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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2016年10月の記事一覧

蒲田健の収録後記:森絵都さん

いつの世も人々は教育の体制や制度に不満を持っている。

森絵都さんの最新作「みかづき」

全ての人が当事者とも云える教育という分野。各々の人が各々のやり方で、

子供のためによかれとして行う営み。

そこには百人百様のアプローチが存在し、完全無欠「満月」のような

唯一絶対の正解は存在しえない。

それぞれがどこか欠けている「みかづき」なのだ。

だがそうだからと言って不完全であることに居直っては

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蒲田健の収録後記:西川美和さん

身に覚えは無いけど、身につまされる。

西川美和さんが原作、脚本、監督を手掛けた作品「永い言い訳」

下敷きとなっているのは東日本大震災の記憶。 

身近な人との関係がある日突然カットアウトされた時、

残された人はどうふるまえるのか。

人と人が接触すれば摩擦が起こる。そしてそこに化学反応が生じる。

良い反応ばかりとは限らない。

いや、面倒なことの方が多いのかもしれない。

しかしそれでもや

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蒲田健の収録後記:荻原浩さん

人間と時間の流れについて考えていたら結果として家族の話に行き着いた。

荻原浩さんの直木賞受賞作「海の見える理髪店」

あのときこうしておけば、という瞬間は大なり小なり、

ほとんどの人にあるだろう。

特に多くの時間を共有してきた家族という存在に対してであれば

尚更その確率は高まるはず。

必ずしも良好な関係とは限らない。時として煩わしかったり、

面倒だったり、憎悪が含まれることだってあるだ

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