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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2018年6月の記事一覧

蒲田健の収録後記:三浦しをんさん

蒲田健の収録後記:三浦しをんさん

好きだと思える人を描く

三浦しをんさんの最新刊「ののはな通信」

この人さえいれば、という心の拠り所となる存在がいるということは幸せなこと。

生きていく上での十分条件ではないかもしれないが、必要条件にはなりうる。

そしてそれが「愛」と呼ばれるものなのかもしれない。

前半は女子高校という“秘密の花園”を舞台にしたドロドロ恋愛ミステリーかと

思わせておいて、後半にかけて、平和、運命というフィ

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蒲田健の収録後記:想田和弘さん

蒲田健の収録後記:想田和弘さん

よく見る よく聞く

想田和弘さんの最新監督映画「ザ・ビッグハウス」

事前に台本を書かず、出演者との打ち合わせもせず、ひたすら目の前のことに

カメラを回し続ける“観察映画”という方法論で様々なものを撮り続けてきている

想田さん。

観察映画ではナレーションやテロップといった説明は排除されている。

そこにある素材がそのまま提示される。制作者の主張や一定の結論へとは

導かない。観客はその素材

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蒲田健の収録後記:山田ルイ53世さん

蒲田健の収録後記:山田ルイ53世さん

ルネッサーンス!

山田53世さんの最新刊「一発屋芸人列伝」

自らが、お笑いコンビ髭男爵として大ブレイクした「一発屋」である山田さん。

そんな山田さんが言わば同士ともいえる一発屋芸人たちに、ブレイクのその後を

尋ねたルポルタージュ集である今作。

流行語・社会現象を生み出し一世を風靡した一発屋たち。幸せの絶頂を迎え、

これがおとぎ話ならば「幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。」で幕が

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蒲田健の収録後記:佐藤優さん

蒲田健の収録後記:佐藤優さん

局所合理的なことを追求しすぎると、伸びしろがなくなる。

佐藤優さんの最新刊「十五の夏」

1975年、当時いわゆる共産圏であった東欧諸国を、当時高校一年生の

佐藤さんは夏休みを使って一人旅に出る。海外旅行が今ほど簡単では

なかった時代、しかも行く先は社会体制が全く異なる国々。

特別な伝手があるわけではない、資金が潤沢にあるわけではない、

外国語も流暢に話せるわけではない、ないないづくしの

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蒲田健の収録後記:多和田葉子さん

蒲田健の収録後記:多和田葉子さん

言葉がわかる≠心が通じる

多和田葉子さんの最新刊「地球にちりばめられて」

自分の国が消えてなくなってしまう!日本に暮らす身としては

一見絵空事のようにも思えるが、ドイツを拠点に活動している多和田さんに

とっては決して突飛で荒唐無稽な話ではなく、特に東日本大震災以降、

ラジオをつけてトップニュースが「日本」という言葉で始まると思わず

身構えてしまう心境になるという。

もちろんそんなこと

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