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#26|吉村篤一先生

いよいよオープンオフィスも明後日となりました。
皆さんのお越しをお待ちしております。

さてオープンオフィスに先駆けて、先週は大事な内覧会がありました。
学芸出版社ビルを設計してくださった建築家の吉村篤一先生が、
改修後の弊社ビルを見に来てくださいました。

弊社のビルは1995年に竣工しました。奇しくも、昨日23年を迎えた、阪神淡路大震災の年です。

もちろん弊社ビルは無事でしたが、震災後に大事をとって点検した書類も、たくさん残っています。当時私は小学1年・・・歴史を感じます。

あと、建築関係の方ならご存知かもしれませんが、#4で松本さんが書いてくださったように、『京都建築MAP』(ギャラリー・間 著、1998、TOTO出版)にも掲載していただいている自慢のビルです。

当時からのモダンな雰囲気はずっと古びることなく、来てくださった方は皆さんが口々に褒めてくださるのですが、
寒さだけが玉に瑕・・・ということで、今回の断熱改修に至ったわけです。
私も、6年前入社した時にはなんてかっこいい社屋で働けるんだとその喜びは大きく。6年働いてみて、つくづく思うのは、様々な開口がとても豊かだなあということです。

正面玄関横の3階まで吹き抜けの階段室は、全面ガラス張りの開放感。
道路沿いの植栽越しに通行人や訪問者を出迎えたり見送るのも楽しく、
階段を上り下りしながら向いのビルの2階で机に向かうサラリーマンが見えたり。

2階南側は少し暗めの室内から、前面の植栽の枝ぶりがパシッと明るく切り取られて、春夏秋冬とてもきれいです。

#8 で弊社松本が書いたように、
3階は仮オフィスにしてみて3階レベルの抜け感と気持ちよさには驚かされました。使い方によって建物の印象はがらっと変わるものですね。

4階ペントハウスの大開口も、夕方に京都タワーが光り出す時間なんか、何とも言えず贅沢です。

いろいろな開口がある中でも、個人的に気に入っているのは裏の社用階段のトップライトです。

入社するまで、裏階段は真っ暗なイメージしかなかったので。
天気がいい晴れの日はもちろん雨の日も明るいです。

と、開口部だけでも色々と好きなところはたくさんあるのですが、
そんな弊社ビルを設計してくださったのが吉村先生でした。

先代の京極社長が、吉村先生と色々と話し合って決められたそうで、構想当時はバブル全盛期、8階建案もあったとか(そうならなくて良かった)。それから23年の間に2回、外壁の撥水工事をしています。大事にメンテナンスして使っているので、築23年と言うと驚かれることもしばしば。

今回の改修も、そんなオフィスをこれからもずっと大事に使い続けるためのものでした。

ということで、吉村先生をご案内する、今回改修を担当した松本さん。緊張の面持ち・・・

まずは2階をご案内。色々とディテールの意図を解説する松本さん。
あらゆる素材に吉村先生がいろいろと質問を投げかけられ、設計者同士の会話が弾みます。


どうでもいいですが吉村先生はとても背が高くすらっとされているので自然といつもより引きの写真になる・・・

終始なごやかな雰囲気だったとか。
吉村先生、お越しいただきありがとうございました。

そして、吉村先生と弊社ビルを建てられた先代の社長・京極さん。

今も折を見て出社してくださいますが、新しいオフィスも快適に使っていただいています。

吉村先生から松本さんに引き継いでいただいたように、
弊社若手スタッフもこの建物を大切に引き継いでいけるとよいなと思います。

(岩切)


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