってこそだな、自分だけでつくろうと構えすぎなくてもいいんだな、と感じました。

仕事の魅力、やりがいは?

竹内:
仕事を通して多様な人とかかわり、関係性を深められることですね。学校の先生、コーディネーター、寮のハウスマスター、小中学校の先生、地域の人と、高校生を取り巻くステークホルダーが多いのが島前の特長です。ときに対立したり怒られたりもしながら、立場が異なる人たちと思いを共有しながら未来をつくる、そのプロセスを経て関係性が深まります。島前に来て、多様性を認め合うことの難しさを痛感すると同時に、価値観の違う人、共感できない人と本気で向き合うからこそ生み出せるものがあるのだと学びました。石井さん、塚越さんはどう?

石井:
いろんなあり方が許容され多様な評価軸がある学習センターという場で、生徒一人ひとりに人として寄り添えることです。「やりたいこと」が明確な生徒ばかりではないし、やる気が出ない日だってある。それを良い・悪いで判断するのではなくそのまま受け入れ、目の前にいる生徒にとって、今、何が必要かを考えたうえで個別のアプローチができることに、大きなやりがいを感じています。

塚越:
いろんな人と出会い、関係性が横に広がるだけでなく縦にも続いていくことです。僕は、自分とは異なる背景や価値観をもつ人の話を聞くのがおもしろくて。人とつながることを通して自分自身も成長できるし、かかわる相手の変化や成長を見るのも好きですね。特に最近は、高校卒業後も生徒達から悩みを聞いたり逆に僕の方が頼ったりして、関係性が長く続くことが大きな喜びになっています。

島の暮らしはどんな感じ?

石井:
暮らしやすいというか、島に来てからの自分は、すごくリラックスして生きているなと感じます。島に来てから気づいたのが、自分は自然が好きだったんだということ。季節の移ろいを感じたり、島で育ったお米を食べたり、野菜を育てたり、柿を干したり…すごく豊かな生活だなと感じます。狭いコミュニティならではの息苦しさ、みたいなのはあまり感じていないですね。移住する前は車の運転と虫が心配でしたが、まあなんとかなっています(笑)。

塚越:
島では人口の分母が小さいので、ちょっとでもできることがあると目立つというか、重宝されるんですよね。僕の場合、料理は自炊する程度でパソコンもちょっと詳しいくらいだったんですが、いつの間にか地区の行事では調理の戦力とされ、おじいちゃんおばあちゃんを相手にスマホ講座を開くように(笑)。できることを活かして少しずつ信用の貯金が増えていった感じです。同様に、やりたいと手を挙げればできることも多いです。ただし、自分だけが「やりたい」を独占してしまわないよう、周囲に気を配るようにしています。

竹内:
島では何かにつけて、人の顔が浮かぶんですよね。お世話になったあの人が困っているだろうと思えば勝手に体が動くし、喜んでもらいたいと思えば120%の力が出せる。そんな経験を島に来てからたくさんしました。そんな環境で、生徒や島の人と一緒にチャレンジしたい人に来てもらいたいです。

求める人物&スタッフからのメッセージ

竹内:
島前ふるさと魅力化財団では、「魅力的で持続可能な地域と学校をつくる」というビジョンを掲げています。生徒を中心に置きつつ、地域やそこに暮らす一人ひとりが幸せに生きる未来をつくるというチャレンジに共感し、いっしょに取り組んでくれる人に、ぜひ来てほしいですね。学習センターを、高校生だけなく地域の子どもも大人も僕らスタッフも、「みんなが安心して挑戦できる場所、一人ひとりが輝ける場所」にすること、そしてそれをみんなの手で実現するのが、僕の野望です。

塚越:
学習センターは、「生徒に場や機会を提供する」というフェーズから、「生徒といっしょに場をつくる」というフェーズにシフトしつつあります。ぜひ、「生徒といっしょに」という視点がもてる人と、これからの学習センターをつくっていきたいなと思っています。

石井:
私もこれからは生徒をどんどんつくる側に巻き込みたいと思っているので、「いっしょにつくる」という言葉にピンと来た人に来てほしいです!

竹内:
今回はスタッフ募集の記事でしたが、島前との関わり方はインターンや夢ゼミの外部講師など様々な形があります。僕自身、最初に島前に来てから移住するまでに3年くらい間があるんです。その間は、本土のイベントに参加したり、オンラインで関わったりしていました。

なので、興味はあるけど2023年度からはちょっと厳しいかも…という人もウェルカムです。半歩だけでも踏み出してみようと思っている人と、一人でも多く出会えれば幸いです。

募集要項


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