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2018年10月の記事一覧
蒲田健の収録後記:町田康さん
「猫好き上級者」のための作品集
町田康さんの最新刊「猫のエルは」
猫は自由だ。それは動物界の中でも特異な自由ぶりなのかもしれない。
動物界の絶対原理は捕食である。生きるためのエネルギーを得るために獲物を
捕らえ食する。食するために殺生をする。
猫は違う。ペットとしての猫は食を人から与えられる。捕らえる必要はない。
しかし捕らえる。純粋な遊びとして他の動物を虐殺して楽しむためだけに。
蒲田健の収録後記:岸本佐知子さん
アンソロジーから入るのもおすすめ
翻訳家・岸本佐知子さんの最新訳書、ミランダジュライ作「最初の悪い男」
マルチな才能を発揮する気鋭の作家の最新作は、エロス、バイオレンスてんこ
盛りの、とにかくぶっ飛んだ物語。どう展開してどこに行き着くのだろうという
ジェットコースターのような作品。
この決して一筋縄ではいかない話を見事に訳し切った岸本さん。原作の持つ
スピード感や熱量を別の言語に置き換
蒲田健の収録後記:村田沙耶香さん
自分はポハピピンポボピア星人
村田沙耶香さんの最新刊「地球星人」
“地球星人”という一見普通名詞のようでありながらその実国語辞典には
載っていないであろうどこか奇妙な響きのするタイトル。
テレビの動物番組に興味があるという村田さん。“○○という動物は
かくかくしかじかの特徴を持つ繁殖活動を行っている”という類型化がされ
紹介される。普段特に違和感も感じずにその説明を受け入れるわけである
蒲田健の収録後記:本谷有希子さん
“奥さん、犬は大丈夫だよね?”
本谷有希子さんの最新刊「静かに、ねぇ、静かに」
優し気な、しかし取りようによっては得も言われぬ不穏な空気も感じさせる、
不思議なタイトル。
スマホが急速に普及し、SNS社会ともいえるような状況の中、
コミュニケーションが円滑になっているように思える一方で、何かが
引っかかっているような違和感、異物感。
本谷さんご自身はSNSには積極的に関わっているわけ