卒業式の歴史 ~限られた人の到達点から全員の感動へ~【卒業式の教育学2】
前回、「卒業式=感動の涙」というイメージは日本の特徴であることを述べました(前回はこちら)。今回は卒業式の歴史を見ていきます。学校教育制度が出来たばかりで試行錯誤していく中で、卒業のあり方も変化していきました。
1.卒業式のない時代 明治時代に全員就学の学校制度が整備される以前、子どもが教育機関にいつ入るか・いつ出るかは特に決まっていませんでした。江戸時代の寺子屋では、おおむね7~9才頃に入学(登山"とうざん"や入門などとも言った)しますが、10才を超えて入学する人もいま