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蒲田健の収録後記:原田まりるさん

映ゆい

原田まりるさんの最新刊「ぴぷる」

舞台は今から17年後の西暦2036年。テクノロジーは長足の進歩を遂げ、人型汎用AIが一般的なものになっている世界として設定されている。同じ時間幅を過去に振って17年前には例えばワンタッチで買い物を済ますことのできるスマートフォンなんてものはまだ存在すらしていなかったことを思えば、十分リアリティがある設定だろう。

人型汎用AIに性交渉機能が搭載され結婚もでき家族としても認知されるようになる社会において繰り広げられる様々な形の恋愛模様。

好きという感情とは何なのか。孤独とは?愛とは?

テンポの良い恋愛小説のテイストを持ちながらも、投げかけられる問いは深淵だ。

哲学ナビゲーターとして活躍する原田さん。

哲学とテクノロジー。

ステレオタイプな見方をすればそれぞれ文系と理系の極みのような一見正反対のフィールド。だが今作を読み進めていくと、その2つのフィールドは根源的には分かちがたく通底しているということが見えてくる。

自分ならどういう態度になるのだろう。遠からず直面するであろう状況の脳内シミュレーションを触発、促進させる作品ともいえる

「求める と 求められる と いうことが

          愛の加速装置になるのか?」

P.S. 17年後という近未来でも風景に基本的な変化はないであろうという理由で、舞台をご自身ゆかりの地でもある京都にしたとのこと。納得!




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